2013年07月25日

「土用の丑の日」〜万葉集によると、8世紀の日本人も、夏の栄養食にウナギが良い事を知っていた

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今年の「土用の丑の日」は7月22日、「二の丑」は8月3日です。
この土用の丑の日について、詩人・城戸朱理(きど しゅり)さんが解説していました。


土用の丑の日に、ウナギを食べるという習慣は、江戸時代後期にはじまりました。
夏になると売れなくなるウナギ屋の相談に、平賀源内が発案したという説があります。
丑の日にちなみ、「う」の字がつくものを食べると、夏負けしないということらしい。


実際、ウナギは栄養が豊富です。
ビタミンA、B群が多く含まれており、夏場の栄養源としてうってつけです。
実は日本人は、はるか昔から、そのことを知っていました。


「万葉集」巻十六に、大伴家持(おおとものやかもち)の一首があります。


「石麻呂(いしまろ)に 吾れもの申す 夏痩(や)せに よしといふものぞ 鰻(むなぎ)とり食(め)せ」


家持が石麻呂という人物に、夏痩せに良いからウナギを食べなさいと勧めた歌です。
8世紀の日本人も、夏の栄養食にウナギが良い事を知っていたのですね。


ちなみに美食家・北大路魯山人に言わせると、ウナギがもっとも美味しいのは、産卵前で身が肥えた冬場だそうです。


※※※


私がウナギを最後に食べたのは、いつの事だったかなあ・・・。
ウナギの値段が高騰しているため、ますます私のような貧乏人には縁のない食べ物です。


新潟県ですと、糸魚川市にあります「電気化学工業 青海工場」が、ウナギの養殖と販売を続けています。
かれこれ40年になります。


●Frontline Report:青海工場紹介
http://www.denka.co.jp/rec/sp/front_02/fr2_01.html


ウナギを育てるには水温30度ぐらいの環境が必要です。
この会社は、工場の火力発電によってできる大量の温水を利用しています。


ここは日本で、もっとも北にある養殖場。
温水をかけ流しながら育てているので、泥臭さが少なく、食べやすいそうです。
ちなみに発電所ではありますが、電気ウナギではありませんので。

Posted by kanzaki at 2013年07月25日 22:02