2012年01月26日

恐帰族とトリレンマ

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昨日は休みを取ったのですが、新潟市内は20cm以上の大雪だった為、家の前の雪かきをして終わってしまいましたorz

【恐帰族とは?】

新聞で、「恐帰族」という中国語を知りました。

旧正月の事を中国では「春節」と言います。
今年は1月23日です。

2億人を超えた出稼ぎ労働者をはじめ、社会人も学生も、この日にあわせて一斉に故郷へ帰ります。
中国の人達にとって、家族の絆を確かめる大切な日なのです。

ところが数年前より、春節に帰省したがらない人達が現れ始めました。
特に都心部で暮らす独身の若者たちに多いそうです。
そんな彼らを「恐帰族」と呼ぶそうです。

文字通り「帰省を恐れる」理由は、移動や土産にかかる経済的な負担です。
また、親や親戚に結婚を迫られるのが煩わしい人もいます。
単に、移動が面倒という人も、勿論います。
逆に、故郷の期待に応えられないために、顔向けできないという切実な悩みの人もいます。

【トリレンマとは?】

「トリレンマ」という言葉を新聞で知りました。

皆さんご存知の「ジレンマ」は、2つの相反する問題の板挟みになるという意味で使われます。
「レンマ」は「仮設、前提」、「ジ」はギリシャ数字の「2」を意味します。

そして、「トリレンマ」とは、ジレンマの3つ版の事です。
3つの問題に苦悩する三重苦。

トリレンマで有名なのが、「30代のトリレンマ」。
晩婚化で、親の介護資金、自分の老後資金、子供の教育資金という3つの問題が、数十年後に一気に降り掛かってきます。

他にも「国際金融のトリレンマ」という経済用語があります。

●国際金融のトリレンマ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%87%91%E8%9E%8D%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E

国際金融のトリレンマ(こくさいきんゆうのトリレンマ)とは国際金融政策において、3つの政策を同時に実現することができないことを指します。

・為替の安定(固定相場制)
・独立した金融政策
・自由な資本移動

他にも、

「サービス経済のトリレンマ」:
脱工業化が進展すると、所得平等、雇用拡大、均衡財政の3つをすべて成立させることはできない。

「環境問題のトリレンマ」:
経済発展、資源・エネルギーの確保、環境の保全の3つをすべて成立させることはできない。

なんてのもあります。

※※※

「恐帰族」と呼ばれる人達が、帰郷しない理由は、単純に一つだけじゃないんでしょうね。
幾つも問題があるのだけれど、最初の頃は無理にでも帰郷していたと思います。
しかし、こうも毎年毎年と続きますと、気力も衰えます。
そして解決するよりも、放棄する方を選んだ結果なのでしょう。
独身ならば、自分一人の考えだけで決められますしね。
我々の日常生活にも、よくあることです。

そして「トリレンマ」。
今の世の中、三重苦どころか十重苦、百重苦とがんじがらめになっています。
程度が過ぎると、反発する気力も萎えてしまい、もうどうにでもなれという気持ちになってしまいます。
その隙を狙い、「放棄したという事は、賛成したという事ね」と解釈し、訳のわからない法律・規則を作ってしまう輩が出てきます。

「恐帰族」と「トリレンマ」。
どちらも、一人で解決するのは難しいという所が似ているように思います。
その問題点をちゃんと相手に伝えて、理解と手助けをしてもらうのが、解決への近道なのかなあと思います(トリレンマは、どれを対象とするかでスケールも違ってはきますが)。
悩みを抱え込んで、一向に進展しない中で苦しむより前向きです。

過去の自分を振り返るに、問題解決の糸口は、相談して話しを聞いてもらうところからだったような気がします。

Posted by kanzaki at 2012年01月26日 22:08