2008年05月30日

得する言葉づかい

仕事で資料探しの為、スタッフアドバイザーという雑誌のバックナンバーを開いたところ、「得する言葉づかい」というコラムがありました。
目白大学の渋谷昌三教授が書いたものです。

相手を傷つけないで、好感度を高める言葉づかいについて書いてありました。

まずは、好感度を高める言葉。

(1)「また、お会いしましょう」と言うと好感度が高まるそうです。
「〜しましょう」という未来系の言葉は、好意や再会への期待を意味するからです。
もし「また、お会いしなくてはなりませんね」と言うと、義務として会わなくてはならない気持ちを伝えてしまい、マイナスイメージです。

(2)「私たちで〜」と言うと好感度が高まるそうです。
「私たち」という言葉から「われわれ意識」が感じられるので、二人の一体感が強調されるからです。
「この件については、私たちで何とかしましょう」と言えば、二人が協力しあって問題を解決する気持ちが伝わります。
もし「あなたと私で〜」と言うと、他人行儀の印象が強まります。

主語や語尾の使い方で、好意度が分かるのなんですね。

次に、近接度を高める言葉です。
近接度とは、話し手とその会話内容との心理的な隔たりを意味する用語のこと。
近接度の高い表現は、親密さや好意を示します。
近接度の低い表現は、忌避や悪感情を伝えます。

心理学者のウィナーは、4つの例をあげています。

(1)「○○(名称や愛称)さんは〜ですか」と言うと近接度が高まる。
固有名詞で呼ぶと自我関与度が高まり、言葉に誠意や熱意がこもるからです。

(2)「○○さんに会いたい」と言うと近接度が高まる。
「〜したい」は意思と期待が強調されるからです。

(3)「私たちはうまくいっている」と言うと近接度が高まる。
現在進行形や未来形で語ると、関係を今後も続けたいとの意思が伝わるからです。

(4)「うまくいくと、私は思います」と言うと近接度が高まる。
「私は〜と思う」には、自分自身の意見と期待が込められているからです。

ちょっとした言葉づかいが、二人の関係を近づけたり、遠ざけたりするのです。
自分ではそんな事を思って言った訳ではないのに、相手に悪い意味にとられてしまって関係を壊すのは、なるべくならば避けたいところです。
その為にも、こういった事を知っておくのは得策です。

また仕事の場合、短時間でお互いの関係を良好にしなければいけない場面が多々あります。
営業職ならば尚更です。
得をするとまではいかなくても、損をしないように言葉づかいを気をつけてみてはどうでしょうか。
下手な知識の上積みをして相手に挑むより、有効な手立てだと思います。

Posted by kanzaki at 2008年05月30日 21:46