2010年09月18日

胃潰瘍と胃カメラと私

先月、健康診断でバリウムを飲んで、胃の検査を行ないました。
あのバリウムっていう奴は、もう少し味だけでもなんとかならないものでしょうかね。
イチゴ味やレモン味等があると嬉しいのですが・・・。

さて、その健康診断の結果が届きました。
結果は、「要精密検査」でしたorz
胃に異常が見受けられるとの事。

つまり、精密検査=胃カメラですよ!!

学生時代に十二指腸潰瘍になった事があったのですが、あの時もやはり胃カメラを飲みました。
もう苦しいの何の。
嗚咽の繰り返しで、本当に大変でした。
あの時の強烈な印象があるものですから、正直、今回の検査を受けずに逃げたい気分でした。

胃内視鏡検査の予約を入れる為、新潟県労働衛生医学協会へ電話で予約をしました(ここならば、会社が費用を全額負担してくれるからです)。
火木土しか胃内視鏡検査はやっていないそうで、しかも予約殺到。
最速で二週間後の今日18日でした。

検査まで間があると、かえって恐怖が増長しますね。
学生時代の胃カメラの恐怖が、まるで昨日のように思い起こされます。
あの時、胃カメラを口に入れる前に、カメラの先端を液体の入った容器に突っ込んだのですが、その際にバチッバチッと火花が散っていました。
あれを見てしまったせいで、余計に体に緊張が走り、苦しい思いをしました。

まだ日数があるものですから、過去に胃カメラを飲んだ人達に、いろいろと話しも聞きました。
ほら、あれですよ。
小学校の時、インフルエンザの予防注射をするために並んで待っていて、先頭の既に注射を受けた子に「痛かった? 痛かった?」と聞くようなものです。
ちなみに私はそう聞かれた際、「ものすっごく痛かった・・・」と苦しい表情を相手に見せて恐怖をあおっていました。はい。

とある若い女の子は、胃カメラを飲んだ際の辛い思いをしたくないので、全身麻酔をしたとか。
もちろん医者からは、全身麻酔の危険さの説明を受けて、ちゃんと誓約書も書いて行ないました。
全身麻酔の効果は凄かったらしく、よく2時間ドラマとかで、突然後ろから液体の付いたハンカチを口へ押さえつけられ、そのまま意識が無くなってしまうシーンがありますが、まさにあんな感じだったとか。

胃カメラと言いますと、大抵は口から挿入するものですが、中には超細い胃カメラを鼻から通して行う方法もあるそうです。
こちらの場合、嗚咽とかそのような辛い思いもせず、非常に楽だったとか。
今って、そのようなものまであるのですね。
けれど、最新設備の整った病院じゃなければ、まず無いのではないでしょうか。
少なくとも、今回の医学協会にあるはずがない。
あるはずがないと思いつつ、心のどこかでは、実はつい最近になって機材の入れ替えがあったなんていう儚い可能性を祈っていました。

前日の夜8時までに食事をすませ、検査までは何も食べてはいけないとの事。
昨日は一晩最後まで会社で残業をしていて、とても夜8時までに帰宅なんてできませんでした。
その為、夜8時ギリギリにコンビニへ行き、サンドイッチ等を買い、休憩室で軽めの食事を済ませました。
その後、夜の10時を過ぎたので、「これ以上仕事をしたら、さすがに明日の検査に良い影響はないだろう」と思い、仕事を途中で片付けました。
何やってんだ、俺・・・・・・。

さて本日、朝に水を飲んだ以外は何も口にせずに医学協会へ行きました(早朝にコップ2杯以上の水を飲むように指示があった)。
土曜日なので、大変混んでいました。

若い看護師さんに、検査までの説明を受けたのですが、胃カメラを飲むという恐怖から、あまり理解できないまま生返事をしました。

待っている間、雑誌をめくったりしたものの、気落ちしていて文字が読めません。
そのくせ、女性モデルの写真を見ると「肌のここの部分、フォトショップで修正し過ぎだろう。俺ならばこうレタッチするのに・・・」等と変なところだけは拘っておりました。

まずは血液検査。
最近は感染症やエイズ等、色々とややこしい事があるので、最初に受けるそうです。

採血が終わった後、三階の待合室で待っていてくださいと言われました。
医学協会の検査はいつも二階で行っていたので、三階の存在を初めて知りました。

三階へ行きますと、人が誰もいません。
幾つか検査室のドアがあり、それ以外は大きな待合室兼会議室になっていました。
窓ガラスから入ってくる日差しが柔らかいんですよ。
二階のざわついた雰囲気から一変し、とても静かな場所へ来たので、「死んだら天国へのぼる訳だけれど、きっとこんな感じなのかなあ」とか思ったり。

しばらくすると看護師さんが私を呼びました。
同じ三階に検査室があり、その扉を開けました。
そこは一畳ほど部屋。
すべてが真っ白で、奥に窓が一つあります。
中には荷物を置く場所と、深々とした椅子等があるだけです。

看護師さんが胃の動きを鈍らせる薬を左手に注射してくれました。
口を開けるように指示を受けたので開けると、手に持っていた注射器を押して、ピューと麻酔を喉の奥へ射出しました。
その後、ドロッとした麻酔を口の中にのせました。
しばらくすると、確かに舌の感覚に違和感を覚え始めました。

こうやって喉や舌を麻痺させるということは、やはり胃カメラは口から入れるタイプなんですねorz
実はほんのちょっとだけ、鼻から通す辛くないタイプの胃カメラを期待していたのでが、そんな夢は見事に打ち砕かれました。

その後、検査まで時間がちょっとあったのですが、置かれてあった漫画や雑誌を読む気にもなれず、ぼーっとしていました。
ちょっと左の壁を見たら、胃内視鏡検査の受け方を分かりやすくイラストと文字で説明してあるポスターが張ってることに気づきました。
下の部分には「オリンパス」の文字。
このポスターは、オリンパスという会社が作成したものでした。
「胃"カメラ"」というぐらいですから、一眼レフカメラ等でお馴染みのオリンパスが胃カメラを作っていてもおかしくはありません。
私の一眼レフカメラは「ニコン」製なので、できれば胃カメラもニコン製にして欲しかったです。
高密度51点オートフォーカスシステム、ニコンFXフォーマットCMOSセンサー、手ぶれ防止VR機能搭載、レンズはやはりナノクリスタルコートか・・・・・等と訳の分からない妄想をしておりました。
そもそも、ニコンは胃カメラを作っているのか??

看護師さんに呼ばれて扉を開けると、そこは手術室然とした場所でした。
過去に手術をした事のある私には、どうもやはり、この雰囲気は慣れることができません。
台の上に横に座らせられると、毛布を掛けられました。
顔の下には、大きな紙ナプキンを何枚か敷かれました。
嗚咽した際のヨダレ等は飲み込まず、ここに吐いてくださいとの事。

先生が横に立って、心配ないからリラックスしてくださいと言っているようですが、口へ穴の開いたマウスピースを咥えさせられた時点で、恐怖から意識が半分ありませんでした。
先生が胃カメラを挿入します。

あ、あれ? あまり辛くないぞ??
先生の腕が良いのか、胃カメラのケーブルが昔より細くなったからなのか知りませんが、一番の難関である喉を通す時、それほど辛い思いはしませんでした。

勿論、全く嗚咽が無かった訳ではありません。
呼吸が辛い時もありました。
涙も出ました。
けれど、緊張して体を硬直していると、看護師さんが後ろから「大丈夫だからね」と優しい声を掛けてくれながら、背中をさすってくれていました。
そのおかげで、少しは冷静を保てることができました。
ありがとう看護師さん。

胃の中をカメラで撮影しただけではなく、組織の一部摘出もしました。
検査のためです。
胃の一部を取るのですから、どんなに痛いかと思いきや、特に何も感じませんでした。

いつもとは違う呼吸の仕方だし、意識も朦朧。
十二指腸も検査したせいか、なんだかとても検査が長く感じました。

終了後、胃の中を撮影した写真を見ながら先生が説明をしてくれました。
胃に活発期の潰瘍があるとの事。
その周辺も炎症が見受けられます。
自覚症状が無かった事を先生に言うと、半分ぐらいの人がそうなのだとか。
また、十二指腸潰瘍の跡があることも教えてくれました。
これは学生時代のものでしょう。
二週間分の薬を出してもらえることになりました。
それと、病院への紹介状を後日、自宅へ郵送してくれるそうです。

そんな訳で、胃カメラによる検査は終了。
自転車をこいで帰宅しました。

今年はずっと忙しかったもんなあ。
会社の方も、例年より忙しかった。
また、会社員とカメラマンの二足のわらじ状態は、やはり体を休める時間が無かったのかもしれない。
まあ、好きでやっているからこそ、無理もしてしまうわけでして。
この連休は少しのんびりする事にしましょう・・・・・・そういいつつ、夜には撮影しに出かけたのでした。

Posted by kanzaki at 2010年09月18日 23:32