2014年02月02日

英国のLCC(格安航空会社)は、顧客本位のサービス体制へ転換中です

安い運賃で飛行機に乗ることが出来る「LCC(ローコストキャリア)」。
一般の認識としては、「安かろう悪かろう」ではないでしょうか。
今回は、欧州のLCCが、顧客本位のサービスに転換をはじめたお話しです。
(投資雑誌・ジャパニーズインベスターより)



欧州のLCC市場は、「成長期」から「安定期」に入ってきたと言われています。
それにより、新たな転換期を迎えています。


欧州LCCのトップは、ライアンエアー(Ryanair)です。


●ライアンエアー公式サイト:Cheap Flights - Book cheap flights to Europe with Ryanair
http://www.ryanair.com/

●ライアンエアー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%BC

ライアンエアー(Ryanair、NASDAQ:RYAAY)は、アイルランド国籍の格安航空会社。国際旅客数としては世界最大の航空会社である。 ライアンエアーは料金が驚くほど安く、格安という面では人気が高い。日本でも、ロンドン-パリ間の料金がたったの0.99ユーロからという非常に安い料金であるということで一時話題を呼んだ(なおこの料金は便数、座席提供数が限定されていた)。 ちなみに、この運賃で衝撃を呼んだライアンエアーは、多くの路線に事前購入割引で0.01ユーロの運賃を設定していた。


年間8000万人を超える乗客輸送の実績を誇ります。
激安運賃を掲げる一方、さまざまなアイディアを尽くし、いろんな名目で手数料の徴収や物品の販売を進めてきました。


スタッフの知識、態度、問題対処能力が、他社に比べて突出して悪かったという理由で、英消費者協会は「英国で最悪の有力ブランド」と評価しました。


顧客サービスよりも、低価格路線の維持を重要課題としてきた同社。
ここにきて、顧客本位のサービス体制へ転換したのです。



転換でもっとも大きな変化は、手数料の引き下げです。


(1)オンラインチェックを忘れた乗客に70ユーロ(約9000円)の徴収。
(2)チェックカウンター搭乗当日に支払う受託手荷物に60ユーロも徴収。


今まで、上記のような手数料が発生していました。
最低運賃が14.99〜19.99ユーロ(約2000円〜2500円)なのですから、これらの手数料の水準は異常でした。


ついに手数料の引き下げを行いました。
(1)は15ユーロ(約2000円)、(2)は30ユーロになりました。


さらに、ネット予約を通じた入力ミスの変更を24時間以内の通知ならば無料を認めることにしました。
今までは、名前、区間、搭乗日など入れ間違うと、チケットの買い直しを求められたのです。
しかし、「だれでも間違いは犯す」との考えから、ケアレスミスへの配慮に構えを見せていることが評価できます。



このような態度の変化は、ライバル会社・英イージージェット(easyJet)の取り組みの影響からです。


●イージージェット公式サイト:Cheap flights – Book cheap flights to Europe - easyJet.com
http://www.easyjet.com/

●イージージェット - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88


イージージェット(easyJet)は、イギリスのLutonに本社を置く航空会社。
1995年10月18日、キプロス島出身でイージーグループの創設者の実業家ステリオス・ハジ=イオアヌStelios Haji-Ioannouが設立、同年11月10日より運航を開始した。予約はインターネットと電話のみ、機内食や飲料は有料にするなどサービスの徹底効率化を図り、既存の航空会社に比べ、破格の格安運賃で知られる格安航空会社である。


同社は、自由席制度をやめました。
座席番号付きの搭乗券発行に切り替えました。
それにより顧客の評価を上げました。


また、日程変更ができる高めのチケットを発売したところ、ビジネスマンの利用が増えました。


このような取り組みにより、市場の評価が生まれたのです。


※※※


私のように、仕事以外に飛行機へ乗ることが無い人には無縁な内容かもしれません。
けれど、これを「携帯電話」に置き換えると、何となく理解できます。


昔、日本の携帯電話市場は、NTTドコモのほぼ独占でした。
後に、auやsoftbannkなどが入り、電話料金に価格競争が起きました。
後発会社は、低価格で推し進めてきました。
更に、ドコモには無い「iPhone」という強力なアイテムを手にすることで、顧客の目を向けることに成功しました。


今は昔ほど、料金プランにあまり大きな違いはありません。
特に、スマートフォンの普及後は停滞しています。
LTE通信になってから、強制的に値上げしたし・・・。


また、iPhoneをドコモも取り扱うようになり、ますます差が無くなってきましたね。


データ通信に関しては、月額1000円程度のsimカードを入手し、simロックフリーのスマートフォンやタブレット、モバイルワイファイルーター等に利用している人もいます。
しかし、これは一部のコアなユーザーです。


値段も端末も違いが無ければ、何で差をつけるのか?
顧客本位のサービス体制でしょうか。
しかし、日本はもともと、サービスがいいですからね。


最近、どの業界でも、「多くのお金を支払ってくれるお客様」を相手にするプレミアムなものが増えてきているように思います。
でも、それも本流になるのか分かりません。


顧客である我々は、ネットなどを通じて、多くの情報を仕入れられますし、どの会社のどの商品・サービスを選ぶかを吟味したいものです。

Posted by kanzaki at 2014年02月02日 20:43