2010年02月28日

「かもの法則 ―脳を変える究極の理論」(著)西田 文郎【5】

前回の続きです(今回が最後)。


●前回の記事: 「かもの法則 ―脳を変える究極の理論」(著)西田 文郎【4】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002032.html


いよいよ最後。
ここまでこの本の概要を書いた上で、私なりの感想を書きたいと思います。

この本を読んで思い出したのが、イラストレーター西原理恵子さんが書かれた『この世でいちばん大事な「カネ」の話』という本でした。


●神崎のナナメ読み: 自分大学〜この世でいちばん大事な「カネ」の話(西原理恵子さん)
http://kanzaki.sub.jp/archives/001917.html


彼女が大学でどんなに一生懸命に絵を学んでも、自分よりも凄い才能の人が沢山いる現実。
自分の描けるものは、いわゆる「ヘタウマ」の絵ぐらい。
そんな彼女が、学校の他の子達よりもお金を稼ぎ、そして有名になった理由は、「最下位の人間には、最下位の戦い方がある」という事を知っていたからです。

最下位の人間には、勝ち目が無いと思っている人が多い。
そんな考えだから、最初から負け組みになってしまう。
トップの人間に勝とうと思うのは駄目。
目先の順位に目がくらんで、戦う相手を間違えてはいけない。

西原理恵子さんの当時の目標は、「トップになること」ではありませんでした。
高知から上京してきた彼女の一番大切な目標は「この東京で、絵を描いて食べていくこと」でした。
だから肝心なのは、トップと自分の順位を比べて卑屈になることじゃありません。
最下位の自分の絵でも、使ってくれるところを探すことなのです。
これが彼女のいう「最下位の戦い方」でした。

人間はいくら身長が高いといったって、象ほどの大きさの人はいません。
逆に、昆虫のように小さい人だっていません。
それほど人に極端な差はありません。

けれども小さい頃から、学校の勉強やスポーツ等で順位を比較し、トップに立てば喜び、順位が低ければ屈辱を味わうことに慣れてしまっています。

その順位にこだわった結果、その先に何があるのでしょうか?
トップになったらなったで、「次には順位を落としてしまうかも」と恐怖を感じるし、変なプライドのせいで味方を遠ざけてしまう。
順位が低ければ自分勝手にレッテルをはり、「俺が勉強やスポーツをやったって、どうせ無理」と苦手意識を持って手を出さなくなる。
本来ならば順位というものは、次回に頑張るための材料のはずなのですが、ネガティブな指標になることが多い。

こうやって順位にこだわっていると、生きる歓びを感じませんよね。
そこにワクワク感が全くありません。

順位の先には、本当に目指すべき未来というものはありません。
これこそ、過去に縛られた生き方じゃないでしょうか。

我々は過去を振り返って生きている場合ではありません。
時間なんて、あっという間に過ぎてしまいます。
そんな、「ああ、昔は良かった・・・」等と発展性のない生き方に、何のワクワク感がありましょうか?

自分の明るい未来をイメージしている人は強い。
それは最近、色んな方にお会いして取材をしてきて、非常によく理解できます。
そういう人は、ちゃんとその人が納得の行く未来へ進んでいます。

今回の本に書かれているように、「私には、これが出来るかも」というワクワク感がある人は、脳や自律神経がそれを実現しようと、全力で応援してくれるからなんでしょうね。
人間の体って不思議です。
自分が思った事を叶えようとしてくれるのですから。

誰の脳内にも現れる「できないかも」「ダメかも」「うまくいかないかも」という望ましくない未来を運んでくる「かも」を、「できるかも」「チャンスかも」「うまくいくかも」という望ましい「かも」に変換するだけでいいのです。
否定の「かも」が発生したら、肯定の「かも」に置き換える。
脳はこれだけで、あなたを良い未来へ導いてくれます。

「できるかも」「チャンスかも」「うまくいくかも」・・・ワクワクする言葉ですよね。

年齢を幾つ重ねたって、ワクワク感を抱いて構わない。
私がこの本を読んで一番思ったのが、これです。

こんなに単純明快なことなのに、社会で生きているうちに忘れてしまいがちです。
明日は月曜日。
新しい週の始まりです。
そして、ちょうど3月がスタート。

キリが良いことですし、明日からあなたも「できるかも」「チャンスかも」「うまくいくかも」と考えられる生き方を始めてみてはいかかでしょうか。

Posted by kanzaki at 2010年02月28日 22:36