前回の続きです。
●前回の記事: 2010 NIIGATAショップデザイン賞関連企画「魅力ある店づくりから始まるまちづくり」シンポジウム〜川島蓉子(かわしまようこ)さんによる基調講演【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002257.html
・be my Gift「三点で一つの物語」の例:テーマ「父の日」
↓
(1)山崎のウイスキー
(2)バカラのグラス
(3)氷がタイタニック号の形になる製氷機
↓
(多分、製氷機はこれの事だと思います)
●フレッド社 アイストレー/製氷器/製氷皿 タイトニック Fred GIN & TITONIC
http://store.shopping.yahoo.co.jp/fukumarusp/ffgt-009.html
お父さんが、タイタニック号と自分を重ね合わせるというユーモアを感じてもらいたいです。
(会社員である神崎的には、ユーモアより皮肉に感じてしまうのですが・・・)
・be my Giftについてのジャーナル(定期刊行物)を作りました。
理由は、自分が考えたお店のコンセプト等は、思った以上にお客様に伝わっていないものだからです。
伝えるため、さまざまなツールとして冊子だったり、販売員のトーク、Webサイト等を使います。
・自分の売り場を作るというのはとても心配・不安なものです。
気になって毎日、売り場へ行ってしまいました。
制服を着ていないので売ってはいけないのですが、お客様が商品をあれこれと見ていると、つい説明をして売りたくなってしまいます。
お店というのはそれぐらい愛情を注げるものであり、注ぐことで育つのではないかと思います。
・「ブランドはNIPPON(2009/11/21発売、ISBN-10: 4163717005) 」という本を書きました。
日本のモノは良いのではないかと私は感じて書きました。
それにまつわる話しをしたいと思います。
・日本のモノは良いの例:京都の老舗 開化堂の茶筒
●茶筒の開化堂|Kaikado
http://www.kaikado.jp/
蓋を置いただけで、すーっと落ちていく非常に職人技がいきている美しい茶筒です。
これが東京の「ユナイテッドアローズ」という、服のセレクトショップに置いてあり、20代の若者が結婚式の引出物用に買って行くそうです。
●UNITED ARROWS
http://www.united-arrows.jp/
今でこそ、開化堂というのが若い人達にも有名ですが、ユナイテッドアローズでは20年も前から販売し、人気がありました。
戦後第二世代である30歳以下の人達(両親も戦後生まれ)にとっては、「メイドインジャパン」であろうが、「メイドインフランス」「メイドインチャイナ」であろうが、イイものはイイ、悪いものは悪いと判断できる人達が出てきています。
彼らは、良いものならば自分達も使ってみたいし、引き出物として自己表現の一つにもしたいと考えています。
しかし、日本茶を飲むことは減っていますよね?
それじゃあ、何に使っているのでしょうか。
コーヒー豆や紅茶入れ等に使っているそうです。
用途は変わってきているけれども、日本古来のものを使うというシーンがあるのです。
他にも例えば、長崎県の波佐見焼(はさみやき)等も若者に人気があります。
(講演では、森正洋さんの作品を紹介していました)
●長崎県波佐見町観光協会|波佐見焼の歴史
http://www.hasami-kankou.jp/rekisi/index.html
●森正洋の公式ホームページ「design-mori」
http://www.design-mori.co.jp/
こういったように、「イイものはイイ」という判断の中で使われているのが、今の市場の動きの一つです。
・「和菓子が新しい」:HIGASHIYA
東京の銀座に「HIGASHIYA」という和菓子屋があります。
●HIGASHIYA
http://www.higashiya.com/
●H I G A S H I Y A Online Shop
http://higashiya-shop.com/
銀座の一等地でオシャレな和菓子屋を展開しています。
日本の細やかな四季を店内に演出しています。
和菓子ほど美しいものは無いと思っている緒方慎一郎さんが、この店を手がけています。
例えば、和菓子がこんな感じに販売されています。
↓
●H I G A S H I Y A G I N Z A | PHOTO
http://www.higashiya.com/shop/ginza/04/index.html
商品は決して安くありません。
しかし、お洒落で美味しい和菓子でしたら自宅でも食べてみたいし、大事な人に贈る際にも使えます。
いかに和菓子が日本の文化に結びついているか、四季を思い結びついているのかをお店を介して伝えていると思います。
緒方慎一郎さんは長崎出身なので、カステラにもこだわっています。
「ヒガシヤカステラ」は2,350円(税込)もしますが、商品の説明を聞くと確かに納得がいきます。
●カステラ - H I G A S H I Y A Online Shop
http://higashiya-shop.com/?mode=cate&cbid=660419&csid=0
・「技 + デザイン + 伝えること」
ここ一年、二年ほど、川島蓉子さん宛に地方から相談が来ます。
例えば、寂れてきた商店街をなんとか出来ないか等。
地方の商店街を回って話しを聞いて思ったのは、重要なのは三つのポイントではないかと思います。
「技 + デザイン + 伝えること」
これは、ブランド、商品、お店どれにでも言えます。
・「技」:伝統の技&現代の技
伝統の技というのは、簡単にできるものではありません。
とても大事にした方が良いことです。
しかし日本は、ハイテクも進んでいます。
両方を大事にするのが日本の道ではないかと。
また、ある時はミックスするのもありです。
・「デザイン」:機能+美しさ+使うシーン・気分
デザインという言葉に定義はないと思います。
川島さんなりの解釈としては、「機能+美しさ+使うシーン・気分」これら全てがデザインだと考えています。
・「伝えること」:作り上げた志+物語性
日本人は、良いものさえ作っておけば、誰かが気づいてくれると思いがちです。
特に新潟県の人は引っ込み思案なところがあり、良い意味で謙虚なので、自分が何をやっているのかをあまり伝えません。
でも、これはしつこいぐらい伝えたほうが良いです。
取材に行くと、行く前と行く後では印象が変わります。
話しを聞いた後ですと、その説明を聞いた商品に倍の値段を払っても良いと感じたりします。
それぐらい、その商品ができるまでのストーリーや作った人の思い入れが、人(消費者)の気持ちを動かすのです。
是非、作り上げるまでのストーリーを伝えて欲しいです。
商品を作る人、売る人等、人の果たす役割は非常に大きいのです。
機械化、合理化だけでは駄目。
人が介在するからこそ伝わるもの、人の心を動かすものがあるのではないかと思います。
(続く)
●次回の記事: 2010 NIIGATAショップデザイン賞関連企画「魅力ある店づくりから始まるまちづくり」シンポジウム〜川島蓉子(かわしまようこ)さんによる基調講演【3】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002259.html
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