2013年11月17日

人気ドラマ「ドクターX」のようなフリーランスの医師が、ドイツ・ハイデンベルクで大好評です

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人気ドラマ「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」は、特定の病院や医局に属さない、フリーランスの女性外科医の活躍を描いた作品です。


現実の世界でも、フリーランスの医師はいます。
ドイツ・ハイデンベルクでは、深刻な医師不足に対応するため、医師派遣サービスが大好評です。
(ジャパニーズインベスターより)



【ドイツは慢性的な医師不足】


ドイツは日本同様、医師不足が深刻です。


2012年、ドイツの医師の数は、約35万人です。
前年より1.9%増加しています。
10年前と比べても、約16%も増えています。
それでも医師不足は解消されていません。
1日平均500人以上の派遣医師が必要だと試算されています。


医師不足の原因は重層的で複雑です。


・医師の高齢化

・地方の開業医の減少

・若手が、良い労働条件を求めて国外へ流出

・女性医師の増加に伴なう勤務時間の短縮

・医師希望者の減少


他の業界と同じですね。
慢性的な医師不足のせいで、医療現場の環境はさらに厳しくなり、医療ミスや受診拒否など、患者にしわ寄せが及んでいます。



【医師派遣サービス業が好評】


注目を集めているのが、医師不足の医療現場に専門医を派遣する「医師派遣サービス業」です。
ドラマ・ドクターXで言うところの原晶(岸部一徳さん)が経営する「神原名医紹介所」です。


医師不足を解消したい病院側と、病院に拘束されずに生きたいという医師側のニーズに応えた派遣事業です。
現在、国内に200以上存在します。


医師派遣の草分け的は、「ドック・トゥ・レント(DOC TO RENT)」です。


●DOC TO RENT: Home
http://www.doc-to-rent.de/

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経営者は、トーマス・ブラウンさん(39歳)。
かつて大学病院の救急医療チームで麻酔医として勤務していました。
その過酷な体験から、医師に特化した派遣業を2006年に立ち上げました。


派遣希望の医師は、学歴証明書や必要書類を提示して、ドック・トゥ・レントの公式サイトで手続きを行います。
登録は無料です。
医師を必要としている病院や開業医から同社へ依頼があると、勤務時間や勤務先に適した人材を斡旋します。


医師の報酬額は、勤務時間や診療内容などにより異なります。
手取りで1時間80ユーロ(約1万円)以上から。
勤務先が遠方なら、宿泊代や交通費も依頼主が負担します。
ドック・トゥ・レントの手数料は、依頼主から派遣医師への報酬の1割から2割程度です。
残念ながら、岸部一徳さんがメロンを持って請求には伺いません。


なお、派遣医師で人気があるのは、内科医、外科医、産婦人科医とのこと。


このサービスに登録する医師は、定職についていないフリーの医師達です。
半日勤務を希望する人、好きなときに好きな場所で働きたい人、退職医師が緊急時に手伝うなど、様々なケースがあります。


医師全体の6割を占める女性医師。
出産・育児休暇後、職場復帰したくとも保育所不足が妨げとなっていましたが、このシステムなら復帰しやすいと好評です。
ドクターXの内田有紀さん演じるシングルマザーのフリーランス麻酔科医ですね。


DOC TO RENTに相当するものは日本にもあります。
ひょっとしたら、ドクターXがいるかもしれませんよ。
(人の体と心の支えになっているお医者様は、みんなドクターXだと思います)


●医師による医師のためのアルバイト・転職紹介システム|MRT
http://medrt.com/

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●医師の求人、転職・アルバイト情報なら - 民間医局
http://www.doctor-agent.com/

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医療現場の環境向上、医療の質向上のため、こういった働き方も増えていくと思われます。


※※※


日本のフリーランス医師は、時給平均1万〜1.2万円と言われています。
オペや当直、環境によって、もっと増えます。
求人は全国では年間約9万件。
東京都内だけで年間約1万件もあります。


どこの業界も、劣悪な環境で働くのは同じ。
けれど医療の場合、失敗すると人命に関わる点でシビアです。


人命を救うという使命もありますが、自分自身が幸せになる権利だってあるのです。
フリーランスという形の方が、働きやすい人もいることでしょう。


私は残念ながら、フリーで働けるほどの才能も度胸もありません。
けれど、本職とは別の形で、社会貢献ができたらいいなと思います。
まあ、とりあえず、道に落ちているゴミ拾いからだな。


【追記:オススメのブログ】

下記は、麻酔科医の方が書かれているブログです。
ドクターXに出てきたエピソードを専門家の見地から、わかりやすく解説しています。
読み応えがあり、書籍化してもいいぐらいのクオリティです。


●ドラマDoctor-Xに学ぶ医療現場の真実
http://ameblo.jp/doctor-xxxx/

Posted by kanzaki at 2013年11月17日 21:35