2013年08月04日

ベルギー発の大人向け美食チェーン店〜Le Pain Quotidien(ル・パン・コティディアン、年商約393億円)、EXki(エクスキ、年商約102億円)

ベルギーと言えば、世界的にグルメのイメージが強い国ですよね。
チョコレート、ベール、ワッフルなど。


けれど、外食チェーンはのイメージは薄く、そちらはアメリカ、フランスの方が強いです。
ベルギー人は、「食」に関して、合理化や標準化をことごとく嫌います。
この国には、バーガーキングやKFC、ミスタードーナツも根付きませんでした。
ブランド志向も弱く、気負いのない美味しさや雰囲気が好まれます。


そんなベルギーにて近頃注目されている外食チェーンが2つあります。
(雑誌「ジャパニーズ インベスターズ」より)



【Le Pain Quotidien(ル・パン・コティディアン)】


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「都会の小さな田舎」を標榜するベーカリー・レストラン。
1990年、ブリュッセルの下町でスタートしました。
今では世界25都市に181店舗を展開しています。
年商約3億ユーロ(約393億円)です。


日本第一号店は2011年1月5日、芝公園にオープンしました。
今年中には、東京に4軒目をオープン予定です。


●Le Pain Quotidien(ル・パン・コティディアン)
http://www.lepainquotidien.jp/


●ル・パン・コティディアン【芝公園】 [パン] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/217568/


●ベルギー発祥のベーカリーレストラン ル・パン・コティディアン 芝公園店 Le Pain Quotidien - 御成門/カフェ [食べログ]
http://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13120999/



【EXki(エクスキ)】


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ようやく国際舞台に踊りだすファストフードショップです。
「究極の美味しさ」を意味するフランス語「Exquis」の音を取り、誰にも覚えやすい名称にしました。
健康・環境に与した美味しさを追求する初めてのファーストフードとして、2001年ブリュッセルに登場しました。


「すばやく食べられて、しかも新鮮で身体に良く、美味しいものが食べたい。その上、環境にも社会にも良ければ気持ちがいい!」というコンセプト。


今では、イタリア、フランスなど周辺国に68店舗あります。
年商約7800万ユーロ(約102億円)。
今秋にはニューヨーク店をオープンし、アメリカへ進出します。


エクスキは「社会派外食」ともいうべき姿勢です。
幅広い人種、民族、年齢層、障害者を含むスタッフが働き、人間的成長を促がす「EXKiアカデミー」でセミナーやコーチングを受ける事ができます。
また、外部機関によるCO2排出査定、ゴミや排水の分析、エコ診断などの結果を公表して、計画削減を行っています。


地球と社会への責任を全うしようと、健康、HR(ヒューマンリソース)、環境、他企業との協力という4つの柱を設定し、様々なプロジェクトを立ち上げ、長期計画で推し進めています。


●EXki(エクスキ)
http://www.exki.be/



ル・パン・コティディアンは現在、ニューヨークに本部を置いています。
けれど、両店ともベルギー人青年実業家仲間が考え、起業して今に至る、生粋のベルギー発外食チェーンです。
また、他の外食チェーンと違い、画一化をしない点にも注目したいです。
ロゴや基調色、ユニフォームは同じでも、内装や調度品は店ごとに微妙に違い、個性があります。


今時らしく有機食材を使用しています。
けれど、「可能な限り」と断っています。
なぜなら、それによって環境への負荷を逆に高めたり、新鮮さを犠牲にしたりというような、本末転倒を良しとしないからです。


発展途上国の生産者に配慮して適正価格を守り、環境を考えて過剰包装をやめ、従業員の多様性といった社会的責任も打ち出しています。


自然の建材や植物、廃材や蚤(のみ)の市で調達した家具などを上手に利用し、古きよき時代の知恵や地元の恵みを大切にしています。


気負わず、心地よく、健康的な美食を提供するのが、ベルギー流の外食チェーンのようです。


※※※


「オーガニック」という言葉が料理店にあると、なんとなく好感を持つものです。
「画一化」という言葉は、外食チェーンにとって当然の言葉ですが、なんとなくマイナスイメージがつきまといます。


一番良いのは、地産地消のように、地元でとれた食材を地元の料理店で調理し、地元の人達が味わうことだと思っています。
他県からの観光客を意識していると、地元のカラーが薄まり、かえって、他県から来る意味が無くなってしまいます。


私は旅行やドライブをしても、あんまり派手な料理を食べません。
どちらかというと、地元の古い食堂へ立ち寄ります。
1食数百円の無理の無い金額。
観光客向けではない、地元の人達に愛され続ける料理店です。


ロウで作ったサンプル料理がガラスケースに入っている、そんなベタな店が好き。
きっと、「格好ばかりの無理した料理」を食べるのは、自分自身が無理しているのを分かっているからなんでしょうね。


「地方の時代」とか叫ぶ政治家がいますが、地方に今も昔もない。
地元の人達が生活していくのに必要な物は、ちゃんと生き残り続けるからです。


これからの時代、愛される料理店のキーワードは、「無理しない」だと思っているのは、私だけでしょうかね。

Posted by kanzaki at 2013年08月04日 22:54