2008年06月22日

バベルの塔

久しぶりの二連休。
幸い、新潟は全く雨も降らずにすみました。
ロードバイクで海岸沿いを走りますと、日々の嫌な事を忘れることが出来ます。

アニメ映画「時をかける少女」の地上波テレビ再放送が決定しました。
7月19日(土)夜9時から土曜プレミアム(全国フジテレビ系)にて放送です。

●時をかける少女
http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/

実写版とは違う、誰もが通り過ぎた思い出の時間を再び感じさせる内容となっております。
未見の方は是非。

さて昨日、図書館へ本を返しに行った帰りのことです。
新潟駅の「万代口」という駅の表側から、反対側にある「西口」へ行くには、駅の二階へのぼって「西側自由通路」を通らなければいけません。
自転車で移動する人達も、必ず自転車から降りて、その通路を通ります。
ちなみにこの通路の真ん中あたりに、「ヨドバシカメラ新潟店」があります。
物欲王にとって、ヨドバシカメラを無視してこの通路を歩くのは、さぞかし大変な事でしょう。

その二階にある通路へのぼるのに、エレベーターを使います(勿論、階段もあります)。
このエレベーターは、自転車を移動させるのにも使用してよいことになっています。

エレベーター乗り場へ行きましたところ、既に先客がいました。
マウンテンバイクに乗った年配の外人さんでした。
ラフな半そで半ズボン姿。
髭の生やし方といい、まるでスティーブン・スピルバーグ監督みたいな風貌です。

同じ自転車乗り同士。
初対面にも関わらず、エレベーターが下りてくるまでの間に、どちらからともなく話しかけはじめました。
街中で自転車に乗っている外人と言いますと「宗教関係者」が多く、声を掛けられたら糞マッハで逃げるのが常ですが、この人はそういう人ではありませんでした。

使い込まれたマウンテンバイクと、それを操る強靭な肉体。
60歳を過ぎているそうですが、全く衰えというものを知らない感じです。

このお方、30年ぐらい前に日本へ来たそうです。
成田空港に到着した日、ちょうど田中角栄が捕まったとメディアが騒いでいたとか。
確かロッキード事件が発生したのは、1976年のことです。

もう日本にすっかり定着し、母国オーストラリアへは戻らないそうです。
しかも既に2歳の孫までいるそうです(とても、そんな風には見えません)。

エレベーターで二階へのぼり、通路を自転車を引いて歩きながら話し続けました。
この通路は非常に幅が広く、この時間帯は人の往来も殆どありません。
外人さんは、「これだけ広いのだし、人もいないのだから、なんで自転車で走っちゃいけないんだろうね」とぼやいていました。

短い時間でしたが、色々と話しこみながら西口を出て別れました。
同じ自転車乗り同士。
しかも狭い土地です。
いずれどこかで再会できそうな気がします。

日本びいきな外人さんと話しますと、なんだか和みます。
自分の住んでいる所を肯定してくれているのですから。
違う文化・言葉で生きてきた人同士が、相手を肯定して歩み寄ろうとするからこそ、フレンドリーに話せるのかもしれません。

「バベルの塔」というものをご存知でしょうか。
バベルの塔とは、旧約聖書の「創世記」中に登場する伝説上の巨大な塔のことです。
ナムコのファミコン用アクションパズルゲームを連想した人はごめんなさい。

もともと人々は同じ1つの言葉を話していました。
彼らは天まで届く塔(バベルの塔)をつくっていたのですが、神々が人々に違う言葉を話させるようにしました。
そのため人々は混乱し、世界各地へ散っていきました。

このバベルの塔をモチーフにした物語は数多く存在します。
最近ですと、テレビドラマ「相棒」の「Season 5・2007年の新春スペシャル・第11話 バベルの塔〜史上最悪のカウントダウン!」にて 、冒頭での語りや最後の杉下右京の話に登場します。
高層タワーの閉鎖された空間・限られた時間の中で起きる事件なのですが、これは非常にできの良いエピソードでして、劇場版よりも好きです。
超高層ビルの中、色んな人間の思惑が交錯するのですが、一人の言葉を話せない少女がキーワードになり、家族の絆というものを再認識させる良作です。

ちなみにこのエピソードにて、警視庁一番のスナイパー日野警部補役で、寺島進さんがゲスト出演しています。
刑事役の寺島さんと言いますと、「踊る大捜査線」のスピンオフ作品である「交渉人 真下正義」「逃亡者 木島丈一郎」が有名ですが、この「相棒」でも非常に美味しい役を演じていました。
またゲスト出演してほしいものです。

今回出会った外人さんとの経験から、例え生まれた国が違えど、そして言葉が違えども、ちゃんとコミュニケーションというものは出来るものなんだと再認識できました。

Posted by kanzaki at 2008年06月22日 20:02