2012年06月12日

Dr.ナダレンジャーとは何者?〜独特のスタイルで防災教育をされている納口恭明(のうぐちやすあき)さん

【Dr.ナダレンジャーとは何者?】

「Dr.ナダレンジャー」とは、独特のスタイルで防災教育をされている納口恭明(のうぐちやすあき)さんの事です。
納口さんは、理学博士、独立行政法人・防災科学技術研究所 総括主任研究員です。


(Dr.ナダレンジャー自然災害への挑戦:文部科学省 - YouTube)

●無関心層にこそ防災力を 〜Dr.ナダレンジャーこと 納口恭明さん〜
http://www.joyoliving.co.jp/topics/200706/tpc0706034.html

金髪のかつら、3Dメガネ、付け髭に腕章。
この奇抜な格好で、Dr.ナダレンジャーは学校、科学館、ショッピングセンターに現れます。

1997年から全国各地で、自然災害についての科学実験教室を開催しています。
既に、1500回以上開催しているそうです。

【実験教室の内容】

この科学実験教室では、身近な材料を使った小道具で、災害の仕組みを実感として学べます。

「エッキー」は、水・砂・丸ピンを入れたペットボトルで液状化現象を再現します。
「ゆらゆら」は、地震による建物の揺れを紙やクリアファイルの模型で表現します。
1万個のピンポン球で雪崩を再現する時もあります。

下記のサイトにて、動画で実験を紹介していますよ。

●院内課外活動教材ライブラリー | 院内課外活動:実験してみよう | Dr.ナダレンジャーの自然災害科学実験教室
http://www.tokiwa.ac.jp/~kudou/experiment/dr1000.php


(ドクター.ナダレンジャーの自然災害科学実験教室inサンライフ南相馬 - YouTube)


(ナダレンジャーのピンポン雪崩大実験 - YouTube)

これらの実験は、
「参加者が"楽しいから防災を学びたい"と思えるぐらいでないと、防災は身につかない」
との考えから生み出されたものです。

【Dr.ナダレンジャー誕生物語】

納口恭明さんは、「Dr.ナダレンジャー」という名前の通り、雪崩の研究者です。
1981年から16年間、新潟県長岡市の研究所に在籍していました。

雪崩の研究を始めた時、研究職は好きな事でお金がもらえると考えていましたが、災害現場で被害者のお葬式を目にして考えが変わりました。
自分の仕事が、人の生死に直結することを感じ、被害を防ぐ研究に力を注ぎました。

その一方、研究所にて、見学者に雪崩の実験を見せて驚かせたり、喜ばせることに面白さを感じていました。

1997年、茨城県つくば市にある現在の研究所へ移ったの機会に、ナダレンジャーの活動を始めました。
防災に無関心な人にこそ興味を持ってもらいたいからです。

最初の頃は、普通の格好で実験を行っていました。
しかし、関西では全くウケない。
そこで変装してみると、会場全体が参加しやすい雰囲気になり手応えを感じました。
場数をこなし、会場を盛り上げる腕を磨きました。

※※※

東日本大震災以降は、「今日が震災1日前と考え、何を用意したらいいか・学べばいいかを考えて欲しい」と訴えることもあるそうです。

普段の生活の中で、「災害」を意識することはあまりありません。
それ故、実際に災害に出くわした時、何をすればいいのか、的確に答えられる一般市民は殆どいないと思います。
そもそも、災害のメカニズムを知らないのだから、とっさの判断もできず身を守れません。

テレビを観ていると、災害の怖さや被災による悲しさは伝わってくるけれど、防災の知識はあまり与えてはくれません。

Dr.ナダレンジャーの教室は、視覚的に災害のメカニズムを教えてくれるので、子供から大人まで理解しやすいですよね。

「災害」に「面白さ」を組み合わせるのに抵抗がある大人もいるかもしれませんが、面白いからこそ関心を示せるのですから、もっとこの活動が広まればいいなと思いました。

Posted by kanzaki at 2012年06月12日 19:11