2010年04月19日

無邪気さの無敵性

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*大きなお友達向け写真(「Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8 G ED」レンズを使用)


アメリカのドイツ系小説家であるジョン・スタインベック。
1950年に発表した「エデンの東」は、ジェームズ・ディーン主演映画で有名ですよね。
彼の遺した言葉に、こんなものがあります。


「天才とは蝶を追っているうちに、山頂に登りつめてしまった少年である」


努力家・秀才には、ひたむきな姿勢が見受けられ、それはそれで好感が持てるものです。
しかし人々というのは、いつの時代も華々しい「スター」の出現を待ち望んでいます。

一般人には無い物凄い才能を持ち、その能力でみんなの期待に応える。
しかも、その行為にはスマートさ、美しさがある。
唯一無二の存在。

私は、天才もスターの一種だと思います。
彼らは勿論、いくら才能があるからと言って、素質だけで登りつめた訳ではありません。
当然、努力をしています。

しかし、彼らの努力には「無邪気」さがあるのです。
感性リサーチ社長・黒川伊佐子さんによりますと、ジョン・スタインベックの言葉は「無邪気さの無敵性」を表現しているのだとか。

「無邪気」とは、純粋な好奇心に溢れ、萎えない意欲を持ち、そして穏やかな達成感を感じやすい脳の状態のこと。
「わくわくしちゃう」「ああしてみよう、こうしてみようがとまらない」「ちょっとしたことが、しみじみ嬉しい」脳のことなのです。
この脳の持ち主は、どこまでも行ける。
無邪気さこそが人としての強さであり、想像力と創造力の源なのです。

私は黒川さんの説明に、心底納得しましたよ。
そしてこの不況下の時代、無邪気さを持った人を見なくなったなあと思うのです。
テレビの中の人も、それを見ている人にも、そういう無邪気さを持った人がいなくなりました。

みんな、それなりにレベルは高いのです。
昔なんかより、底辺はずっと上へ上がっている。
みんなお利口さんです。
しかし、「まったく、あいつは我が道を行く奴だ」と、相手からニヤッと口元を緩めて評価されたりする人がいなくなりました。

どのジャンルも既に開拓されすぎて、新しく輩出される新人は、その出来上がった道の上で、先人と同じことをするだけになりがちです。
過去の踏襲だけでは、想像力と創造力は向上しません。
あらゆるジャンルが、過去の踏襲ばかりになってきたから、人々から飽きられ始めているのです。
CDの売上販売の低下、テレビの視聴率低下、スポーツの視聴率・集客率の低下は、それが原因だと思うのです。
クオリティ以上に、スター性が求められる業界は特にそうです。

最近、夢中になってやりこんでいるうちに、知らず知らず、頂点へ登りつめてしまったという人がいません。
こういう無邪気な人は、王道とか邪道とか、人のやり方は気にしません。
まさに、我が道を生き続ける。

今度の日曜日は、私の誕生日。
一つ歳を重ねるだけではなく、今年は大きなターニングポイントでもあります。

これからの10年は、もう人の背中を追うような生き方はやめようと思います。
「無邪気さの無敵性」を武器に、我が道を歩むつもりです。

Posted by kanzaki at 2010年04月19日 23:15