2009年06月24日

不況下でも売れる定番商品

今朝の「ズームイン!!SUPER」の特集は、「不景気なのに売れるもの その共通点とは」でした。

不景気になると「定番商品」が売れるそうです。
確かに感覚的にも理解できますよね。

実際に買い物に来ていた人達へインタビューしてみますと・・・

・ノンブランドのやつより、やっぱり三ツ矢サイダーとかの方が飲みなれているので

・定番商品はハズレがないんで。かつ値段もそこまで高くないので、すごい買いやすい

この傾向は特に食料品に強く見られます。
景気が悪いときというのは、高額商品とか買わなくてもいいものは出費を控えてしまいますけれども、食料品というモノは食べなくては生きていけないものなので、何かしら買わなくてはいけません。
「失敗しない消費」ということで、味なり何なりが分かっている定番の商品を買いやすくなったと見られます。
つまり、ハッピーターンやボンカレーのような長年培われてきた安心感のある定番商品が買われやすくなります。

去年より約3倍売れている商品があるそうです。
発売から23年のグリコ「アイスの実」。

●アイスの実 | グリコアイス
http://www.glico.co.jp/ice/ice/icenomi.htm

1986年発売という定番商品です。
従来は箱型パッケージだったのですが、今年3月から袋のタイプ(パウチ容器)に変えました。
これのおかげか非常に好調です。
不況はお客の財布の紐が固くなるので、ロングセラー商品に手が伸びる状況です。
なのでグリコは、より定番の商品に力を入れています。

消費者が定番商品を求める一方、企業は新商品の開発の為、消費者に支持のある定番商品を利用する傾向があります。

例えば、先月26日発売の「三ツ矢サイダーオールゼロ」。

●アサヒ飲料 | 三ツ矢サイダー オールゼロ
http://www.asahiinryo.co.jp/mitsuya-cider/allzero/

三ツ矢サイダー126年目に登場した、カロリーゼロ・糖質ゼロ・保存料ゼロの三ツ矢サイダーです。

そして、今年2月に発売されたミツカンの「やさしいお酢」。
ツンとくるお酢の酸味が苦手な方にも、食べやすい味に仕上げることができます。

●ミツカン やさしいお酢
http://www3.mizkan.co.jp/sapari/product/group/index.asp?id=02006&sid=02

従来のものよりまろやかにしたこの商品は、発売4か月で190万本を売り上げ、人気商品となっています。

企業も不況の中で、新たに新商品を売り出して、仮に売れなかった時のリスクを負いたくないという考えが働きます。
だから、新商品といっても定番商品を改良したものを出す傾向になっています。

不景気になると定番が売れる傾向は食品だけではありません。
例えば、発売12日目で100万部を突破した村上春樹さんの「1Q84」。
不景気の時にはできるだけお金を使わない楽しみという事で読書が来ます。
そして作家の中でも村上春樹さんというのはある意味、定番の作家。
だからあれだけの売り上げに結び付いたと言えます。

以上です。

定番商品というのはある意味「ブランド商品」なのかも。

そういや先日、日清のカップヌードルの具が変わりました。

●日清CUPNOODLE(画面右上に3分タイマーが付いているのに笑いました)
http://www.cupnoodle.jp/index.html

お肉が、大型の本格角切りチャーシュー「コロ・チャー」に変わりました。
味が本格化するのだから温かく迎えられると企業は思ったのに、ファンの間では大ブーイング。
「あの、何の肉だか分からない奴だから良かったのに」と、通称「謎肉」へ戻すようにとの声が沢山聞かれました。
本格的で美味いラーメンならば、別のラーメンを買えばいい。
みんなが買うのは、昔から慣れ親しんでいる味だからなのです。
定番商品を強化しようとしてファンから反感を買った良い例です。

今回の番組の中で「柿の種」「ハッピーターン」等が何度も登場しました。
これらはご存知、新潟の企業「亀田製菓」の商品です。

●亀田製菓(株)公式サイト
http://www.kamedaseika.co.jp/

亀田製菓は「おばあちゃんのぽたぽた焼」「こつぶっこ」等も有名ですよね。
そんな中、新潟県民ならば忘れてはならない商品がこれ。

●サラダホープ
http://www.kamedaseika.co.jp/item/itemDetail.html?itemId=188&offset=0

ひとくちタイプのかるいあられ。
サクサクのさわやかなサラダ味。
1961年(昭和36年)に発売され、新潟県民ならば定番の商品ですが、実は新潟県でしか売られていません。

●おいしいのに、どうして新潟県内でしか売れないの? 亀田製菓『サラダホープ』の謎
http://allabout.co.jp/gourmet/junkfood/closeup/CU20050618A/

私なんて日頃からハッピーターンと双璧をなすこの米菓を食べているのに、これが他県では食べられていない事に驚きを感じますよ。

まあ、なんで亀田製菓の話しをしたかと言いますと、昨日、株主総会へ行ってきたからです。
この不況下でも、定番商品を複数持っている会社は凄い。
今回も増収増益で、配当金も中間配当を含めてバッチリですよ。
不況下でもこの成果を出しているせいか、数年前までならば株主から質問が色々と飛び出していたのに、今回は全く何にもありませんでした。

そんな訳で自分の会社を振り返るに、本業が厳しくなっているので、やはり異業種をツマミ食いするよりも、本業の改善で乗り越えていくのが良いのだろうと思います。

「定番」「王道」の凄さを知った上で、私自身は趣味の世界(このブログや写真)については、「邪道」で突き進んでいきますよ。
なにせ特にリスクはありませんしね。
この邪道が定番になるように突き進みたいと思います。

teiban01.JPG

未だにペットボトルを使って、猫よけをしている場所があるのですね。
ペットボトルは最初は効果があるそうです。
しかし相手もすぐに慣れてしまい無効化するとか。
まあ、ペットボトルを使ったこのような方法も、ある意味「定番」でしょうかね。

Posted by kanzaki at 2009年06月24日 22:03