雑誌「PRESIDENT」に法律系の面白いコラムがありました。
タイトルは「寅さんのような生き方は法に触れるのか?」。
軽犯罪で「浮浪の罪」というものがあるそうです。
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●軽犯罪法1条4号
「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」
に対し、
拘留刑(1日以上30日未満の身柄拘束)や科料刑(1万円未満の強制徴収)
を科すものとされる。
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そうしますと、ネカフェを転々として生活しているニートや、定職に就かず全国を旅する「男はつらいよ」の寅さんは、軽犯罪法に違反するの?
寅さんは「テキ屋」です。
これは合法な職業なので、短期間働いて、ライフワークとして日本中を回っているのだから、浮浪罪に該当しないそうです。
昨年、女子大生がツイッターを利用し、所持金無しで行く先々の皆さんの善意で寝泊まりし、日本一周を達成しました。
これは、職業に就いているとは言えないので、厳密に言えば浮浪罪に該当する可能性があります(弁護士談)。
しかし本人は学生ですし、実際問題、これで捕まることなんてありません。
そんなんで捕まったら、メディアと世論が警察を大きく叩きますよ。
実際、浮浪罪で検挙されるケースは極めて少ないです。
けれど、ゼロではありません。
2009年を見ますと、実際に一人検挙されています。
軽犯罪法は、別の事件・・・例えば麻薬所持とか殺人と疑わしい人に対し、逮捕の口実として乱用されやすいです。
ちなみに軽犯罪法違反として検挙率数が多いのものは、「凶器携帯の罪(1条2)」・「立入禁止違反の罪(1条32号)」・「看板等汚損の罪ほか(1条32号)」等があります。
軽犯罪法が別件逮捕に使われないように、同法4条にて、不当に国民の権利を侵害してはならないと注意書きがされています。
乱用は良くないのですが、現実問題として、重大な罪を犯した犯人を捕まえるため、現行犯逮捕しやすい軽犯罪法が役立っているのも事実だそうです。
治安維持を優先するか、警察権力からの自由が大事なのか。
軽犯罪法は、両者が交差する微妙な位置にある法律なので、そういう意味では「重い」法律だとも言えます。
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いろんな生き方があります。
また、そういう生き方を望んだわけでは無く、仕方なくそうなったという事もあります。
ドラマ「相棒season9」の第8話「ボーダーライン(2010年12月15日放送)」は、まさにそんな感じです。
●あらすじ(かなり端折っています。詳細は検索してください):
男の転落死体が発見された。
刃物による刺し傷が多数ある。
殺人か?
特命係の二人は、この男が死ぬまでに至る経緯を調べる。
結果、他殺ではなく自殺だった。
死んだのは、柴田貴史36歳。
大学を卒業したものの就職氷河期だったので、正社員として就職出来なかった。
契約社員・派遣社員として働いてきた。
いろいろあってようやく正社員になれたが、そこはいわゆるブラック企業。
ワーキングプア状態で、日々、ネカフェで生活していた。
しかし、そこも解雇。
ハローワークへ相談したものの、失業保険の給付は駄目。
就職活動をするものの、全く駄目。
婚約者がいたが、収入が原因で破局。
とある資格を取得するも、やはり正社員としての就職は駄目。
いよいよ生活も苦しくなり、生活保護を申請するも駄目。
それでも就職活動をする為、ネカフェのシャワーで清潔にして、レンタル用コンテナの中で寝泊まり。
悪い人達によって、名義貸しに手を染める。
しかし、利用し尽くされて、それももう駄目。
コンテナの生活も、見つけられて追い出される。
試食売り場等を歩きまわり、ただ食べるだけの生活になる。
あるお店の試食をしようとしたところ、冷やかされる。
最後、自分で自分をナイフで切り、襲われたようにして診療請求をしようとしたけれど、その痛みと絶望・社会への抗議としてビルから落ちていった・・・。
(こことか、ここを見ると、動画があるかも)
・・・もう、救いようのないエピソードでした。
沢山のエピソードの中でも上位に入る内容だけれど、二度と観たくないエピソードです(褒め言葉)。
相棒って、たまに後味の悪い話しをやるけれど、これが一番後味が悪いです。
何故かというと、誰にでも、ちょっとした事からありえる話しだからです。
このエピソードで死んだ男は、就職したいという意志があるのですから、「浮浪の罪」にはなりません。
しかし、この男が死ぬまでの幾つかの時点で警察に捕まる可能性はあります。
名義貸しは立派な犯罪ですし、コンテナの寝泊りを発見された時に警察に身柄を確保される可能性だってあります。
このエピソードの場合、そういった時点で捕まっていた方が、かえってバッドエンドを迎えずに済んだかもしれませんが・・・。
※
上記はドラマだけの話しではありません。
現実に、浮浪へ追い込まれた人達がたくさんいます。
むしろ、そういう現実があるからこそ、ドラマで取り扱われたのです。
リーマンショックで世界中が低迷したけれど、その後、元気を取り戻しました。
そんな中で唯一、日本だけは未だ低迷中です。
政府の無策・・・っていうか、何もしなかったからです。
春に選挙があるので、うちの会社に沢山の政治家が挨拶に来ます。
理由は簡単。
うちの会社を味方につけると、大量に票をゲットできるから。
しかし政治家ごっこをしている人達を私達は必要としません。
本物の政治家がいれば、お願いされなくても票を入れます。
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