2009年08月06日

フロッピーディスクとMOディスクが世の中から消える日

フロッピーディスクドライブ(FDD)を製造していた主要メーカー3社が、生産撤退に向けて動き始めました。
今では、CD-R、DVD-R、ブルーレイ等の光ディスクやUSBメモリ等の低価格・大容量の記録媒体が主流になりました。
パソコンにはFDD搭載が当たり前だったのに、いつしか一般的なパソコンには搭載されなくなりました。
フロッピーディスクの市場規模は現在、最盛期の30分の1にまで縮小しました。
確かに生産を打ち切ってしまおうと考えるのも、自然の成り行きです。

自作パソコンとか組んでいる人の場合、OSを入れるときにフロッピーディスクが必用な人もいることでしょう。
FDDでしか更新できないBIOSは今後、どうするのでしょうかね。

OEM版のWindowsを買う際に抱き合わせで買うのにFDDは手ごろだったと思うのですが、そういう手段は使えなくなるのでしょうね。

私自身、自宅のパソコンにはFDDが搭載されていません。
USB接続のFDDを持ってはいますが、全く使いませんね。
最近は色々と面倒くさくなってきて、バックアップ用としてハードディスクを使い、軽いデータはUSBメモリで持ち運ぶぐらいになりました。
DVD-RやCD-Rにパソコンのデータを焼く事もなくなりました。
それほど重要なデータというものは、私自身にはありませんから。

プライベートではなんら困らないのですが、仕事上では悩んでしまいます。
銀行へ振り込みデータを提出する際、フロッピーディスクを使っているんですよね。
今回のニュースでは、フロッピーディスクを読み書きするドライブの生産打ち切りの話しなので、いきなり世の中からフロッピーディスクというメディアが消えることは無いと思いますが、近いうちにフロッピーディスク以外のメディアで提出できるように、業務用のプログラムを改良しないといけません。
他にも細々とした業務にて、いまだにフロッピーディスクを使っている状態です。
NECのPC-9801シリーズを使っている中小企業もあるでしょうし、メディアの撤退が仕事の環境を変えなくてはならないトリガーになりそうです。

そういやこの前、会社法の改正にて、法務局へ登記申請等に提出できるメディアが、フロッピーディスク以外の光ディスクでもO.Kになりました。
これもまた時代の流れですね。
けれど先日の登記申請の際は今までの癖で、3.5インチフロッピーディスクで提出してしまいました。

MOディスクを使用している企業も多いかと思います。
データの保存としては光メディアよりも信頼性があり、データ保持寿命は推定50年から100年でして、いまだにこれに匹敵するものは登場していません。
DVD-RやCD-Rは、油断していると数年で書き込んだデータが消失している可能性があるので怖いです。
三菱化学メディアは12月末に、日立マクセルは9月末に生産を終了するそうですが、ソニーは継続するみたい。

MOディスクのデータ保持寿命がとてつもなく長くても、肝心のそれを読み書きするドライブが無くなったら意味がありません。
大切なデータの保存に関しては、こういう状況になった以上、いろいろと対策を講じないといけませんね。

枯れた技術というのは安定感がある反面、廃れてしまって入手しにくくなる可能性があります。
だから、なるべく世の中の流行にあわせて環境を移行していくのが良いのでしょうが、こんなにも不況になってしまって会社内の設備更新に予算が回らずに、ギリギリまで粘るところもあるでしょう。
FDやMOは別として、パソコンのOSの世界は、WindowsXP時代である意味完成してしまい、それ以上の投資をする気力が無い人も多い事でしょう。
WindowsVistaはある程度高性能なパーツが無いと動かないし、色々と互換性の問題もありましたが、WindowsXP以上のものを求めない人には、それほど魅力的に見えなかったのも販売不振の一因でしょう。

私はパソコンに関して、以前のような好奇心がありません。
だから積極的に買い替えをしたいとも思わないし、あまりパソコン関係の情報にもアンテナを向けなくなりました。
そういう人って多いのではないでしょうかね。

売るほうは、売れなければ生活できませんから、どんどん新しい規格や技術を投入してきます。
しかし、こうも成熟してしまったものに対し、買うほうは単なる道具以上の視線を向けません。
そすると、以前の環境のままで作業を続けますから、フロッピーディスクやMOと言った枯れた技術を現役で使用します。
でもまあ仕事上の事ですから、慌てて対策を講じるよりも、今から少しずつ改善していく方が結局は自分にとってプラスだと思います。

いろいろと書いていて思ったのですが、人類の有史上、データを長期間保持し、何世紀も先の人達へその情報を伝える最強のメディアは「石版」だという事は、歴史が証明していますよね(笑)

Posted by kanzaki at 2009年08月06日 20:32