2008年09月02日

マイレージの私的流用は業務上横領になるのか?

雑誌「PRESIDENT」を読んでいましたら、「マイレージの私的流用は業務上横領になるのか?」という内容の記事が書かれていました。

この疑問、誰もが思う事ではないでしょうか。
お金の出所は会社なのに、そのマイルを自分のものにしてしまうのは、本人は少なからず罪悪感なり、後ろめたさを感じているのでは?
何かしら法的にルール違反じゃないと分かるものが欲しいかと思います。

飛行機を使って出張をするような人ではなくても、例えば、ヨドバシカメラ等で会社の備品を購入する際、自分のポイントカードを提示して、備品代のポイントを自分のものにしてしまう人もいるのではないでしょうか。

会社の経費で個人が得するのは道理に反すると思うのですが、これは刑法253条「業務上横領罪」にはなりません。
「他人の物」を横領した場合には罰則を科しますが、マイルは「他人の物」ではないからです。
マイレージプログラムは、航空会社と個人が契約するものですから、「本人の物」となるのです。

また、民法703条「不当利得」でも同様です。
マイレージプログラムにおいて航空会社は「法人向けマイル」を設定していません。
だから会社はマイルを獲得できませんので、会社として使えないのだから、個人がマイルを得ても「損失」とは言えないのです。

ただし、キャッシュバックは駄目。
「領収額の一割を現金還元」といった場合に、支払総額ではなく、領収書の金額を社員が会社へ請求すれば、経費の水増しとして刑法246条「詐欺罪」に問われるおそれがあります。

私は飛行機に乗って出張をすることはありませんから、会社の経費でマイルをためたりしません。
また、電気屋で会社の備品を購入する際、個人で所有しているポイントカード等を提示したことはありません。
理由は、私が聖人君子だからではなく、単に「会社の人から白い目で見られたくないから」です。
人はどこで見ているか分かりません。
そして、悪い噂の伝達速度は、とても速いものです。
たかが少しぐらいのメリットの為に、自分の価値を下げるのは嫌ですから。

Posted by kanzaki at 2008年09月02日 22:47