2011年09月07日

日本で最高の啓発書は「努力論(著・幸田露伴)」です

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本田有明さん(本田コンサルタント事務所代表)によると、日本で最高の啓発書は「努力論(著・幸田露伴)」だそうです。

●幸田露伴 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B8%E7%94%B0%E9%9C%B2%E4%BC%B4

幸田 露伴(こうだ ろはん、1867年8月22日(慶応3年7月23日) - 1947年(昭和22年)7月30日)は、日本の小説家。 『風流仏』で評価され、『五重塔』『運命』などの文語体作品で文壇での地位を確立。尾崎紅葉とともに紅露時代と呼ばれる時代を築いた。

●「努力論」-青空文庫(無料で全文読めます)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000051/card4331.html

ここでいう「努力」とは、傷ついても尚、痛みに耐えて運命から幸福を引き出す精神です。

仮にうまくいかないことがあっても、他人や運のせいにして恨まない。
自分の非力のせいだと反省し、さらに努力を続けるのです。

自責と他責の違いが、成功者と失敗者に分けるのだそうです。

【運に恵まれる人はどこが違うのか?】

この本では、以下のように説いています。

・頭角を現してくる人材は、運を自力で引き寄せるパワーを持っている。

・自分を過信せず、まわりの人から素直に学ぼうとする者が早くのびる。

・個人の成果主義ではなく、チームの成果主義を重視する者が成功する。

成功者の多くは、自分の意志や知恵、勤勉などによって素晴らしい結果を得たのだと信じます。
失敗者は、うまくいかなかったのは運が悪かったと理屈をつけます。

【自己革新にチャレンジする二つの方法】

幸福・幸運を引き出すには自力本願が鉄則。
しかし、自己革新に関して、露伴は別の考えを用いています。
まずは他力でいったほうが確実性が高いようです。

(1)他力

我流で行わず、他の人をお手本として学ぶことにより、めきめき頭角をあらわすことは、よくあることです。

他力による自己革新のコツは、すぐに利を求める私心を捨て、謙虚に学ぶことです。

これは、会社の戦略術にある「ベンチマーキング」と同じ理屈です。

●ベンチマーキング − @IT情報マネジメント用語事典
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/benchmarking.html

経営や業務・ビジネスプロセスの非効率な部分を改善するため、他分野における優良事例(ベストプラクティス)を探し出して分析し、それを指標(ベンチマーク)に自社の活動を測定・評価して、変革を進める経営改善手法のこと。


(2)自力

本気で自分を革新したいと望むならば、古い自分とはきっぱり縁を切りましょう。
自力で革新が難しいのは、願いつつも意志と行動が直結できないからです。

露伴は実践方法について、以下のようにかなり冷酷に書いています。

妥協があってはならない。
不健康を革新したければ煙草・酒を捨てよ。
右が嫌なら左へ行け。
左が嫌なら右へ行け。
弁解はいっさいするな。
出来ないのならば、永遠に青い顔をして悩んでいればいい。

【幸福を獲得するための三つの説】

どうすれば幸福を引き寄せられるのか?
露伴は「幸福三説」で説明します。

三つとは「惜福」「分福」「植福」の心がけです。


(1)惜福:福を大切にし、すぐに使い尽くしてしまわないように努めること。

(2)分福:福を人にも分け与えること。

(3)植福:自分の持っている力を最大限に活用して、社会に貢献すること。


(1)と(2)は両立が難しいものです。
あまりにも福を惜しみすぎて、独り占めしているようでは、人の上に立てないそうです。
露伴は、大きな福を得たければ、自分から人に福を分かち与えよと語っています。

この考えから行くと産業界は、「個人成果主義」では破綻してしまいます。
リーダーは「チーム成果主義」を目指して、分福の考えで行わなければならないのです。

(3)ですが、これは(1)(2)に勝る大きな事業だと、露伴は位置づけています。
現在の我々の生活を支えている文明は、すべて先人の植福の遺産です。
社会の富と幸福の根源は、一人ひとりの植福にあるのです。

植福の実践にて、人は人としての価値を発揮します。
壮大な幸福論であり、個人の福を論じながら文明全体の問題にまで語っています。
明治という時代がそうさせたのでしょうかね。

人は、分福や植福にまで思いが回りにくいものです。
だからこそ、今回のような書物を読むことで、視線を高く維持することが必要です。
一人の狭い了見だけでは、リーダーシップは育ちません。

※※※

以上、「努力論」に書かれている大事な部分をご紹介しました。

これを成し遂げた人は、確かに凄い人物だと言われることでしょうね。
精神的にとても凄い人です。

精神が凄いから成し遂げられるのではなく、前へ進もうと決意して実践したからこそ、そういう精神が後からついてくるのかもしれません。

そういう意味では、誰でもスタート出来るということですよね。
必要条件は無し(やっていくうちに身に付くから)。
決意さえすれば良い。

問題は、その決意した時のモチベーションを延々と維持し続けられるかです。
おそらくなのですが、「自分のため」と考えていると、維持出来ないんじゃないかと思います。
「人のため」と考えると、成し遂げようと考えられるのでは?

誰かの笑顔のために努力しようとすると、不思議と力が沸いてきますよね。

東日本大震災においても、みんなが被災者の笑顔のために尽力をつくしています。
この力は間違いなく、「人のため」ですよね。

露伴は当時、事業の失敗や失業などで落ち込んでいる人々が多いのを見かねて、励ますためにこの書物を書いたそうです。
今の時代でも受け入れられる普遍的な内容です。
是非、読んでみてください。

Posted by kanzaki at 2011年09月07日 21:26