「やっぱり美人は得をしているのか?」
年金関係の冊子を読んでいたら、こんな内容の記事がありました。
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【ハロー効果とは?】
「ハロー効果(halo effect)」という言葉があります。
これは、ある対象を評価する時、顕著な特徴に引きずられ、他の特徴についての評価が歪められることを意味します。
ハロー(halo)は「後光が差す」の事。
「美しいもの」を見ると、それは「善く」「良い」と思い、またはそれを期待してしまうのです。
魅力ある人は、性格、資質の面でポジティヴに評価され、社会的に価値のある人間と推察を受けます。
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【美人は得という実験結果】
ミネソタ大学心理学部のディオン教授が、ある実験を行いました。
魅力的な人(ルックスの良い人)、並の人、そうでない人の写真を学生たち見せて、その写真に写っている人の性格・資質などを推定するというものです。
その結果、以下の事が分かりました。
・社会的に望ましい性格
・誇りのある仕事に就いている
・幸福な結婚生活を送っている
・社会的にも職業的にも充実した生活を送っている
これらの印象では、魅力的な人が一番高く評価され、以下、並の人、そうでない人が続きました。
・親としてすぐれているか
この観点で見ますと、並の人が一番高く評価され、魅力的な人が一番低かったのです。
人は、はじめて会う人の顔を見て、相手の性格を判断します。
顔が魅力的だと、性格や優れた能力を持つと想像しがちです。
逆に、相手の外見にネガティブな特徴があると、ネガティブな性格があると推察しがちです。
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ディオン教授の実験以降も、いろんな人が研究を進めました。
やはり魅力的な人は高く評価される傾向にありました。
論文に、魅力的な女性の写真を添付すると、高い評価を得てしまうという、なんかな〜と感じる実験結果もありました。
大学生に陪審員の役をやってもらったところ、魅力的な女性は、短い刑期を言い渡されると言う、「チョッ、待てよっ!」と突っ込みを入れたくなる結果もありました。
「本の質を、カヴァーで判断してはならない。
カヴァーは、本の質を正確に示しているとは限らない」
なんて言葉もありますが、新刊の売れ行きは、95%、タイトルとカヴァーで決まってしまうのは、確かに事実です。
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【アメリカは特に顕著】
顔つきと社会的な立場に関して、様々な実証研究が行われています。
アメリカで7000人を対象にした研究によると、魅力的な人は、所得が平均より5%高いことが分かりました。
普通の顔の人は、時間あたりの給与が平均に比べて9%低いとか。
その他にも、魅力的な人にとって都合の良い結果ばかりでした。
アメリカの社会は、多様・多彩・多種類な人種で構成されています。
それぞれ文化的背景が異なり、互いに緊張感があります。
個人主義的で、個々人を平準化・規格化しようとしません。
肉体的に魅力のある人は優れていると思われ、より一層の成功の道が与えられます。
そんな事もあり、アメリカの男性はキャリア上昇の為、衣服に投資するのと同じ感覚で美容整形を行います。
更には行き過ぎた感覚として、ファッションモデルの卵子や精子の売買までされています。
「美は善・良」という信奉が、ここまで来ると「醜」に思えてしまいますね。
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【美を良しとする昔の人達】
このような考えは、昔からあります。
過去の偉人達の言葉を読めば、それが分かります。
・古代ギリシャの詩人サッフォー
「美しいものは、善であり、良である」
・フランスの哲学者モンテーニュ
「美は、強力で秀逸な特質である。
このことは、何度言っても言い足りない。
美は専制であり、美は天性の特権である。
これ以上の表現はない。
美は、人間関係において、最初の、最重要な地位を占め、偉大な権威と驚くべき強い印象により、私達の判断を先導する」
・ドイツの哲学者シラー
「肉体的な美しさは、内面の美しさ、精神的及び道徳的な美しさの印である」
・詩人ゲーテ
「美はどこでも歓迎される客である。
美を持つ人は悪魔から遠ざかり、自分自身と世界に調和を感ずる」
・イギリスの詩人キーツ
「美は真実だ。
真実は美だ。
それがすべてだ。
そのことを知る。
知る必要があるのだ」
こんな言葉ばかり読んでいると、私のような容姿の人間は、非常に気落ちしてしまいます。
そんな自分に、こんな言葉をプレゼントしようと思います。
・パーニン
「美人は注意を惹く。
でも、心を捉えるのは人柄である」
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やはりアメリカと日本では、考えに違いがあるものですね。
日本では、ここまで露骨な実験をしないし、したとしても一般の我々には嫌悪感を覚えるだけです。
上記で解説しました「ハロー効果」ですが、これをビジネスに取り入れたのがテレビのコマーシャルです。
テレビのコマーシャルでは、商品とは関係のない有名人や美人を起用し、その商品に良いイメージを与えようとします。
美人は得な結果が出ていますが、逆の効果もあります。
評価される者が魅力的であると、異性の評価者からはポジティヴな評価を受けます。
しかし、女性同士の場合、ネガティブに評価される事があります。
これを「嫉妬の効果(jealousy effect)」と言います。
確かに公私ともに、相手への第一印象が良いほうが、物事がスムーズに行くのは確かです。
しかしその後、期待されていた結果が出ないと、かえって極端に憎悪へひっくり返ってしまうこともあるでしょう。
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私は仕事の場合、第一印象は信じないようにしています。
良い印象にしても、悪い印象にしても、仕事の判断を乱してしまうからです。
相手がどんなルックスであろうが、どんな態度であろうとも、必ず笑顔と丁寧な言葉遣いを心がけています。
勿論、私は仙人ではありませんから、100%ではありませんが、それでも心がけているつもりです。
この行動には、心をニュートラルに出来る機能があるからです。
心が表情や態度に現れると言いますが、実は逆もあるのです。
人は、脳や自律神経によって動かされています。
自律神経は、心臓の鼓動や体温調整など、本来は人の意を介さずに整体コントロールを行っています。
しかし同時に、脳が思考したことに無条件に反応する特性も持っています。
例えば、梅干を想像しただけで、唾液が分泌されるような事です。
思考は言語で構成されていますから、言葉が自律神経系、ひいては人そのものを支配すると言えます。
言語を操ることで、自分をコントロールする事が出来るのです。
脳には面白い特性があり、現実と想像の区別がつかないそうです。
本当はそう思っていなくても、「今日は楽しい」と口にすれば、脳はこの言葉の意味を読み取り、自律神経がそれを具現化しようとします。
想像上のことであっても、身体は現実のことと同じように反応します。
こういった生理的な仕組みを理解すると良いと思います。
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