自分が住んでいる地域の魅力を色んな人へ伝えたいと思う心は、程度こそあれ、誰にでもあると思います。
そんな訳で、地元・新潟以外での取り組みも見てみることにしましょう。
平成22年2月15日より、埼玉県では映像クリエイターの発掘及び県の魅力の全国発信を目的として、埼玉県地域魅力発信動画サイト「SKIPシティチャンネル コバトンTHEムービー」を開設しました。
●KOBATON THE MOVIE
http://www.skipcity.jp/channel/ktm/
「コバトンTHEムービー」とは、埼玉県の食や伝統工芸、産業などの魅力を「映像」を活用して伝えていこうとするプロジェクトです。
昨年暮れに、同サイトに70点の新作が加わり注目を集めています。
県産業拠点整備課によると、画面のデザイン等のリニューアルをはかった後、9月17日〜10月16日までの一ヶ月で3万件以上のアクセスがあり、過去7か月の約2万件を大きくしのいだそうです。
名前の由来は、ゆるキャラです。
埼玉県には「コバトン」と言う、埼玉県の魅力発信に活躍しているゆるキャラがいます。
モチーフは、埼玉の県鳥・シラコバト。
「コバトン」のように県の魅力をPRできればという思いから、この名前をつけたそうですよ。
同サイトは、埼玉ならではの食や祭り、花や観光名所、伝統工芸、産業などを1本15分以内の動画で紹介しています。
たとえば、県内企業の社長と食事をしながら会社のポリシーや経営戦略などを聞く「社長とランチ」。
下のように、ユーチューブでも配信されていますので、貼っておきます。
●社長とランチ ヤマキ醸造編01@神川町 有機栽培
●社長とランチ ヤマキ醸造編02@神川町 豆太郎 自然農法栽培
他にも、
・ご当地アイドル pinkishがレポートする「さいたま街歩き天国」
・小川町の伝統工芸「小川和紙」をドラマ仕立てにした「おてがみ」
・秩父の伝統的絹織物「秩父銘仙」に焦点を当てたドキュメント「紡ぐ」
等あり、それら50作品からスタートしました。
昨年後半に追加された70点の新作では、以下のような作品があります。
・「彩の組 四季めぐり」(武蔵野銀行と立教大学が産学連携協定に基づいて製作。鉄道博物館や平林寺などの観光スポットやイベントを一本約3分で紹介)
・「さい☆たま」(県内各地の噂の真相を確かめる)
・県などが主催した「市民映像ディレクター養成講座」の参加者による新作配信
・「社長とランチ」の新作には、県内にキャンパスがある女子栄養大学や城西大学、埼玉大学の学生がリポーターとして登場。
開設からリニューアル前までの約7か月の総アクセス数は約2万件でした。
しかし、ユーチューブで見られるようにしたのが幸いし、アクセス数が増えているそうです。
同サイトに掲載されている動画は、ネットで視聴するだけでは勿体無いほど、とても綺麗で編集も凝っています。
自分の県の魅力を他県の人に知ってもらうというのは、実はなかなか難しいことなんですよね。
冊子等の紙媒体では、他県の多くの人へ配布するのは実際問題不可能です(送っても、一般市民に読んでもらえない)。
最近では、B級グルメによる町おこしが流行っています。
これはなかなか良いアイディアです。
紙媒体での紹介より、ずっと理解してもらいやすいです。
ただし、注目を浴びるのは、多くのB級グルメの中の上位のみ。
なかなか難しいものです。
ネットが一番コストも安く、しかも速報性があります。
そうは言っても、魅力的なコンテンツでなければ見てもらえません。
「コバトンTHEムービー」は、なかなか気合いが入っていると思います。
割かし、ゆるめの内容もありますね。
サイトのレイアウトは、お堅い感じはしないものの、どちらかというとお洒落系。
フラッシュを使った動きのあるサイトです。
(私はあまり、フラッシュを使った重いサイトは好きではありません)
意欲的に、ネットを使おうという姿勢は凄いなあと思います。
まだ硬さはあるものの、このまま配信を止めず、新作配信を定期的に行えば成功するのではないでしょうかね。
※※※
ネットで人気を得るには法則があります。
その一つは「高度なスキル」・「アングラ」・「お笑い」の融合。
「2ちゃんねる」や「ニコニコ動画」のようなサイトがそれにあたります。
ネットに精通している人達というのは、そのネットスキルは相当なもの。
また、そういう人はネット以外の得意な分野も持っており、それの情報発信の場としてネットを有効利用しています。
けれど、まじめ過ぎるものは好まず、難易度の高いお笑い要素を含んでいたりします。
さらに言えば、そういった高度な知識とネタを「無償」で提供している人が殆どです。
そういった人達のアンテナに引っかかるような魅力的なコンテンツを作るべきです。
たとえば、萌えキャラによる県内紹介アニメ番組を配信すれば、アルファブロガー達がどんどん勝手に紹介してくれるでしょう。
キャラの作りこみがしっかりしていれば、二次創作による同人誌で、更に知名度もあがるでしょう。
「何をしょうもないことを・・・」と言うオッサンも多いでしょうが、ネットによる急速な知名度上昇は、他のメディアに大きく影響しますよ。
最近は、元ネタがネットという内容をテレビやラジオでやっていますからね。
埼玉県の場合、新たにそういった作品・キャラを作らなくても、物語の舞台が埼玉県春日部市の「クレヨンしんちゃん」があります。
同市の「イメージキャラクター」としても採用されています。
また、人気萌えアニメ「らき☆すた」という作品があります。
●公式サイト「らっきー☆ちゃんねるWEB」
http://www.lucky-ch.com/index.html
●コンプティーク.com:らき☆すた
http://www.comptiq.com/event/luckystar/rakisuta.html
●らき☆すた - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%89%E3%81%8D%E2%98%86%E3%81%99%E3%81%9F
こちらも埼玉県春日部市をモデルにしている作品です。
埼玉県鷲宮町(現在は久喜市)の鷲宮神社を始め、いくつかの場所が本作の舞台の1つであると紹介されたことをきっかけに、ファンが聖地巡礼と称して登場した場所を訪れるようになりました(wikiより抜粋)。
ファンが沢山訪れ、メディアによる報道もされています。
この作品を使った町おこしもしています。
●鷲宮神社:アニメ聖地の参拝客、平野綾効果で2万人増の47万人 4年連続増 - MANTANWEB(まんたんウェブ)
http://mantan-web.jp/2011/01/04/20110104dog00m200002000c.html
アニメ「らき☆すた」の“聖地”としてアニメやマンガのキャラクターを使った町おこしで知られる埼玉県久喜市(旧鷲宮町)の鷲宮神社で、11年三が日の初詣で参拝客数が過去最高の47万人だったことが4日、明らかになった。同アニメでヒロインの声を担当した人気声優の平野綾さんが1日未明に同神社からのテレビ中継に巫女(みこ)姿で登場したことが追い風となった。参拝客はアニメの放送が終わった後も4年連続で増え続けており、放送前の5倍を超えた。
この作品をこのまま放置しておくのは勿体無い。
ぜひ、「コバトンTHEムービー」との強力タッグを見てみたいものです。
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