吉田兼好の「徒然草」。
全242段のエッセイ集です。
学校の古典の教科書に、必ず引用されていますので、名前は覚えていると思います。
本田コンサルタント事務所の本田有明さんによりますと、徒然草には「名人の心得」を扱ったくだりが多いそうです。
例えば、もっとも良く知られているのが、第109段の「高名の木登り」。
木登りの名人が、間違いなく木に登って降りる勘どころについて述べるエピソードです。
「目くるめき、枝危きほどは、己が恐れ侍(はんべ)れば、申さず。
あやまちは、安き所に成りて、必ず仕(つかまつ)る事に候ふ」
なにごとも危険な箇所、難解な部分では当人が注意するから失敗は少ないです。
むしろ安全なところ、簡単そうなプロセスにおいて人は油断や慢心からミスを犯しやすいと指摘しています。
※
ひとつのことで頭角を現そうと思うなら、それ以外のことをすべて打ち捨てて取り組まなければならないと説いているのが、第188段です。
「一事を必ず成さんと思はば、他の事の破るるを傷(いた)むべからず、人の嘲りをも恥づべからず。
万事に換へずしては、一の大事成るべからず」
どう生きたところで人の一生は短いからです。
それをいたずらに嘆いている暇さえ人には許されないのです。
「世の長閑(のどか)に思ひて打ち怠りつつ、先ず、目の前の事のみ紛れて、月日を送れば、事々成す事なくして、身は老いぬ。
終(つい)に、物の上手にもならず、思ひしやうに身をも持たず、悔ゆれども取り返さるる齢(よわい)ならねば、走りて坂を下る輪の如くに衰へ行く」
人の一生は、走って坂を下る輪のようなもの。
一生はどれぐらいの長さが良いのかは、有名な第7段に書かれてあります。
「命長ければ恥(はじ)多し。
長くとも、四十(よそぢ)に足らぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ」
その理由は・・・
「そのほどを過ぎぬれば、かたちを恥づる心もなく、ひたすら世を貪る心のみ深く、もののあはれも知らずなりゆくなん、あさましき」
40歳にも満たないほどで世を去るべきだと思いさだめれば、たしかに物狂いの心境で一事に打ち込まなければ「物の上手」になることなど出来そうにありません。
※※※
「勉強しろ」と親に言われても、大抵は心に響かず反発してしまうものです。
だって、勉強していない親に言われてもね。
大人になってから「ああ、やはり勉強しておけば良かった」と後悔する人も多いですが、その99%は、後悔しても勉強をしようと行動にはおこしません。
だって、面倒くさいし、すぐに効果が現れないからです。
多くの人が、「やばい、これは何が何でもやらなければ!」と思うのは、締切日の直前です。
夏休みの最後になって、慌てて宿題をやる時の行動力の事です。
人は期限を突きつけられると、急に意識が変革します。
たとえば、こんなスマホ用のアプリがあります。
●ニートから社長になろう:LifeTimer (ライフタイマー) | Pickles Inc.
http://pickles.tv/works/lifetimer/
●iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 ライフタイマー
https://itunes.apple.com/jp/app/raifutaima/id593104862
●ライフタイマー - Google Play の Android アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=tv.pickles.lifetimer
このアプリで「次の年代までの時間」を知った時、正直焦りましたよ。
例えば40代の人は、50歳までの残り時間が分かります。
残りの時間で何をするべきか、急に具体的に考え出しますよ。
焦りから来るものであろうと、実行した人は強いです。
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