2010年11月28日

カメラで撮影する際、表情を若く見せる方法〜カメラを上から撮影する

昨日は、特大ポスター用のモデル撮影を行いました。
完成すれば、何十万人という人が街の至る所で見ることになります。

被写体となるモデルさんは男性。
撮影場所はスタジオを使わず、ご自宅をつかわさせていただきました。
撮影に適した部屋があるからです。
また、スタジオですといつもと違う雰囲気ですから、慣れていない方は緊張で表情がかたくなるものです。
ご自宅にて、基本的に一対一で対話しながらゆっくり撮影したので、表情にかたさが出なくて良い結果が出たと思います。

プロのメイクさんが、モデルさんに化粧を施してくれたおかげで、非常に助かりました。
男性といえど、撮影の際に化粧をした方が良い結果が出ます。
どんな人でもシミやシワ等で、肌が均一という事はありません。
化粧によって肌に統一感が出ます。
また、パソコンでCG加工をする際も、化粧によって基準となる色が出来るので、処理がしやすいです。
濃いヒゲはCGでも消せますが、化粧で覆ったほうが不自然さが出ません。
そして最重要だったのが、眉毛の整えです。
マユを切ったり描いたりすることで、顔の印象が全く変わります。
この辺はCG処理するよりも、メイクさんのセンスにお任せする方が絶対に良い結果が出ます。
今回の撮影成功は、メイクさんにあったと思います。
本当にありがとうございました。
人脈は大切です。

使用したレンズは、「ニコン AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」のみ。
APS-Cサイズのセンサーのカメラに装着すると、画角は約90mm。
モデル撮影の際、バストアップの写真は85mmの画角を多用します。
このレンズはその画角に近いですし、絞り開放からシャープな描写力を発揮します。
ゴーストやフレアーの少ない鮮明な画像が得られるナノクリスタルコートを採用。
マイクロレンズは接写専用と思っている人も多いけれど、あとでCG加工をするのを前提に人の顔を撮影するのにも便利だと私は思います。
まつ毛一本一本や、肌の毛穴まで再現する描写力なのに、お値段も手頃なので、非常にお勧めです。

撮影する私の後ろの窓を開けて光を取り込み、室内の照明とカメラに装着したスピードライト(フラッシュ)で光源は十分。
スピードライトは天井に向かって照射し、天井に反射した光をモデルにあてることで、自然な光源となります(これをバウンスと言います)。

ISO感度は200に固定。F値は主に4。シャッタースピードは主に1/60秒。
ファインダーから覗かず、カメラの背面液晶によるライブビューで確認。
シャッターは リモートコード(レリーズケーブル)を使用。
カメラ本体は三脚に固定。
画像はJPEG(L)+RAW。
撮影設定に変なこだわりをせず、基本的にカメラ任せといった感じです。
RAWで撮影しているから、あとで幾らでも手直しできますしね。
また最大の理由は、モデルさんの良い表情をいかに引き出すかに集中したいからです。

モデルさんに手鏡を持ってもらい、表情を作っていただきます。
これだと思ったものが出来上がったら撮影するという感じで進めました。
会話しながら、「目に力を入れてみましょう」「口はちょっとすぼめてみましょうか」等、顔のどこに力を入れるかで表情を変えてもらい、それをアングルを変えて撮影しました。
ですから、時間を費やした割には、撮影枚数は少ない方だと思います。
一つ一つの撮影を丁寧に時間をかけましたから。

今回、撮影の工夫として取り入れたのは、カメラをモデルさんに向ける角度です。
モデルさんよりもカメラの位置を少し高めにしました。
そして、カメラをモデルさんへ向かって斜め下に向けるという形です。
これは、最近の女子高生やタレントが、携帯電話のカメラを使って撮影する際のテクニックです。
上から撮影すると、自然と顔はカメラ(or携帯電話)のある上のほうへ向ける事になります。
そうしますと、エラの部分等の肉がのびるので、顔の輪郭がシャープになります。
30代の人でも、この撮影方法を使うことで、20代のような表情に変化します。
人間は加齢によって肌のハリが失われていきます。
そうすると肌がたるみ、重力によって下へ向かって落ちていく。
見た目がそれによって、老いた感じになってしまいます。
上を向くことで、たるんだ肌を引っ張る事になりますので、若い感じに撮影できます。
簡単なテクニックですので、是非、試してみてください。

Posted by kanzaki at 2010年11月28日 17:31