2012年05月31日

ネイピア数〜幸せの確率は50%ではなく63%の理由

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【幸せの確率は63%】

人生は、良いこともあれば、悪いこともあります。
おしなべてみれば、確率は5分と5分と思われています。

実は、数学に登場する「ネイピア数」で計算すると、幸せの確率は63%なのです。
つまり6分と4分で、幸せが訪れる確率の方が高いのですね。

サイエンスナビゲター・桜井進さんが説明していました(雑誌「PRESIDENT」より)。

●桜井進WEBサイト sakurAi Science Factory official site
http://www.ssfactory.net/

【ネイピア数とは?】

1から13まで数字が書かれたカード13枚を無作為に並べてみます。
相手にも同じように並べてもらった際、数字の並び方が、全く一致しない確率は約37%になります。

不思議な事に、カードの枚数を100枚、1億枚、1兆枚にしても確率は37%なのです。

反対に言うと、少なくともカードが1枚でも一致する確率は、63%と言うことになります。

全く一致しない37%という確率は、ネイピア数(e=約2.718)で1を割った数です。
ネイピア数は自然対数の底とも呼ばれ、微分積分学にとって最も重要な定数のことです。

この法則は、人間関係に当てはめる事ができます。

●ネイピア数 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%94%E3%82%A2%E6%95%B0

【6割の異性が恋愛の対象になる】

見知らぬ異性と出会った時、その人と交際してもいいかどうか考えてみます。
好みの異性の条件を思い浮かべてください。
顔はどんな感じですか? 性格は? 趣味は?
どんなに条件が多くても、上記の法則に当てはめると、自分の好みと全く一致しない確率は約37%なのです。

つまり、約4割の異性とは交際出来ないけれど、約6割の相手は自分が抱く基準の一つはピッタリ合うことになります。

100人の異性に出会ったら、そのうち63人とは何かしらの共通の価値観があり、「いいね」と思える要素があるのです。

【今の仕事が天職ではない確率は37%】

「理想の上司」を思い浮かべてみてください。

その条件として7つあるとします。

「責任感がある」
「頼り甲斐がある」
「任せてくれる」
「判断が明確」
「明るい」
「評価が公平」
「情に厚い」

そのうち1つでも合えば「幸せ」と感じるAさんの幸運の確率は63%(1−1/e)。

全て合致してはじめて「幸せ」と感じるBさんの幸運の確率は0.01%(1/7! (7!=7*6*5*4*3*2*1))

AさんとBさんの幸せの差は、6300倍にもなります。

同様に計算すると、今の仕事が「自分の天職」でない確率は37%。
反対に考えれば、自分の天職の条件に少なくとも一つが該当している確率は63%もあるのです。

【二兎を追う者は一兎をも得ず】

「え〜、一致するのが一つだけ? それじゃあ、満足出来ないよ」と思うものです。

冒頭でカード13枚の事を書きましたが、13枚中少なくとも2つが一致する確率を計算すると、約26%になります。
1枚の時が63%ですから、随分と落ちるものですね。

ちなみに、13枚のカード全てが完全一致する確率は62億分の1。
もはや天文学的数で、ほぼ可能性はゼロです。

何事も欲張らず、「何か1つだけ一致すればいい」と、ゆとりを持って恋愛や仕事に向かえば、幸せは6割の確率でやってきます。

人生、良いことと悪いことが6分と4分と、前向きな気持ちこそが、幸運への近道なのです。

※※※

【その考えを受け止められるか】

精神論を数学で証明されると、反論の余地がありません。
逆に考えれば、揺るぎない計算上でも、我々は幸せになれる運命にあると安心できますよね。
あとは、自分がその考えを受け止められるかどうかです。

「仕事を辞めたい」「離婚をしたい」と思う出来事があっても、「けれど、○○という良い部分があるよね」と考え、自分や相手を全否定しない心があれば、前へ進んでいけるものです。

幾つも相手に求めていたら、上記の計算によれば、幸せになれる確率はどんどん減っていきます。

お互い、結婚の条件が完全一致する確率は62億分の1。
最近、結婚しない人が増えているのは、相手に多くを求めているからではないでしょうかね。

※※※

【結婚による幸福感は年収47万円増と同じ】

私が好きなテレビ番組で、NHK・Eテレ「オイコノミア」があります(火曜 後11:30〜)。
私の好きな芸人・ピースの又吉直樹さんが司会をしている経済学バラエティです。
最近、「梅ちゃん先生」「テストの花道」「オイコノミア」と、NHKばかり観ているなあ。

その番組で紹介していたもので印象的だったものがあります。
経済学者・ニック・ポータヴィが、「結婚で手に入れた幸せの価値」を計算しました。
結果、年収にして47万円増加。月平均で4万円ぐらいでした。

結婚すると得られる幸福感は、年収47万円が増えた時と同じ。
これを高いと見るか、低いとみるか。
ネイピア数のことを踏まえ、考えてみてください。

Posted by kanzaki at 2012年05月31日 21:05