2009年12月10日

やりがいとか満足度とか現実とか

年末ともなりますと、やはり忙しいものです。
帰宅が23時を過ぎると、心身ともにこたえます。
首都圏の方の場合、会社を23時に出たら、帰宅するのは何時になるのでしょうか?
会社と自宅の距離が近いおかげで、電車・バス通勤とは無縁なので、まだ私なんて良い方なんでしょうね。

自分の仕事から世間を見渡す限りでは、先月までは世の中の景気が回復基調にあり、二年前のレベルに戻りつつあったかなあと思いました。
しかし12月になってからは、少しずつ低調になりつつあるように感じます。
年末と言いますと、色々とモノが動きますから、普通は逆なのにね。

忙しければ辛いものですが、仕事が減ればそれはそれで生活に悪影響が出てくるので、どうにも困ったものです。

年齢を重ねますと、仕事に対して収入と同じぐらい、やりがいとか満足度というものも重視するようになってきますよね。


「自分はどれぐらい頑張れるのか」
「自分が満足できるレベルはどれぐらいなのか」


朝日新聞にこんな記事がありましたよ。


●asahi.com(朝日新聞社):「解決策なきものもある」 香山リカさん近著 12週1位 - 文化トピックス - 文化
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200912090256.html

特に話題を呼んでいるのが、最終章「〈勝間和代〉を目指さない」で、経済評論家の勝間和代さんを競争社会の成功者の象徴とした点だ。
勝間さんの著書の多くは、家事や仕事や人間関係の無駄を徹底的にそぎ落とした結果、生まれた時間や労力を様々なスキルアップに充てることで、一つ上の人生を目指すノウハウを示したもの。ファンの中にはそのノウハウの熱心な追従者となる人もいる。
香山さんは診療の現場で、「勝間さんの言う通りに努力しても人生が充実しない。自分はダメな人間だ」と自己否定に走る患者に何度か接したという。「客観的にはそこそこ幸せな境遇なのに『上があるはず』と頑張り過ぎる人たち。彼らの姿に、なぜこんなに普通の幸せは手に入りにくくなったのだろうと、不思議に思っていた」と、勝間さんに言及した理由を語る


この本の感想をあちこちで聞きますと、かなりツッコミどころも多いようです。
しかし、生きていく上でもがき苦しんで助けを求めている人達は、救いの手として買われていくのでしょう。
「自己責任」という言葉をあびせて助けようとしない人達に比べれば、貴重な存在と言えましょう。

この書籍「解決策なきものもある」には、"「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール"というサブタイトルがあります。
目次を見ますと、その10のルールが分かります。


[目次]
序章 ほしいのは「ふつうの幸せ」
第1章 恋愛にすべてを捧げない
第2章 自慢・自己PRをしない
第3章 すぐに白黒つけない
第4章 老・病・死で落ち込まない
第5章 すぐに水に流さない
第6章 仕事に夢をもとめない
第7章 子どもにしがみつかない
第8章 お金にしがみつかない
第9章 生まれた意味を問わない
第10章 “勝間和代”を目指さない


一言でまとめると、"足るを知る"という事が、生きていく上で大事ということになっちゃうのかな?

事実は、信じようが信じまいが現実に目の前にある。
特に自分の能力については、現実そのままに受け入れられない人は世の中に多いものです。
私自身も若い頃はそうでしたからね。

例えでいいますと、自分の声を録音したものを聞いたときの嫌悪感。
「何だこれ? 気持ち悪い・・・」、そう感じる人は多くありませんか?

その嫌悪感を抱いた声は「事実」。
そして、普段から仲良く接してくれる人達との会話は、その気持ち悪いと感じた声で相手に考えを伝え、それを好意的に受け入れてくれているのです。
だから、自己否定する必要はない。
事実を受け入れさえすれば済むだけの話し。

人って、受け入れた瞬間に強くなるものです。
「この世でいちばん大事な「カネ」の話し」という本に、
「最下位の人間には、最下位の戦い方がある」という言葉が書かれています。

●神崎のナナメ読み: 自分大学〜この世でいちばん大事な「カネ」の話(西原理恵子さん)
http://kanzaki.sub.jp/archives/001917.html

(以下抜粋)彼女の文章でいいなあと思ったのが、何でも仕事を始めたら、「どうしてもこれじゃなきゃ」って粘るだけじゃなく、人が見つけてくれた自分の「良さ」を信じて、その波に乗ってみればいいという事。
人から「あれ描いて」「これ描いて」と注文されて、断らずにやっているうちに、「この間のあれ、面白かったよ」「こういうのまたやりましょう」と、ウケる方に、食べていける方に仕事が寄っていったそうです。
一つの仕事が次の仕事を呼んで、仕事の道が出来ていく。
「才能」って、人から教えられるものだそうです。
いい仕事をすれば、それがまた次の仕事につながって、その繰り返し。
時には自分でも意識的に方向転換しながら、とにかく足を止めないこと。
そうすると、自分の進むべき道が見えてくるそうです。


勝間和代さんのようなストイックな方法で目標を達成する人もいれば、香山リカさんのように「解決策なきものもある」と言う考えもあります。

でも私は、西原理恵子さんのように現実を受け止めた上で、「最下位の戦い方」「前向きなカネになる行為」を実践している姿の方が好感を持てるし、私自身も実践したいと思えます。

Posted by kanzaki at 2009年12月10日 22:36