2010年03月01日

『鳥島悦子・須貝直子2人展-髪飾りとコサージュの世界-』〜新潟市の古町「蔵織(くらおり)」にて開催中

現在、新潟市内にて、「鳥島悦子・須貝直子2人展-髪飾りとコサージュの世界-」が開催されています。

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●鳥島悦子・須貝直子2人展-髪飾りとコサージュの世界-

・期間:2010年2月25日(木)〜3月9日(木) am11:00-pm6:30、水曜定休日
・入場料:無料(一部の展示物は販売もしています)
・場所:蔵織(公式サイト http://www.craole.jp/ )
・電話:025-211-8080
・住所:新潟県新潟市中央区西堀前通1番町700番地(新潟地方裁判所と道路を挟んで隣)


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●鳥島悦子さん 「縁 -enishi -http://www.enishi.ne.jp/」代表
昭和初期の美しいアンティーク着物に魅せられ、アンティーク着物と髪飾りのコレクションを始める。
髪結とアンティーク着物に現代感覚をMIXしたコーディネートで古き着物に命を吹き込む。

●須貝直子さん ヘッドドレス・コサージュ アーティスト
ありきたりのヘッドドレスの発送を超えて、どんな素材でも大胆なデザインで生かしきる力は評価が高い。
髪飾りという枠を飛び出しアートの世界で遊ぶ。


お二人は昨年9月、縁あって知り合い、今回の2人展へと話しが進みました。


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会場である蔵織(くらおり)は、明治43年(1910年)に建てられました。
ちょうど100年経過した建物です。
ここでは様々なイベントや展示会が催されており、新潟という古き良き街を再認識させてくれる発信の場となっています。

この蔵織がある新潟市の古町という場所は昔、京都祇園と並ぶ全国屈指の花街でした。
芸者さん、芸子さんを彩るものとして着物や化粧の他に、髪飾りがありますよね。

頭部につける衣装・装身具全般をヘッド・ドレスというそうですが、今でも結婚式や成人式など、女性が特別な日の装飾品として重視されています。

現在行われている「鳥島悦子・須貝直子2人展-髪飾りとコサージュの世界-」は、お二人の感性によって作られたオリジナルの装飾品を展示しています。
連日、女性を中心として大勢の方々が訪れ、作品に魅了されています。

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幼い女の子達も作品に魅入っていました。
自分の結婚の門出を想像しているのでしょうかね。

女性と並んで歩くと、大抵は女性の方が背が低いので、男性が女性の方へ顔を向けると、自ずと斜め下の目線になります。
その視線はある意味、特等席だと思うのです。

女性本人は、あまりその角度で自分を見ることはないでしょう。
本人の意識とは別の表情が垣間見られ、男性はなんとなく安堵感を覚え、守ってあげたいと感じたりします。
(そんなこともあって私は依頼を受けない限り、女性を正面から撮影することはありません)

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その視線の先にヘッド・ドレス等の装飾品があると、それはその人の心を明確化できるアイテムのように思うのです。
決して隠すのではなく、明確化です。

顔周りを華やかに彩ってくれるだけではなく、そんな役目があるとするならば、そのアイテムの選び方というのは非常に重要でしょうね。
髪を装飾するものというのは、本人の顔以上に様々な角度から見られる訳でして、やはり専門の方の手に委ねた方がうまくいくように思います。

鳥島悦子さんはご自分でお店を持っています。
アンティークな着物のコーディネート、ヘア、メイクそして着付と、総合的に演出します。

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今回の作品の素材にはこだわりがありまして、アンティークな着物の生地で作られているのです。
表だけではなく、裏の生地にも面白いデザインが沢山あり、それらを色々と集めて、素材として活かしています。

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今回の作品を作成するにあたり苦労した点を尋ねたところ、対象となる相手がいない中で作る事だったそうです。
普段のお仕事では、実際に身につける方と打ち合わせをして、その人に一番似合うものを模索して作成、コーディネートします。
しかし今回は展示品です。
誰か特定の人が身につけるものではありません。
その為、イメージをするのに大変苦労したそうです。

鳥島悦子さんは、自分自身はアーティストではないと語っていました。
普段のお仕事では上記の通り、お客様に合わせて作るからです。
また、ヘアスタイル、メイク、着物などがあった上で髪飾りがある。
トータルで100だから、髪飾りだけが特出しては意味がないとお考えなのです。
しかし、それだけ依頼主の事を親身になって考え、最高の演出をしようとしているわけですから、特別な日等で依頼される方にとっては、本当にありがたい方だと思いますよ。

ご自身が経営しているお店「縁-enishi-」。
名前のとおり、めぐりあわせとしての「縁」を念頭において働いています。
自分の為ではなく、相手が喜んでもらえる事が自分の喜び・・・それが彼女の創作意欲を引き立てるのです。

鳥島悦子さんは一つ一つの言葉を選んでから、落ち着いたトーンで語ってくれました。
普段のお仕事でも、相手を尊重した上で、自分の考えを提案している様子がうかがえます。

一方、須貝直子さんは、また違った印象です。
初めて逢った人でも、すぐに親友のようにテンションを上げて明るく接してくれます。
けれど、「私が、私が」というような自己主張の方ではありません。
作品作成に関するお話しを伺ったところ、自分の事よりもまず最初に、自分の才能を認めてくれた方、支援してくれた方への感謝の言葉がありました。

取材に訪れた日、ちょうど2人展が無事に開催された事を祝うパーティーが同会場で行われたのですが、お二人に縁のある方達がたくさん来られていました。
無事に開催出来たことを自分の事のように喜んでくれる方達ばかりでして、良い人の所には、良い人が集まるという事を実感しましたよ。
人徳なのでしょうね。

須貝直子さんは主婦業の傍ら、着飾るのが好きだそうで、その延長線上に今回の作品作成があるそうです。
彼女が尊敬する方が、「アートはお笑いである」という奥深い言葉を教えてくれたそうです。
それが今回の作品にも活かされており、例えば素材に、鍋のこびりつき等に使用するスパイラルチューブ状の金タワシ等を使ってみたり、身近で安価なものも利用します。
確かに、生地には無いキラキラした素材感が映えます。
(他にも、コーヒーフィルターの紙をお花に見立てて演出したものとかもありましたよ)

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下の写真は、本物の盆栽にコサージュをデコレートしたもの。
今年の頭から蔵織に展示されていたものなのですが、今では梅の花が咲き誇っています。
こういう大胆な発想も彼女の魅力です。

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こうして、新潟でも様々なアプローチで創作活動をされている方達がいます。
私も学生時代は一時、絵でご飯を食べていければいいなあと思っていた一人。
実際、この展示会場の近くで幼少時代、画家に絵を習っていました。
どうやら、ここ新潟市の古町には、アーティスト達が集う気風があるようです。
それが良い方向で進んでいけばいいなあと思います。
私は私なりの形で、そういった方達の広報的な立場で役に立てればと思います。


もしお二人へコンタクトが取りたい方がいれば、私の方で仲介します。
下記からメールをしてください。

ここをクリックしてください。(メールフォームの画面が出ます)

Posted by kanzaki at 2010年03月01日 22:00