2011年07月03日

日本トイレ研究所の「うんち教室」が盛況です〜トイレに対する子供たちの意識変化。戸田市立美女木小学校のトイレ改善事例

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※動物たちとの触れ合いも、子供たちにとって大切な勉強です。

日本トイレ研究所は、小学校低学年を対象に「うんち教室」を開いています。

●日本トイレ研究所(Japan Toilet Labo.)
http://www.toilet.or.jp/

・トイレを研究する「日本トイレ研究所」(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1286853786120.html

各小学校に研究所の職員が赴き、歌やイラストを交えながら、トイレやうんちの大切さを伝えています。
年に100校以上からオファーがある程の人気ぶりです。

最近では、うんち教室の研修会をスタート。
研修を受けた小学校の先生達が、関東周辺の小学校を中心に授業を開始しました。

こうして、トイレの役割を伝える取り組みが、じょじょに広まりつつあります。

「NIKKEIプラス1」によりますと、トイレに対する子供たちの意識が変わりつつあるそうです。
理由は、「うんち」を通じて体の仕組みや食べ物の役割を知る保健学習が広がり、健康のバロメーターとして前向きに考えるようになったからです。

小学校のトイレと言いますと、昔は暗い・臭い・汚いというイメージでした。
イジメの温床にもなっていました。
そんなイメージを払拭しようという試みが、全国各地で行われています。

●学校のトイレ研究会/学校トイレ事例
http://www.school-toilet.jp/case/index.html

上記のサイトでも紹介されています埼玉県の戸田市立美女木(びじょぎ)小学校を一例としてご紹介します。

【戸田市立美女木小学校のトイレ改善事例】

美女木小学校は、八ヶ所ある全部のトイレを改装しました。
このトイレの改装の大きな特色は、児童たちの意見やアイディアを取り入れたワークショップ制を導入したことです。

子供たちの意見を取り入れたおかげで、例えばハリーポッターをイメージした便器のデザインを採用したり、各階で壁の色が違うなど、創意工夫が凝らされるようになりました。
また、その会議にて、世界のトイレ事情や、排便と健康の関係を学んだそうです。

こうして子供たちの意見を取り入れたトイレが完成し、二つの大きな変化が見られたそうです。
一つは、トイレを丁寧に使う子供たちが増えたこと。
もう一つは、腹痛を訴える子供たちが減ったことです。

自分達で考えたトイレだから気持ちがこもり、床も便器も雑巾がけを熱心にしているそうです。
以前はトイレが汚かったので、学校でトイレを我慢する子が多かったのですが、今は清潔なので我慢する必要がなくなり、腹痛にならないで済むようになりました。
また、排便を学んだ事で恥ずかしく無くなり、体の調子が分かる大切な事だと思うようになったのも、学校でトイレを利用するきっかけとなりました。

トイレ・排便に対するイメージは、随分と向上しました。
トイレ環境が綺麗な場所が、多く増えたせいでしょうかね。
テレビでも、ウォッシュレットやトイレ掃除のCMをよく見かけます。

飲食店等のお店の良し悪しを判断するのに、トイレの清潔さを重視する人も増えました。
自宅と違い、公共施設・お店等は不特定多数の人が利用します。
そこが綺麗であるには、お店側と利用者側の両方の意識が高まる必要があります。
どちらが欠けても、持続しません。

関東では既に始まっていますが、これから全国的の児童たちが、トイレや排便に対する正しい知識を学ぶことでしょう。
幼い頃に身につけた事は、大人になっても正しく行うものです。
そういった子供たちが社会へ出れば、社会も良い方向へ進むことでしょうね。

問題は、今の大人たちです。
子供たちに恥ずかしくないようなトイレの使い方をされていますか?

「街づくり」「観光産業」にはトイレは重要課題です。
「臭い、汚い、怖い、暗い、壊れている」という負のイメージを払拭するには、無視していては駄目ですよね。
改善しないといけません。
改善するには、意識の変革が先に必要です。
子供たちに笑われないように、大人たちこそ「うんち教室」の授業を受ける必要があるのかもしれませんね。

<<参考資料>>

●TOTO COM-ET:水まわり事例紹介 戸田市立美女木(びじょぎ)小学校
http://www.com-et.com/jirei/school/29129/index.htm

<改修の経緯>
戸田市では教育の一環として「さわやかトイレ」への取り組みを開始。 2000年度より計画的に改修を進め、2006年度からはトイレ計画に児童の意見・アイデアを取り入れるため、ワークショップ方式を導入。トイレを大切にする気持ちや愛着心の醸成、ものづくりの喜びや創造性の育成が狙い。

<トイレの特長>
「私たちが考えた私たちのトイレ」というテーマのもと、約30名の児童が8回にわたるワークショップに参加した。事前アンケートでは、既存のトイレに「臭い」「汚い」「暗い」という不満の声が上がり、33%の児童が学校のトイレが嫌で行くのを我慢することがあるとわかった。
改修後は洋式比率を高くし、清掃方法を湿式から乾式へ切り替えた。器具は、アンケートでトイレに欲しい設備として上位に上がっていた、自動水栓(86%が希望)や暖房便座(79%が希望)などを設置。また、ベンチを設けるなど児童のアイデアを反映したトイレ空間に仕上がった。

<改修の経緯>
学校関係者からは、児童がトイレを大切に使うようになった、清掃の際も器具をぞうきんでていねいにふくようになった、という声が聞かれた。

●逸見栞「トイレ空間が人々に与える影響―学校トイレ事情を通して―」
http://gyosei.mine.utsunomiya-u.ac.jp/since2001koki/yoka11/110622hemmis.htm

・埼玉県立戸田市立美女木小学校
この小学校では、「トイレ改修ワークショップ」を行い、児童の意見を反映させている。30人前後の希望者で構成されたワークショップから出来たトイレは、奇抜なデザインである。4つの小便器が向かいあい、その中心には映画「ハリー・ポッター」をイメージした尖塔が設けられている。また、入り口付近に詰めれば10人も座れるベンチを設置し、トイレ表示のデザインも児童たちが自ら考えた。

Posted by kanzaki at 2011年07月03日 23:11