2011年03月27日

35歳からの錆びつかない生き方〜「35歳の教科書」の著者・藤原和博さん

藤原和博さんは、「35歳の教科書」という本を書いて話題となっています。

●Amazon.co.jp: 35歳の教科書―今から始める戦略的人生計画: 藤原 和博: 本
http://amazon.jp/dp/434499695X

●藤原和博 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E5%92%8C%E5%8D%9A

藤原 和博(ふじはら かずひろ、1955年 - )は、元公立中学校校長、著述家。東京都生まれ。
東京都初の民間人校長として杉並区立和田中学校の校長を務めた。
現在は大阪府教育委員会特別顧問、東京学芸大学客員教授、構想日本政策委員、特定非営利活動法人子供地球基金顧問などを務めている。
サッチャー型の新自由主義の教育関係者。

●公式サイト:藤原和博の[よのなかnet]
http://www.yononaka.net/

藤原さんへのインタビュー記事を読み、色々と感じるところがありましたのでご紹介したいと思います。

(成熟社会)

昔ならば「35歳」といいますと、ギラギラした人が多かったものです。
働き盛りの年代だからです。
今はといいますと、どこか生き方に戸惑ったり、閉塞感があります。

日本社会はこの10年で急速に、発展途上の子供から、成熟した大人に変わってきています。
身近な変化ですと、昔ほど焼肉を食べたり、飲み歩いたりする数が減っていませんか?
昔のCMにあった「24時間戦えますか?」という流行語も、今はナンセンスに感じてしまいます。

日本が発展してきた成長社会の時には、みんなが均一で、分かりやすい人生のモデルがありました。
終身雇用の会社でバリバリと働き、よく飲んで食べ、歳相応に良いクルマやマイホームを買うのが、一定の幸せの基準だったのです。

成熟社会になった今は、そうではありません。
転職もリストラも当たり前です。
収入も個人の能力次第です。
求める幸せも人それぞれです。
以前のような単純明快なモデルケースが無くなってしまったのです。
そのような時代背景の為、40代以降の自分の姿を思い浮かべても、なかなか具体的なイメージが出てきません。

このような時代に大切なのは、個人個人で幸福な生き方を掴みとることです。
みんなと均一なモデルが無くなったということは、年をとっても自分らしく輝いて生きていける可能性があるという事でもあります。

(35歳からでは手遅れなのか?)

人生に遅いなんてことはありません。
誰もが仕事に1万時間を費やします。
その中で素晴らしい技術を身につける事が大切です。
もし、それがまだならば、今から頑張って習得すればいいのです。

更に大切なのは、「35歳からの生き方」です。
人生を錆びつかせない為には、日々、ちょっとしたサプライズで、周囲に驚きと感動を与えるようなアクションを起こすことが必要なのです。

錆びついていく生き方の根っこには、「事なかれ主義」があります。
若い時、せっかく立派な武器を磨いても、それを使って新たな挑戦をしなければ、使えなくなっていくのです。

(錆びない為には何が必要か?)

重要な一つ目は、「仕事との付き合い方」です。
漠然と会社に身を委ねていてはいけません。
40代になった時、会社というブランドを取り払ってもやっていけるような「自分ブランド」を作っておかなければいけません。

会社に両足でどっぶりと浸からないことです。
会社以外のところでも、自分の目指すべきベクトルをもって能力を磨き続けていきましょう。
そういう人の方が、結果的には会社や組織にも貢献できるし、求められるようになってきているのです。

(地域コミュニティーと積極的に繋がる)

重要な二つ目は、「地域コミュニティーと積極的につながること」です。
仕事以外のところに置いてある片足で、どこかを踏みしめている事が大切なのです。
成熟社会であるヨーロッパは、地域コミュニティーが浸透しています。

生き方のモデルが無くなった社会では、個人個人が幸福へのきっかけとなる場所とつながっていく必要があります。

藤原さんはその具現化として、ある提案をしています。
「学校を地域の学習コミュニティーとして再生すること」です。

藤原さんは以前、民間校長を務めました。
その中学校では、ボランティアの大人達に生徒への特別授業を積極的に担当してもらったそうです。
生徒も大人達も元気になるという効果がありました。

30代、40代の方々が多く関わりました。
会社の名刺も肩書きも、生徒達の前には通用しません。
生身の人間として第三者と繋がれたのです。
この「地域本部」と呼ばれる学校内のボランティアは、急速に全国へ広がっています。

地域コミュニティーへ自らの足でつながっていけば、必ずリスペクト(尊敬)、さらにクレジット(信頼)に繋がります。
人生が錆びつかないどころか、それぞれの幸福の新たな形へ結びついていくと、藤原さんは考えます。

(おしまい)

※※※

活力ある人生を考えるのに、遅いという事はありません。

世代間による考えや生き方に違いがなくなり始めました。
違いが出るのは、年齢というよりも考え方・行動のような気がします。

ここ数年来、会社の名刺や肩書きを使わず、カメラやネットを使い、自分の足で地域に飛び込むことをしています。
それをやって良かったと感じています。

自分自身が「年齢を気にせず、思ったときに行動する」を実体験したので、藤原さんの考えに共感が出来ます。

最初は怖かったですよ。
今まで積み重ねてきたものを使わずに動くのですから。
でも大丈夫でした。
世の中に、良い人が沢山いたからです。
それが一番の間大きな報酬でした。

少しずつ社会も人も変わってきています。
変わるのは、今までのスタイルでは無理があるからです。
まだ変わった後の姿が、確立したわけではありません。
模索していく中で、「地域コミュニティー」というキーワードは、とても現実的だと思います。

Posted by kanzaki at 2011年03月27日 22:38