2011年04月30日

「やり遂げること」の大切さ〜大リーグのロサンゼルス・ドジャース元監督・トム・ラソーダさん

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※THE HEART OF TREES(信濃川下流で撮影)


山下大輔さんは、大リーグ・ロサンゼルス・ドジャースの育成部門内野守備コーチです。
雑誌の巻頭言を書かれていましたので、ご紹介します。
タイトルは、『「やり遂げること」の大切さ』です。

トム・ラソーダさんは、大リーグのロサンゼルス・ドジャースにて、21年間監督を務めました。
現在は、ドジャースの特別アドバイザーをしています。
ラソーダさんは山下さんに、「勝つには、やり遂げることだ」と言っていたそうです。

ラソーダさんは熱血指導タイプ。
「修行の身である若手に休みなど要らない」と公然に放ちます。

アメリカ球団は体質として、使えない選手だと分かると見切りが早いのです。
マイナーのキャンプは、多いときで170人ぐらいいますが、選手の出入りは激しい。
厳しいサバイバルレースの中で、ラソーダさんの「お前たちに休みはない」は、親心から出た言葉です。

「毎朝、鏡を見ろ。そして鏡の中の自分に語りかけろ。お前はやる。絶対に出来るんだとな」
と檄(げき)を飛ばします。

100%野球に集中できる精神状態を保ち、基本を大事にする。
そして自分を信じること。
これが、ラソーダさんの教え「やり遂げること」につながっていくのです。

※※※

本人の精神状態なんてお構い無く、仕事の締切りは迫ってきます。
神崎は、精神的に強い方ではありません。
いろんなモノの間に挟まれ、押しつぶされそうになります。

上記アメリカ球団のお話しを読む限り、精神論を訴えるスタイルは、日本と変わりはないようです。
もっとドライな気質だと思っていたので意外でした。

私自身は、精神論は反対です。
精神的に押しつぶされる原因は本人にあるのではなく、属する組織の体質に原因があるからだと考えるからです。

場当たり的な命令の積み重ねで、実務担当者達は疲労しています。
上の方は年齢や肩書きを理由に、口だけで面倒なことはしない。
売り上げ等の落ち込みから、新しい人が入ってこないから、仕事を下へおろすことが出来ずに増える一方。
幾つもの仕事が同時並行で進み、「やり遂げた」と感じている暇もありません。
これはどこの会社でも同じだと思います。

そんな環境の中、辛くても辞めずに続けていくと、実力がつきます。
色んなアイディアも出てくるし、それを実行できる能力もある。
そりゃそうだ。
各方面の無茶な要求をこなしているのですから。
本来、上が求めていた以上の能力です。
そういう人はそのうち、そこにいるのが窮屈になって独り立ちします。
大切な人材の流出です。

だんだん社会の構造も、考えも変わってきています。
組織というものは大きいので、それに柔軟に対応しにくいです。
一方、個人は本人の考え方一つですから、柔軟に対応しやすい。
じょじょに、組織と個人に大きな差が生まれてくるのです。

今の時代は、その差が開き始めた黎明期。
私自身もそれに対して、どう対処すれば良いのか、はっきりは分かりません。

分かっているのは、「組織が求めている以上の能力を貪欲に身につけること」です。
それは、仕事と全く関係ない方面でもいい。
それによって自信もついてくるし、一人で歩く行動力も身につきます。
余裕が出てくるから、自ずと笑顔も作れるようになると考えます。

Posted by kanzaki at 2011年04月30日 23:19