2008年11月21日

横浜市青葉区が平均寿命一位の理由

雑誌「PRESIDENT」の最新号によりますと、全国の市区町村別平均寿命で、横浜市青葉区が男性で一位、女性も七位になったそうです。

長寿の街と言いますと、海や山の幸に恵まれ、空気の澄んだ穏やかな場所というイメージがありますよね。
それなのに、混沌とした大都会・東京のすぐそばの街がトップというのは、とても不思議です。

確かに青葉区は緑が多く、マンションや戸建ての区割りもゆったりとしています。
また、住民が積極的に街づくりへ参加しています。

しかし一番大きな理由は、常に健康づくりや食生活を意識している人が多いからのようです。

青葉区住民の健康に関する意識調査によると、7割以上の人が「食事や栄養に気をつける」「なるべく体を動かしたり運動したりする」と健康志向が高いことが分かりました。
また、喫煙率も男女ともに全国平均の半分程度の低さです。

タバコを吸う割合が低いだけではなく、食事の塩味は薄味を好み、アルコールも適正飲酒量以上飲むことはありません。
そのせいでしょうか、肥満度は低く、血圧も正常値の人が多い。
これらの率、値については、横浜市18区の中でもトップです。

当然、三大死因による死亡率も低いです。
これらの疾患はライフスタイルとの間に強い関連性があります。
「禁煙しない」「塩分控えめ」「適正飲酒量を守る」という人は、生活習慣病の危険因子である肥満や高血圧の発症を抑えます。
青葉区住民の健康意識の高さが良い結果を生んだのは言うまでもありません。

では、なぜ青葉区の区民は、食生活やライフスタイルをコントロールできる人が多いのでしょうか?
それは、青葉区民の教育水準が高いからです。
青葉区民の平均年収の高さからも、それは推測できます。

長寿と収入の高さは関連性があるようです。
青葉区住民の一世帯あたりの収入は、年間1,042万円!!
横浜市の平均758万円を大きく上回り、全国平均の588万円の1.8倍近い数値となっています。

つまり「金持ち=健康=長寿」の図式が成り立ちます。

所得の低い人は病院への受診機会が少ないというデータもあります。
経済的余裕があり、住居環境や食生活に関心を払い、趣味を持つなど心にゆとりのある人ほど健康で長生きできることを証明しています。


まあ、雑誌「PRESIDENT」は、とかく高収入・高学歴ネタを取り扱いますし、そのような人達を読者としてターゲットにしているのですから、「金持ち=健康=長寿」という図式をはじき出すのも無理はないでしょう。

しかし必ずしもそうとは限らないのが、「これからの時代」です。
確かに今までならば、健康や食生活を意識した際、その情報を調べるのにはお金が掛かりました。
今はネットで検索すれば、いくらでも情報を入手できます。
しかも一方通行な情報ではなく、ネットを通じて遠方同士が情報のやりとりをして共有することが可能なのです。
パソコンだけではなく、携帯電話でも同様な事が出来るようになり、情報入手の敷居が更に低く、裾野が広くなりました。
金持ちではなくても、インターネットの接続料金や携帯電話の通信料ぐらいならば、大抵の人は支払いが可能です。
仮に持って無くても、ネットカフェのような場所も利用できます。

図書館も昔と違ってハイテク化してパソコンが使用できるし、図書館自体の蔵書も量・質・ジャンル共に拡大しています。
また、他の図書館とネットワークで結ばれ、その図書館になくても他の図書館から取り寄せたりも可能です(ネット経由で本の予約も出来ますね)。

ジュンク堂みたいな本屋ならば正直、買わなくても店内で座り読みして、大抵のものは目を通すことが出来ます(私はそこまではしませんし、大抵、欲しければ買います)。

古本屋も大型店舗が増えたおかげで、低価格で最新の書籍を入手することも可能です。

以上から、やろうと思えば、情報を安価に入手できるものなのです。

お金が無いからこそ逆に、老年になっても働いて社会と接点を持つことによって、年齢に比べてとても若い人も多いですよね。
地方の農家の人達は、年をとっても本当に元気です。
農業に限らず、「一生涯現役」というのも、健康に貢献します。

収入が低くても、食べ物の栄養を考えることは可能です。
それに、腹八分目の食事量というのは、何も高収入じゃなくても可能なはずです(お金が無いから、強制的貧乏ダイエットをするという事もありますが)。

情報をいかに入手できるか。
いかにそれを有効活用できるか。
そして、一番大事なのは「心のゆとり」。
高収入でも、毎月残業100時間のライフスタイルでは意味がありません。

私は低収入だと思いますが、割かし健康的な生活を送れていると思います。
それは常に、心にゆとりの持てる生活を意識しているからだと思います。
絵を描いたり、クラシックを聴くのに、大金は必要ありません。
自転車やカメラだって、金額はたかが知れています。
自分の身分や収入に見合った無理の無い生活というものも大切じゃないでしょうかね。

Posted by kanzaki at 2008年11月21日 23:34