2012年02月15日

歯磨きの常識チェンジ!〜食後30分間空けてから磨く、しっかりと1日1回

ついこの前まで、「食後はすぐに歯磨きをしましょう」と言われていたような気がします。

ところが最近の常識では、
「食後30分間空けてから磨きましょう」
「だらだら3回するより、1日1回しっかり磨いた方が良い」

なんだそうです(地元新聞紙より)。

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・お菓子は美味しいけれど、虫歯には注意しましょうね。

【歯が溶ける病気・酸蝕歯】

「酸蝕歯(さんしょくし)」をご存知でしょうか?

虫歯、歯周病はご存知かと思います。
最近では、「第3の歯の病気」として、この酸蝕歯が注目されています。

これは、コーラ等の強い酸性の飲食物により、歯が溶けてしまう病気です。
体の中で最も硬い歯の表面のエナメル質も、酸性によってやわらかく溶け出してしまうのです。
食生活の欧米化により、日本人も6人に1人が、この症状とされています。

例えば、どんな飲み物に注意すれば良いのか?
歯の表面を覆うエナメル質は、pH5.5以下の飲み物で溶け始めます。

pH2.2・・・コーラ飲料(最も危険!)
pH2.9・・・梅酒
pH3.1・・・黒酢飲料
pH3.5・・・スポーツドリンク(意外と知られていない)
pH3.6・・・りんごジュース
pH3.4・・・乳酸飲料
pH4.3・・・ビール
pH4.4・・・カップ酒
pH5.0・・・トマトジュース(今、話題ですね)
pH5.5・・・紅茶飲料

pH6.2・・・缶コーヒー
pH6.3・・・緑茶飲料
pH7.0・・・ミネラルウォーター

ここ最近、トマトジュースブームですよね。
各地のスーパーで爆発的に売れています。
2月10日、トマトの成分に脂肪燃焼効果があるとの論文が発表・報道されたからです。
トマトに含まれる物質が、血中の中性脂肪の値を下げるそうです。
トマトジュース200mlを1日3回飲むと効果があるらしい。
このニュースを知って、「また、ステマかよ」と思ってしまいました。
トマトは確かに良いのですが、元来、トマトは夏の野菜です。
体温を下げる効果があり、冬に積極的に食べるものではありません。
そして、上記の通り、歯にもちょっと悪影響を及ぼしそうなので、ほどほどにしてくださいね。

【食後30分は歯磨きを控える】

健康の為と思ってとる黒酢や柑橘類、夏の熱中症対策に飲むスポーツ飲料など、酸性の飲食物は多いものです。

対策としては、以下のようなものがあげられます。

・食後30分は歯磨きを控える

・酸性飲食物を口にした後は、水やお茶で口をすすぐ

・ダラダラ飲食を控える

・酸性と分かっている飲み物はストローで飲む

特に注目なのが、「食後30分は歯磨きを控える」です。

本来、口の中が酸性になっても、唾液の力で中和され、溶けたエナメル質は復活するのです。
しかし、復活には30分かかります。

食後すぐに歯をゴシゴシと磨いてしまうと、柔らかくなったエナメル質を削り落とす可能性があるので注意です。
食べた物が酸性かなんて分かるものではありませんから、食後は歯磨きまで30分ほど置くのが安全策です。

【1日1回のしっかり歯磨き】

みなさんは、1日に歯を何回磨きますか?
以前は「毎食後すぐに3分間」が常識でした。

今は、「なんとなく3回磨くより、1日に1回、特に寝る前に口の中から徹底的に汚れを出すほうが大事」なのです。

歯を磨く一番の目的は、歯垢を取り除くことです。
口の中の食べかすが歯垢になるまで48時間〜72時間かかります。
毎食後に歯を磨かなくても間に合うのです。

寝ている間、唾液が減ってしまい、口の中の菌が増えやすくなります。
寝る前、口の中をきれいにするのが効率的です。

磨き方は、歯に直角にあてる「スクラッビング法」や、歯と歯茎の間を45度の角度で磨く「バス法」が主流です。

●【詳しい図解あり】歯磨き(ブラッシング)の正しいやり方
http://www.4618.tv/yobou/brushing1.html

ただし、歯ブラシで落とせる歯垢は60%です。
歯と歯茎の狭い隙間まで届くデンタルフロス(歯間清掃専用の細い糸)を使うと、86%まで上がります。
昨年ぐらいから、ようやく日本のドラッグストアでも、手軽に入手できるようになりましたよね。
私見ですが、最初はワックス付きの方が歯間に入りやすくて使いやすいです。
マニアになってくると、ワックス無しの方が、清掃した感が多く感じられます。

【フッ素入りの歯磨き粉を活用】

歯磨き粉も、考えが変わって来ました。
以前ですと、歯磨き粉の研磨剤が歯を傷つけたり、泡立ちが良いものは磨いた気にさせるという事で否定的な考えが多かったのです。

今は技術の進歩で、研磨剤なしでも汚れが落とせるようになり、歯を丈夫にするフッ素入りが増えました。

得にフッ素入りは有効活用した方が良いそうです。
2センチ大の歯ブラシのヘッドですと、3分の2ぐらいたっぷりと歯磨き粉を付けます。
そして、歯茎に塗りこむ感覚で使うのです。

水で流れないように、磨いた後の口のすすぎは最小限。
低濃度でも、フッ素が長時間接することで効果があるそうです。

【爺ちゃんになっても健康な歯で】

素人がいくら丁寧にやっても、完璧にはなりません。
歯石取りも兼ねて、半年に一回は歯医者さんへ行きましょうね。

最近、年配の方々が「インプラント」をやっていますよね。
歯茎にボルトを埋め込み、人工の歯を固定してしまうものです。
入れ歯と違って、自分の歯のように使えることから人気です。
しかし、トラブルが急増しています。
NHKのクローズアップ現代にて、トラブルの実態を取り上げていました。

●【放送内容まるごとチェック】 歯科インプラント トラブル急増の理由- NHK クローズアップ現代
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=3143&html=2

顎の骨に金属の土台を埋め込む手術をする際、歯科医師のミスや技量不足のために大量出血したり、麻痺が残ったりするトラブルが相次いでいるのです。
保険が適用できず、高い治療費を払ったにもかかわらず、治療前より酷い事になった人もいるのです。

爺ちゃんになっても、自分の歯で美味しく料理を食べたいです。
後悔しないように、若いうちから歯を丁寧にケアしたいものです。

Posted by kanzaki at 2012年02月15日 21:11