2010年12月05日

社会人のノートは「忘れる」ために使う(スーパーサラリーマン「美崎栄一郎さん」)〜神崎の場合はiPhone4のカメラで撮影してしまいます

美崎栄一郎(みさきえいいちろう)さんという人がいます。

●美崎栄一郎さんのプロフィール
1971年生まれ。
横浜生まれの大阪育ち。
大阪府立大学工学部大学院卒業。
花王株式会社へ入社、現在に至る。
開発担当者として「アタック」「ニュービーズ」等の日用品から化粧品まで幅広い商品を手がける。
プロジェクトリーダーとして他社とのコラボレーションも推進。
プライベートでは「築地朝食会」「山の手の会」など、社外の社会人向けに勉強会や交流会を多数主催。
異業種でも多くの人脈を持つことから「スーパーサラリーマン」の異名を持つ。
近著に「『結果を出す人』はノートに何を書いているのか」(Nanaブックス)がある。


●公式サイト「結果を出す人」はノートに何を書いているのか 美崎栄一郎
http://www.note272.net/

●『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』公式ブログ
http://ameblo.jp/note272/


美崎さんが、新潟経済社会リサーチセンター発行の雑誌「にいがたの現在(いま)・未来(あした)」に寄稿していました。
タイトルは「道具にこだわる仕事術」。
内容は大きく四つに分けられて書いてありました。


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●プロは道具にこだわっている

・我々は給料をもらってはたらく「プロ」のビジネスマン。
なのに、使うのは会社から支給された道具だけで、自分なりにこだわって工夫している人は少ない。

・人より高い給料が欲しかったり、より活躍したいのであれば、道具にもこだわるのが近道。

・プロのスポーツ選手は、道具にこだわっている。また、例えば水泳界では世界記録を出すため、水着という道具が日々進化している。

・ビジネスでも、効率をあげ、残業しないで成果を出すために工夫しよう。そう考えるようになってから、私は自費で仕事の効率を上げるための道具を購入し、工夫するようになった。


●社会人のノートは「忘れる」ために使う

・入社して間もないころは学生の時と同じように、記録する道具としてノートを使っていた。「知らないことを覚えよう」という意識のため。

・このままでは先輩や上司を抜けないと思い、考え方を変えた。「学生のノートは覚えるために使うが、社会人のノートは忘れるために使うものだ」

・仕事はいろんなタスクが同時並行で降りかかってくる。そのタスクや過去の業務フローを忘れるため、ノートに記録することを始めた。学生のノートとは逆の使い方。

・議事録をノートに書くのも「覚える」ためではなく、必要な数字や業務の割り振りなどを「忘れる」ため。必要なときにノートを見て行えばいい。

●「結果を出す」を意識しながら書く

・仕事のノートは「何か結果を出す」という目的を持って書くことも大事。

・今書いているノートのページには、何かしらのアウトプット(結果)が期待されているはず。

・議事録をパソコンで清書してメールで送るという結果が求められているとする。その場合、パソコンで作る最終形をイメージしながら、参加者の名前や報告事項、決定事項などを意識的に分けてノートに記録する。ノートの見開き一枚に収まるようにして、入力するときにノートを何回もめくらないで済むようにこころがける。

・自分がリーダーならば、議事録は書かないけれど、話し合いの結果を元にチームメンバーの役割を決定する必要があるかもしれない。その場合は、タスクリストのような議事録をとるといい。

・目的に沿った結果を一つ一つノートに出していくことが大切。

●ノウハウを盗めば仕事は速くなる

・「仕事で毎日使うもの」を工夫すると、日々の効率は劇的に変わってくる。

・仕事の効率は本を参考にするのではなく、先輩や上司のノウハウを盗めばアップする。

・つまらないと思う仕事でも、自分の工夫が入れば楽しくなってくる。上司や先輩より工夫すればその分、良い仕事が出来るようになる。

・昨日の自分より良い仕事ができる今日の自分を目指して、お互い、楽しんで仕事をしたいもの。


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美崎栄一郎さんは私と同年代なので、この方の思考方法を素直に受け入れることが出来ます。
この年代というのは、今までアナログな道具で行なってきた業務をパソコン・インターネット等のデジタルな道具で業務をこなす転換期を体感した人達です。
しかも元々、デジタルガジェット等をプライベートで使っていたから、すんなり抵抗なしに受け入れる事が出来た。
今までアナログで行なってきた業務をパソコン上で行えるように、社内でも中心的に担当を任された年代。

そういうバックグラウンドがあるので、過去に縛られず、大胆に仕事を改善・改革することが出来る世代です。
また、常に新しくて魅力的な方法・理論に、広くアンテナをはっています。

そんな美崎さんのノートの使い方にも、とても賛同できますよ。
特に「社会人のノートは『忘れる』ために使う」というのは、私も私なりのやり方で実践しています。

大抵の人は、複数の仕事を同時にこなしています。
自分の頭の中だけで考えていると、そのうち、なにがなんだか混乱してしまいます。
インプットのし過ぎは、オーバーフローに陥ります。
そんな時は、アウトプット作業を行うのがいい。
頭の中にあるデータを外部に出すことで、脳の負担軽減を行うのです。

具体的には、アナログ的手法ならば、紙のノートや手帳に書く。
デジタル的手法ならば、パソコンのソフト「アウトルック」等のPIM系のソフトの「ToDo(仕事)」や「メモ」に入力する。

私の場合、とりあえず急いでメモするならば、大型のポスト・イットにメモして、分かりやすいところに貼り付けます。
デスクワークが主体な私の場合、書いたポスト・イットをノートパソコンのディスプレイの枠に貼り付けます。
常に自分の視界に入る所に張る事が大事。
これならば本当に忘れてしまっても、ふいに目の中に情報が飛び込んできます。

「アウトルック」も活用していますが、長期的で尚且つ大きな仕事の場合は、別にタスクリストのようなものを作っています。
私の場合、エクセルを使っています。
エクセルを使う理由は、世間的にメジャーなフォーマットだから。
仮に自分が使っているパソコンが壊れても、別のパソコン上でデータを開いて使用できます(会社で作成したデータは、基本的にパソコン上には保存せず、サーバーに保存しています)。
エクセルで上から日付順に、やらなければいけないことを入力する。
完了したものは、マーカーをしたり、完了日の日付を入力する。
一応、色々なルールを元に入力しますが、どうしてもルールに収まらないものは、ルールにしばられず、とくかくどんどん書きこむ(別のワークシートにイレギュラーなものを書いてもいい)。

とにかくデータとして入力しておけば、エクセルデータのどこに書いたか分からなくなっても、「Ctrl」+「F」で検索すれば、すぐに見つかります。
また、デジタルデータのメリットは、二次利用が容易なこと。
コピー&ペーストで、別の書類作成に転用できます。
次年度に同様な事を行う際、下地データとしても転用できる。
何年も同じように繰り返していけば、膨大で重要な会社のデータに成り得ます。

私がこうやって、パソコン上でデータ入力を地味に始めた頃は、他人から笑われたりしたこともありました。
しかし、10年以上もこうやって続けてきたおかげで、今では他人にも認められる重要で便利なデータベースになりました。

アウトルックのPIM機能、エクセルによるタスク入力の他、最近ではiPhone4も活用しています。
iPhoneにはカメラ機能があります。
私は、新聞や雑誌等に掲載されていた、ちょっと気になる記事をiPhoneで撮影しておきます。
昔だと、新聞の記事を切って、スクラップブックに張っておくのでしょうが、それだと気軽に行えません。
iPhoneで撮影すれば、気軽に記事を記録できますし、大型ディスプレイとタッチパネルによって閲覧も簡単。
常に持ち歩いているから、撮影も閲覧も、いつでも行える。
しかも32Gの大容量だから、容量を気にせずにどんどん撮影できる。
必要があれば、メールに添付して送信も可能。
そうやって撮影したものが、あとで役に立つ事が多いのです(仕事でも使えるし、神ナナのネタにも使っています)。

新聞や雑誌に限らず、仕事上の書類やメモもどんどん、iPhoneで撮影しています。
情報の機密等によって、そういう事ができない会社もあると思いますが、幸い、私の会社はそこまで言わないので、どんどん使用しています。

支店の担当者(or 取引先)へ、自分の手元にある紙ベースの書類を見せたい時、そういう場合にもiPhoneを使います。
iPhoneで書類を撮影し、メールに添付して会社の自分のメールアドレスへ送信する(その際、iPhoneが適度な大きさに写真をリサイズしてくれます)。
パソコンで受信したら、その写真を必要があればリサイズしたり、向きを変えたり、明るさ等の調整をする。
複数の写真を連結してPDF化する。
そのPDFファイルを相手へ、メールに添付して送信する。

スキャナーで書類をパソコンへ取り込む方法も勿論ありますが、大抵の場合、そこまで丁寧で質の高いデジタルデータは必要としません(スキャナーで取り込むには時間が掛かりすぎる)。
とにかく、相手に理解してもらえればいい場合が殆ど。
他県にある支店の担当者へ、必要とあればコピー機で複写した書類も送りますが、速報性と確実性を兼ね、上記のようにiPhoneを利用しています。

当然、iPhone4は会社から支給されたものではありません。
私物です。
しかし、一日の殆どを会社で過ごすわけですから、仕事で有効活用できるならば、どんどん利用したいもの。
上記の他、iPhoneを別の形でも仕事に使っていますが、それはまた後日、ご紹介したいと思います。

Posted by kanzaki at 2010年12月05日 23:24