2009年05月06日

なぜ今、開業するならフレンチよりお好み焼き屋なのか?&「神戸ビーフタクシー」とは?

ゴールデンウィークもラスト。
この数日間、外食を何度かされた方も多いのではないでしょうか?
今日は雑誌「PRESIDENT」に載っていた外食産業についてのお話しです。

フレンチレストランとお好み焼き屋、新しくお店を開いた場合、つぶれにくいのはとお好み焼き屋です。
理由を説明するのに必要なキーワードは「期待値」と「損益分岐点」です。

500円のお好み焼き屋と一人2万円の高級フレンチレストランでは、その消費者心理が変わってきます。

500円のお好み焼き屋の場合、食器などが安物でも腹を立てる人はいません。
油の染み込んだ壁や、黒光りした鉄板を見ても、もともとそんな所に期待していません。
支払った500円に見合う味やサービスさえあれば、それほど不満に感じたりしません。
極端な話し、清掃コストを削減してもさほど問題ないのです。

一方、一人2万円の高級フレンチレストランでは、そうはいきません。
料理の素材だけではなく、食器やグラス、調度品までも、料理の値段にマッチしたグレードのものでなければ、お客は不満を抱いてしまいます。
つまり、「2万円もするのだから」という期待値が高いため、料理だけではなく、食事をする環境も値段相応の水準でなければいけません。
そういう意味では、たとえお客が来ても来なくても、店を開けている以上は清掃や内外装のメンテナンスを負担し続ける必要があります。

よって、お好み焼き屋はローコストで売り上げを確保できるチャンスがあり、フレンチレストランはコストをかけなければ売り上げの維持・拡大が難しいと言えます。

開業の際、お好み焼き屋は初期投資を抑え、スピーディーに投資資金を回収できます。
フレンチレストランは商品単価に見合った皿、調度品などが必要なため、初期投資が上昇し、資金回収にも時間がかかります。

市場環境が劇的に変化しやすい外食産業では、資金回収に時間がかかるのは致命的な経営リスクとなります。
今現在は良くても一年後には市場環境が変化して、新たな投資が必要になるかもしれないからです。

客単価はフレンチレストランの方が高いので、儲かりそうに感じますが、お客の期待値を比較した場合、お好み焼き屋の方が営業コストをかけずに売り上げを確保できます。
つまり、損益分岐点を低く抑えられるのです。

今の経済情勢を見ますと、外食を控える人も多いはず。
そうしますと、ダメージは損益分岐点の高いフレンチレストランの方が大きいのです。
景気低迷時には、客単価の大小よりも、損益分岐点の低いビジネスこそが強い経営体と言えます。

お好み焼き屋はお客の期待値が低いと書きましたが、似たような外食産業でラーメン屋がありますよね。
つい最近のニュースで、ちょっと「?」と思ったものがあります。

●「世界初、完全会員制ラーメン」5月1日オープン1杯3000円
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/090429/tky0904291720004-n1.htm

「世界初、完全会員制」のラーメン店が5月1日、誕生する。1杯3000円の価格でラーメン界に登場した「藤巻激城」(目黒区上目黒)の店主、藤巻将一さん(41)のさらなる挑戦だ。
「完全予約制で1杯3000円」を掲げて一昨年11月にオープンした同店(カカウンター8席)で味わうのは、タイ料理のトムヤンクンをベースに33種類の食材を使った「五味融合美彩麺」。スパイシーで重厚なスープにレモンで味わう。
「逆もまた真なり。B級が存在するためには高級がないといけない」。藤巻さんの発想の原点は、現在のラーメン業界への不満だ。「ラーメンは料理と認めてもらえないB級グルメ。麺とスープにチャーシューなどで約800円。行列を作らせる店もあるが、スープのバリエーションももう限界にきている」
そんな業界に旋風を起こそうと会員制導入に踏み切った。「大事なお客さんを外で並ばせないための完全予約制、高級さを示す価格、ステイタスを感じてもらうための会員制」という。
昨年12月から会員登録はすでに2000人を突破。入店には会員の紹介が必要となる。

●1杯3000円!高級ラーメン店の気になる“中身”
http://news.livedoor.com/article/detail/3989030/

●藤巻激城
http://www.fujimakigekijou.jp/


1杯3,000円?
ラーメンが?
しかも会員制?
こうやってニュースになるぐらいですから、注目度は高いのでしょう。
地方都市ならば総スカンをくらうかもしれませんが、都心ならばアリなのかもしれません。

冒頭の話しから行けば、ラーメンと言えども会員制の一杯3,000円ですから、「期待値」と「損益分岐点」は通常のラーメン屋よりも高くなります。
どうやらラーメンの原価自体は低いようなのですが、店主の言われる「スータス」を維持するのに、年間どれぐらいのお金が必要なのでしょうかね。
数年後の経営状況を見てみたいものです。

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外食のちょっと面白い展開として気になるのが「神戸ビーフタクシー」です。

●「神戸ビーフタクシー」企画 
http://www.kinkitaxi.com/beef.htm

タクシーで神戸の名所を観光して、さらに美味しいお店へ連れて行ってくれるというものです。
料金は4人で6,000円(飲食代別途)、所要時間は2時間です。

・近畿タクシー株式会社(TEL 078-691-0101)
http://www.kinkitaxi.com/

文章で説明するより動画で見てもらった方が分かりやすいと思います。
私が今注目しているお笑い芸人「桜」の稲垣早希さんが、地元テレビ番組でレポートしております。

●ひるカフェ 2009年5月1日 稲垣早希 桜

ロケではタクシーで、以下のルートを巡っていました。

ビーナスブリッジ(神戸市内の景色を一望)
→コウベワインセラーPORT(ワインセラーの見学や、有料のワインテイスティング)
→しおさい公園(美しい港の景色)
→ 蔓牛焼肉 太田家(高級牛肉の全ての部位を堪能)

最後の神戸ビーフ店は、その他の店にも変更できます(全部で9種類)。

え〜普段は、「ロケみつ」という番組で「四国一周ブログ旅」という過酷な旅をしているだけに、今回のロケは本人も大満足の様子。
その四国一周ブログ旅ですが、現在こんぴらさんを制覇して、着実にゴールへ進んでいますね。

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rainbow090501.JPG

上記は新潟市にある「レインボータワー」。
円筒状の展望台が、グルグルと回りながらてっぺんまで上っていきます。
昔は、市内を一望できる最も高い場所だったと思うのですが、最近はもっと高い高層ビルが増えてきました。
無くなったら無くなったで悲しく感じるので、ずっと運営して欲しいものです。

Posted by kanzaki at 2009年05月06日 19:13