「ルアックコーヒー」をご存知ですか?
希少価値が高く、ホテルで飲むと、1杯5000円もします。
(ザ・リッツカールトン東京では、1杯5500円)
主に、スマトラ島、ジャワ島、バリ島で生産されます。
年間生産量は推計20〜30トンと希少品。
その年間の生産量が少ないのが高価な理由です。
この「ルアックコーヒー」の正体は、ジャコウネコのフンから採られる未消化のコーヒー豆です。
ルアックとは、インドネシア語でジャコウネコを意味します。
ジャコウネコが食べたコーヒーの果実のフンから、消化されずに残ったコーヒーの種子(豆)を取り出し、洗浄、乾燥後に焙煎して作ります。
軽く焙煎すると、コーヒーの苦みが消え、柔らかな独特のフレーバーが醸し出されます。
味は取り立てて美味しいわけではなく、まろやかで、あっさりしています。
※
希少品で愛好家に人気があるため、まがい物が横行しています。
例えば、ルアック・コーヒーに普通の安いコーヒー豆をブレンドするなどして、本物と偽って販売する不正業者が後をたちません。
日本とインドネシアの研究チームは、このコーヒーの「本物」を識別する方法を見つけました。
アメリカ専門誌「農業・食品化学ジャーナル」にて発表しました。
信頼性の高い識別法が考えだされたのは、今回が初めてです。
国立インドネシア・コーヒーカカオ研究所が提供したコーヒー21種類のサンプルを分析。
各サンプルを特殊な方法で気化させ、アミノ酸や糖などの含有率を調べ、ルアック・コーヒーに特徴的な成分を発見したのです。
チームを率いた大阪大大学院工学研究科の福崎英一郎教授は、
「まじめな生産者を守り、本物を消費者に届ける手助けになる」
と話しています。
※※※
コーヒー農園が行う収穫から、発酵させて果肉除去をする一連の作業をジャコウネコが体内で行ってしまうのですから、生命というのは不思議なものです。
どの世界でも、希少品・高級品にはパチもんが出回るものです。
それを防ぐ為、正規業者と悪徳業者は攻防を繰り広げています。
イタチごっこに終止符を打つには、悪徳業者をねじ伏せるだけの説得力が必要です。
装飾品ならば、品質と保証でしょう。
この豆の場合、自ら作れないならば、鑑定方法を編み出すのが一番です。
方法を発見した教授の志(まじめな生産者を守り、本物を消費者に届ける手助けになる)は素晴らしいですね。
それにしても、1杯5000円かあ。
コーヒー好きとしては、1回は飲んでみたいものです。
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