(農作業を長年されているおじいちゃんの手を撮影させていただきました。働き者の素敵な手です)
【欧米にはなぜ、寝たきり老人がいないのか】
●欧米にはなぜ、寝たきり老人がいないのか :
今こそ考えよう 高齢者の終末期医療 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=60441
上記の記事は、海外と日本の「死」に対する考えの違いを紹介しています。
欧米に寝たきりのお年寄りがいないのは、寝たきりになる前に亡くなっているからです。
それは、無理な延命措置を施さないという考えが一般的だからです。
※
日本の老人病院には、寝たきりのお年寄りがたくさんいます。
その中には、一言も話せず、「胃ろう」を作られた方も多いです。
「胃ろう」とは、口を介さず、胃に栄養剤を直接入れるため、腹部に空けた穴のことです。
もし自分の親が、たくさんのチューブに繋がれた姿を目の当たりにした時、どうそれを受け止めるのだろう・・・。
1分1秒でも長く生かしたいと思うか。
それとも、もう楽にさせてあげたいと思うか。
※※※
【日本の延命治療】
そんなネットの記事を見た矢先、新聞で同じく「胃ろう」のことが書かれた記事がありました。
衰えた患者の体内へ、器具を使って流動食や水分を送り込む人工栄養。
そのあり方について、日本でも見直す動きが広がっているそうです。
冒頭でも説明しましたように、「胃ろう」は腹部に開けた穴を介して胃に直接、人口栄養を送り込む方法です。
1979年、胃ろうはアメリカではじまりました。
局所麻酔による10分程度の処置で出来てしまいます。
その為、世界的に導入が拡大しました。
日本でも2000年頃から、在宅介護の増加と共に普及しました。
欧米は胃ろうを、回復が見込まれる患者への一時的な処置と考えています。
対して日本は、脳卒中などの病気で意思疎通ができなくなった高齢患者の延命に用いられる事が多いです。
その為、意識がないまま何年も介護を受ける生活が続くこともあります。
胃ろうまでして延命措置を施した事が、本人や家族の幸せなのか疑問視されるケースもあります。
さりとて、人工栄養を中止するのも、なかなか難しい。
それは即、患者の死へ繋がるからです。
中止の理由は、「肺炎や下痢で続けられなくなった」、「家族の要望」、「医師として患者の苦痛を長引かせるから」等があります。
理由はどうあれ、中止することで、マスコミに報道されて騒ぎになることを恐れる医師も多いです。
※
今年3月、日本老年医学会は、人口栄養などの延命処置を高齢者の治療に用いる際のガイドラインを公表しました。
患者本人のためにならない恐れがあると判断された場合、本人や家族らの意志を確認した上、延命治療を実施しなかったり、中止できることを認めています。
例外なく延命に全力を尽くすことを前提にしてきた医療現場の常識から大きく踏み出しました。
※※※
【神崎には、まだ分かりません】
死生観や倫理観になってくると、なにを基準に考えればよいのか、私には分かりません。
哲学者は、「哲学と死」に関して、以下のように考えています。
プラトン「哲学は死のリハーサル」
モンテーニュ「哲学することは、どのように死ぬかを学ぶこと」
また、モンテーニュは「随想録(エセー)」に、このような事を書いています。
あらかじめ死を考えておくことは、自由を考えることである。
死を学んだ者は、奴隷であることを忘れた者である。
死の習得は、われわれをあらゆる隷属と拘束から解放する。
実際にその場に立たされる前に、自分なりに考えておけと言うことでしょうかね。
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ちなみに、この世から癌が一掃されると、平均寿命が2年延びます。
心臓病が一掃されると、3〜4年延びます。
この二つの大きな病を克服しても、わずか6年しか延びません。
医学の進歩が、人の寿命を延ばしてきたことは事実ですし、ありがたいことなのですが、もう限界。
これからは、一人ひとりの死生観が大切になってくるのでしょうね。
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