(福島県/三春の滝桜)
1月11日は「鏡開き」です。
正月にお供えした鏡餅を下げ、無病息災を祈り、汁粉や雑煮などで食べます。
そんなお餅について、食文化史研究家・永山久夫さんが解説していました。
お餅は本来、神様に供える神餞(しんせん/神社や神棚に供える供物)です。
けれど人間にとっても最高のご馳走でした。
娯楽の少ない東北地方では、年に何回も餅をつき、口腹の楽しみにしていました。
餅は、交際や接待、祝い事のある時にも用いられました。
これを「餅振る舞い(もちぶるまい)」と呼びます。
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【餅とアンコの最強伝説】
「餅に百味あり」「餅は百味を生む」といわれるほど、餅文化が発達しました。
「百味」は、いろんな味わいという意味です。
そのままでも美味しいものを更に「百味」にさせるほど、たくさん食べたくなる魅力があったのです。
昔から一番人気は、あんころ餅。
小豆あんをからめたものです。
外側からからめないで、餅で包むと「大福餅」となり、現在も人気があります。
その他、納豆、ゴマだれ、くるみ、ズンダ(枝豆)、きな粉など、様々なものがありますよね。
どれも美味しいです。
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【願いの叶う福餅】
村で家を新築した場合、棟上げの日には、「福餅」が欠かせませんでした。
骨組みの出来上がった屋根に、当主や大工の棟梁が小さな丸い餅をたくさん担いで上がりました。
村中から集まった人達に餅をまいて、めでたさのおすそ分けをしたものです。
棟上げの祝い餅は「福餅」と呼ばれ、食べると願い事が叶うと信じられています。
受験生や結婚願望の若い男女、不老長寿を願う人々が、ニコニコしながら拾いました。
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【大福餅はパワーフード】
街道の峠にある茶屋には、力餅がありました。
山越えをする旅人たちは、その餅を食べて力をつけました。
その力餅は、両手で持つほどの大きな大福餅でした。
中には小豆あんが、ぎっしりと詰まっていました。
この大福餅の小豆あんと餅が、旅人の疲れを癒し、旅を続けるためのエネルギーを足腰に補給したのです。
餅の主成分である炭水化物は、体内でブドウ糖に分解され、筋肉に力をみなぎらせます。
ブドウ糖が筋肉や脳のエネルギーになるには、ビタミンB1が必要です。
小豆あんには、ビタミンB1が大量に含まれています。
また、ブドウ糖とビタミンB1は、筋肉だけではなく、脳のエネルギーとしても重要な「頭脳食」です。
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1週間、大変お疲れ様でした。
今週が仕事始めの方も多かったかと思います。
ようやくエンジンがかかってきたのに、再び3連休。
来週から仕事が本格稼働だと思いますので、あまり無茶しないようにしてくださいね。
そんな週末は、「鏡開き」でした。
今の鏡餅は、プラスチック製のかたどったもの。
その中に、個別包装した切り餅がたくさん入っています。
餅を乗せる台は紙製で、ミカンはプラスチック製。
手軽に取り扱えるものの、全てが形骸化されてしまった感があります。
昔は、事務所内で、あんころ餅をふるまう習慣があったのですが、今は、個別包装された餅を各自が自由に持ち帰るだけです。
私が小学生の頃、年末は自宅でお餅を作っていました。
さすがに、臼と杵は使いませんが、炊飯器ぐらいの大きさの餅製造マシーンを使っていました。
鏡餅も、ちゃんと二段構えの立派なものでした。
小さなお餅は、まるで粘土細工のように遊びながら丸めていました。
自宅で作る餅は、外から買ってきたものとは段違いの味でした。
まだ、祖父や祖母もいて、家が賑やかだった時代。
パソコンもiPhoneも無い時代だったけれど、人が集まるだけで幸せを感じられました。
時代の加速は、なにか大切なものを置き忘れたように感じてなりません。
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