2012年02月06日

かわいそうな本展〜カッターで切り抜かれたアイドル雑誌やファッション誌、落書きのある絵本たち

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・恵庭市立図書館(北海道恵庭市恵み野西5丁目10-2)


今年1月11日〜1月27日、北海道の恵庭市立図書館(えにわしりつとしょかん)にて、「かわいそうな本展」が開催されました(地元新聞紙より)。

●切り抜き、落書き、水ぬれ… 恵庭市立図書館でかわいそうな本展:苫小牧民報社
http://www.tomamin.co.jp/2012c/c12011301.html
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「かわいそうな本」というのは、悲しいお話しが収録された本のことではありません。
カッターで切り抜かれたアイドル雑誌やファッション誌、落書きのある絵本、水濡れでカビが生えた文庫本のことを指します。
そんなかわいそうな本を約10冊、図書館の玄関ロビー特設コーナーに展示していました。

この図書館では、職員やボランティアが年間600冊もの本を修理しているそうです。
年間60冊ぐらいは修理不可能な本もあり、除籍(処分)するしかありません。
市民の財産である本をもっと大切に使って欲しいという思いから、この企画をしたそうです。
実際に展示を見た人達は、ここまで酷いとは思わなかったと、とても驚かれています。

本の展示だけではなく、利用者のためのQ&Aコーナーも設けられました。
以下は、その一例。

・保護者が目を話した隙に、子どもがページを破ってしまった場合、遠慮なくカウンターの職員を呼んで欲しい。

・利用者自身が破れた本をセロテープで修理するのはやめて欲しい。図書館側が修理する際、かえって手間がかかってしまうから。

利用者の反響が大きかった為、必要に応じてまた開きたいそうです。
もちろん、このような展示会を行う必要がなくなるのが一番なのですがね。

※※※

私は図書館を多く利用する方です。
本屋で書籍を購入して読んでいた頃より、たくさん読むようになりました。
買ってしまうと、買うことで安心してしまい、読まずに放置してしまうのです(いわゆる、積ん読)。
関連書籍を横断的に読んだり、調べたり出来るのもありがたい。

図書館にある書籍は、私を多くの世界へいざなってくれました。
ネット社会ではありますが、有益な情報の比重は、未だに紙媒体(新聞、雑誌も含む)だと思います。

図書館から借りた本のページをめくっていると、赤鉛筆で線を引いた本によく出くわします。
ビジネス書に多く見受けられます。
そういうのを見ると、怒りよりも悲しみの方が先に沸き起こります。
他人の本だから、取り扱いはぞんざいで構わないと思っているのでしょうかね。

絵本を落書きしてしまうというのは幼い子どもでしょう。
まだ、物事の分別がつかない年齢ですから、それを機会に親御さんから「本を大切にするという事」を学ぶべきでしょう。

カッターでアイドル雑誌やファッション誌を切り抜くのは10代でしょうかね。
この年代になると、注意する方もされる方も、微妙な距離感によって難しいものです。
注意すれば反発してしまい、余計にエスカレートしてしまいます。

「叱る」より「気づかせる」方が、受け入れてもらえると思います。
気づくというのは自主的なものですから、そもそも反発する要因がありませんからね。
気づかせる為に今回のような展示会は、非常に良い試みだと思います。
全国各地の図書館で展示会をして欲しいと思いました。


(余談)
昔、図書館からミステリー小説を借りました。
最初の登場人物一覧のページに鉛筆で、「こいつが犯人」と落書きされているのを読んでショックを受けました。

子ども時代のネタ「犯人はヤス (ポートピア連続殺人事件)」を思い出しました。
ちなみに私の3Dダンジョン初体験はこのゲームでした。

●5分でポートピア連続殺人事件 - YouTube

Posted by kanzaki at 2012年02月06日 21:04