2012年06月07日

「自省録」〜君の仕事は「善き人間であること」。もっともよい復讐の方法は、自分まで同じような行為をしないことだ

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私も人ですから、負の感情もあります。
相手から受けた嫌な思いを自制できず、負けてしまうこともあります(まあ、昨日の話しですが・・・)。
それによって辛い思いを多方面から受けるのは、なかなかしんどいものです。

幸い、神ナナであれこれ書いているおかげで、過去の偉人達の言葉に触れる機会も多いです。
今回、自分を救ってくれたのは、ローマ皇帝・マルクス・アウレリウス・アントニヌスの書いた本「自省録」の言葉です。


・君の仕事は、「善き人間であること」

・他人が君を非難したり、憎んだり、これに類した感情を口に出したりするときには、彼らの魂へ向かっていき、その中に入り込み、彼らがどんな人間か見よ。そうすれば、彼らが何と思おうと、気にする必要はないことがわかる。

・もっともよい復讐の方法は、自分まで同じような行為をしないことだ。


※※※


●自省録 (岩波文庫): マルクスアウレーリウス(翻訳:神谷 美恵子)
http://amazon.jp/dp/4003361016/

・マルクス・アウレリウス・アントニヌス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%AC%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%8C%E3%82%B9

マルクス・アウレリウス・アントニヌスは、第16代ローマ皇帝。 軍事よりも学問を好んだ皇帝という姿は、彼の著作である「自省録」への評価を通じて今日も維持されている。 これはプラトンの時代から学識者にとって理想とされた「哲人君主」の実現例と見なされているからである。 アウレリウスはマルコマンニ戦争の後半から、自らへの戒めを兼ねて思索を綴って著作「自省録」を完成させた。 本来は他者に公開するために書いた訳ではなかった為、原文には「自分自身へ」と簡潔な表題が書かれていた。 彼は少年期に傾倒したストア派の禁欲主義を生涯にわたって守り続け、これを美徳として価値観の中心に置いていた。


他人よりも大きな力を得ている人間が、自省・自制するというのは、相当な精神力です。
そのような人が書いた言葉は、長い年月が経過しても色褪せません。
冒頭で紹介した言葉が、私を救ってくれました。
今の私にとって、アントニヌスの言葉は「良書」でした。

その「良書」は、誰にとっても良書ではありません。
単に読むだけではなく、今の自分に照らし合わせ、どう活かせるかを考えさせる本が良書だと思うのです。
アントニヌスの言葉は、私の今の精神状態だから響いたのだと思います。

明治大学文学部教授・齋藤孝さん曰く、

「読む人の渇望度によって、その本一冊の価値が決まる。本の価値を決めるのは、食欲と一緒で渇き具合」

「人は同じものを十回読むと変わる。ある程度よい本であれば、十回読んだ人から変わっていく」

齋藤さんもやはり、良書は読み手次第だと考えています。

●齋藤孝のホームページ
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~saito/

Posted by kanzaki at 2012年06月07日 22:55