2010年02月27日

「かもの法則 ―脳を変える究極の理論」(著)西田 文郎【4】

前回の続きです。

●前回の記事: 「かもの法則 ―脳を変える究極の理論」(著)西田 文郎【3】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002031.html

経営者に必要な能力はたった二つです。

「未来予知能力」
「実行力」

これ以外は他人に任せられます。
察知し、洞察する力。
それが経営者に必要な予知能力です。
この予知能力も「かも」の形でやって来ます。
自分の目的地を目指して飛び続けるには、未来を正しく察知し、それに対処する予知能力が必要になります。


・「肯定的なかも」は弱い。だから予知能力を発揮する。


弱いからこそ予知能力を発揮し、知恵を絞って危機に対処しようとします。
「これはまずいことになるかも」「このままではうまくいかないかも」・・・これらは「否定的なかも」とは違います。
「肯定的なかも」が、未来を実現するために想定する「危機管理のかも」です。

経営者には実行力が不可欠と言いましたが、最善をイメージしながら最悪を想定していないような、無危機管理能力のない実行力は、ただの行動力にすぎません。

さて努力には、すべき努力としてはいけない努力があるそうです。

・願望だけの努力はしてはいけない。
(願望には必ず、「否定的なかも」が含まれており、人は「成功できないかも」と予感するからこそ、余計に「成功したい」と熱望します。その熱望の強さが柔軟な予知能力を奪い、危機管理能力を失わせます)
・苦しいだけの努力はしてはいけない。
・つまらない努力はしてはいけない。

そこには喜びが無いからです。
側坐核を沈黙させたままの努力であり、前頭前野を十分に働かせられない努力です。
こういう苦しいだけの努力、つまらない努力を続けていると、だんだん努力が嫌いになっていきます。

プラス思考は良いことではありますが、マイナス思考を変えたい人が、プラス思考になりましょうと書かれている本を読んでも、プラス思考にはなれません。

マイナス思考を変えるにはどうしたらよいか?
それに対しての答えは、マイナス思考を絶対に変えないこと。
どんなに頑張っても変えられませんから。
そもそもプラス思考とは、ものごと肯定的に捉える思考法です。
自分のマイナス思考を否定し、自分の感じ方や考え方を否定しておきながら、プラス思考になろうとするのがそもそも間違いなのです。

「思考」は変えられません。
「思考」はすでに出来上がってしまったものだからです。
マイナス思考は、放っておくに限ります。


・「なぜうまくいかないのか」「なぜできないか」は、「どうしたらうまくいくか」「どうしたらできるか」の発想にチェンジする。


「なぜうまくいかないのか」の根っこには必ず「このままでは駄目かも」というマイナスの予感があり、「どうしたらうまくいくか」には、「うまくいくかも」というプラスの予感があるのです。

多くの人は、成功より失敗の多い人生を送っています。
かなえた夢より、かなかわなかった夢が、達成した目標より、達成できなかった目標の方が多いからです。
殆どの人がそうなのにもかかわらず、まだ素晴らしい夢を持てる。
それが人間の底力です。

しかしその夢に対して、「また今度失敗するかも」「やっぱり駄目かも」と「否定的なかも」が発生します。
この「否定的なかも」を料理するのに刃物も鉄砲も不要です。


・「もしかしたら、俺にもできるかも」と思えばいい。


「絶対に出来る」に書き換えようと思っても、過去のデータに基づいて判断する脳は、「そんなことはありえないよ」と、書き換えを拒否してきます。
これがプラス思考になれない本当の理由です。

しかし、「もしかしたら、できるかも」は、どんな過去の記憶データとも矛盾しません。
0.1%でも可能性があれば、脳はそれを否定出来ないからです。
だから、「できないかも」がひらめいたら、「違う。もしかしたら、できるかも」に置き換えてみてください。
もしかしたらできるかも・・・悪い予感を打ち消し、良い予感を作り出す「打ち消しがも」と著者は呼んでいます。

「打ち消しがも」を使えば、マイナス思考も簡単にプラス思考に変わります。
マイナス思考を変えようとしたら容易なことは変えられませんが、その根っこにある「かも」を変えれば、自然に変わってくるものなのです。


最後になりますが、「かも」は単なる助詞にすぎません。
しかしこれまでの「自分」を揺さぶり、人生にイノベーションを引き起こす可能性を秘めた「未来をつくる助詞」です。
「肯定的なかも」を未来へ放つことにより、ほんの少しずつ、間違いなく私たちの未来は変わり始めます。


以上でまとめはおしまい。
次回では、私なりの考えを書きたいと思います。

●次回の記事: 「かもの法則 ―脳を変える究極の理論」(著)西田 文郎【5】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002033.html


(続く)

Posted by kanzaki at 2010年02月27日 15:11