2011年02月07日

「社会人基礎力」とは、経済産業省が定めた「仕事をするための能力」のこと

「社会人基礎力」とは、経済産業省が定めた「仕事をするための能力」のことです。
「仕事をするための能力」をもうちょっと細かく言うと、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎力的な力」です。

これは、「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」の三つの能力が基本柱となります。
その下に、「主体制」「課題発見力」「計画力」「発信力」「柔軟性」など、12の能力要素が位置づけられています。

●社会人基礎力(METI/経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.htm

これらは社会人として生きて行くのに必要ですし、身についていてしかるべき事です。
国がわざわざ定義することなのかと思う人もいることでしょう。
しかし終身雇用制が崩れ、非正規雇用者が増え、新人を企業内で育てるという風土が減っています。
だからこそ、これから就職を考えている学生は、それらを身につけることで職につきやすくなる。
また、採用する企業側も、それを指標にすることで学生の能力を見極めやすくなります。


・・・とここまで書いた私ですが、正直、抽象的すぎてよく分かりません。
もうちょっと具体的で、実践しやすいように説明して欲しいものです。

仕事には色んなものがありますよね。
しかし、メディアに取り上げられるものは、派手なもの、奇抜なもの、オシャレなモノ、なんなく歴史のあるものと言う、普通ではないものばかりです。

まだ働いていない学生たちが、「仕事」というものを知るイメージというのは、大方はメディアが流したイメージです。
決して、身近にいるお父さんの働き振りではないのです。

一風変わったものは興味を引きますが、本当にそれが大方の人にとって意味のあるものなのでしょうか?
そういう事が出来る人は凄いとは思いますが、果たして真似をしたいと思うでしょうか?

本田コンサルタント事務所の代表・本田有明さんが、「社会人の流儀を語れる人、語れない人」という内容で語っています。

●本田コンサルタント事務所
http://www014.upp.so-net.ne.jp/honda-consul/


●斜にかまえて損をする人たちの特徴

・編集の仕事をしていた頃、部下や後輩にこのようにアドバイスをしました。
「まだ半人前のうちはとくに、人に好感を与える態度、行動を心がけよう」という内容です。

・具体的な指針として掲げたのは「三快人間のすすめ」です。
人の気分を明るくする「愉快」。
見た目も爽やかな「爽快」。
行動においては腰を軽く率先して働く「軽快」。
この三つの「快」をモットーにしようというのです。

・こういう事を言うと「ちょっと幼稚な教えではないでしょうか?」と、腕組みをして反論する者がいました。
知的レベルが高い(と自負する)編集者へのアドバイスにしては「レベルが低い」と感じたのでしょう。
しかし、本田さんは、そう思いません。

・知的レベルが高いならば、まずは腕組みや足組みをして年長者の話しを聞くのはやめなさいと言いたい。
腕組み、足組みは相手に対する警戒心と敵愾心(てきがいしん・敵に対して抱く憤りや、争おうとする意気込み)の表れである事は心理学の初歩であり、そんなことも分からない若者だから、わかりやすい「三快」をすすめる訳です。

・マスコミ関係の業界には、とくに斜に構えた人種が多く発生します。
知的職業にたずさわる者は、見てくれなど構う必要はないという幼稚なプライドがあるかもしれません。
そういう人たちには、フィリップ・チェスターフィールドの言葉を読んでもらいたいです。

「あまり賢いとはいえない人たち(全人類の四分の三くらいはそうじゃないだろうか)の心をつかむのは、いつも外見だ。かれらにとっては、礼儀作法や物腰や、応対のしかたがすべてなのだ。それ以上奥を見ようとはしない」

「でも、それは賢人も似たり寄ったりなのだ。賢人だって、目や耳に心地良くない物、心をくすぐらないものに対しては、頭がついていかないものだ」

(出展・わが息子よ、君はどう生きるのか)


・人が友人や知人について語る時、プラスの印象にしろ、マイナスの印象にしろ、見た目の感じや雰囲気で判断している事がとても多いのです。
ならば、イギリス最大の教養人と謳われた政治家チェスターフィールドの教えに習って、礼儀作法や物腰を洗練させることから始めてみよう。
いつからでも、誰でもが始められる努力なのですから。


●まず目や耳に心地良いことを実践する

・組織が沈滞している、社員のモチベーションが低いといった問題がある会社は大抵、挨拶がきちんと出来なかったり、電話の応対が悪いなど、基本的なマナーが出来ていないものです。
それを改善するだけで、かなり雰囲気が変わります。
(勿論、業務自体の改善も同時に進めないといけません)

・マナーが向上すると、必ず職場の風通しがよくなります。
人間関係の基本は、「目や耳に心地よいこと」が真実だからです。
沈滞した管理部門に、製造会社の現場のような朝礼を導入し、互いにキチンと挨拶をする、人の話しを注意深く聞くなどの練習を始めれば、かなりの程度、活気が蘇ります。

・家庭や学校で放棄されつつある「教育の番頭役」として、時にはうるさがられても尚、おせっかいを承知の上で正論を語る勇気、熱意、度量のある人物がいてもらいたいです。



「社会人基礎力」というと良く分からないけれど、「マナーを守る」「目や耳に心地良いことを実践する
」というのならば理解できます。
よい職場を作るのに、節度とかマナーは必要ですよね。
正論すぎるけれど、それが出来ない職場は幾らでもあります。
案外、若い人よりも、権力を振るう年長者の方が、マナーを守っていない事もあります。
そんな人を見れば、下に仕える人たちだって、マナーを守らなくなってしまいます。

私は、職場の若い人達に教えられる技術はありません。
せめて、自分自身がマナーに気を使い、それを見てもらうことで何かを感じ取ってもらえたらなあと思います。

Posted by kanzaki at 2011年02月07日 23:49