2012年03月25日

ワコール「小さく見せるブラ」が大人気〜胸が大きいコンプレックスをなくすという明確なコンセプトが要因

「まえあつ」こと前田敦子さんが、AKB48を卒業するそうです。
SKE48の松井珠理奈さん等がレンタル移籍になったのもその為だったんですね。
やはり、グループのセンターが抜けるというのは大きな話しです。
ファンはショックでしょうね。
旅立つ人、見送る人。
きっとNHKあたりで、それぞれの人間模様をドキュメントで追いかけると思うので見てみたいです。

●小さく見せるブラ
http://store.wacoal.jp/site/chiisakumiseru/chiisaku.jsp

・大きな胸を小さく見せるブラが勢揃い!|ワコールウェブストア
http://store.wacoal.jp/site/all_minimizer/index.jsp

・ワコール 小さく見せるブラ(使用前後紹介) - YouTube

・ワコール 小さく見せるブラ(機能の秘密編) - YouTube

2010年より、ワコールは「小さく見せるブラ」を販売しました。
現在までに10万枚を売る、隠れたヒット商品になっています。

その開発経緯を雑誌「PRESIDENT」で紹介していました。

【開発のきっかけ】

ワコールは社内にて、若手の発想を組み上げる「商品提案活動」というものがあります。
一人の女性デザイナーが、自分の経験から提案をしました。

「胸が大きいコンプレックスをなくす、胸を小さく見せるブラ」

同社のアンケートによると、20代〜40代の女性の10.7%が「バストをコンパクトに見せたい」のだそうです。
数としては1割ですが、ニーズの強さを感じ、商品化が決まりました。

良い意味で、尖ったアイディアである実験的商品。
その尖った部分を維持するため、少人数にて短期間で企画を進めることになりました。

通常、開発期間に1年かかるのですが、わずか半年で販売することが出来ました。
はっきりと誰にでも一発で分かるコンセプトだから、ブレずに開発出来た結果なんでしょうね。

【小林製薬みたいなネーミングの理由】

一風変わった商品ゆえ、どのように販売するかに苦心しました。
たとえば「ネーミング」です。

クリエーターに依頼したら、名前として響きのよい商品名の候補が出てきました。
主力商品ではないので広告費を多くかけられません。
胸を小さく見せたい人に伝わりやすい商品名でなくてはいけません。
その為、クリエーターが提案したものを思い切ってやめました。

このようなコンセプト商品を買いたい人はネットを活用し、「胸を小さく見せたい」等とリアルなワードで検索するもの。
商品名で悩みをストレートに表現することになりました。
結果、「小さく見せるブラ」というそのまんまの名前。

ネーミングセンスが凄いと思うものと言えば、「小林製薬」の商品です。
「熱さまシート」「のどぬ〜る」「トイレその後に」「ガスピタン(整腸剤)」「チン!してふくだけ」など、何に使用するものなのか分かりやすいですよね。

小林製薬は商品開発のモットーとして「わかりやすさ」があります。
「覚えやすく リズム感があり 1秒でわかる」を基本にしています。
名前を決めるのに、重役会議で議論されるそうです(最終的に社長自らが決定)。
その光景を想像するに、なかなかシュールな感じがします。

【伝え方にも苦心しました】

また、このブラを着用するメリットをビジュアルで伝えるため、どんなシーンで胸を小さく見せたいのか徹底リサーチ。
胸の部分がきつい「ムリめのシャツ」のボタンもしっかり閉じて、スッキリ着られるというビジュアルを売りに、商品販売がはじまりました。

苦労が実り、ネット限定で売りだされた最初の商品は、わずか5日で完売しました。
当初の販売計画数量2000枚を超える注文となりました。

これには各メディアも注目し、こぞって商品をとりあげましたよね。
宣伝費をかけずとも、良い商品は誰かが宣伝してくれるものです。

昨年2月から、全国の百貨店や量販店など、店頭販売も始まりました。
現在も売り上げは順調に伸びているそうです。

このブラを担当した人は、
「下着を通してお客様に何を提供できるのか、生活にどんな変化を与えられるのか」
それを考えることが大切だと言っていました。

※※※

これはもう、アイディア勝ちの商品と言えましょう。
誰にでも一発で分かるコンセプト商品というのは、それを思いついた時点で勝負が見えています。

問題は、組織という大きな母体の中で、それをやり通せるかどうか。
社風とかも影響するでしょうね。

かなりの勝ち組、もしくは強烈な独自路線で支持を受ける企業で無ければ、なかなか実現しにくいものです。

今回のような、実生活にリアルに結びつくニッチ商品は、大企業よりも個人・小規模でネット販売する方が得意とするところです。
フットワーク軽く、アイディア勝負で世の中を渡り歩くのも面白い人生だと思います。

Posted by kanzaki at 2012年03月25日 19:14