2014年01月31日

オランダ・アムステルダムでは「リペア・カフェ(Repair Café、修理のコミュニティ型イベント)」が大盛況です。日本で最初に行うのは誰でしょう?

repaircafe01.JPG
(リペア・カフェの様子)


オランダ・アムステルダムにて、「リペア・カフェ」が登場しました。
リペア・カフェは、リペア(修理)を行ってくれるだけではなく、コーヒーや軽食なども楽しめます。
(投資雑誌・ジャパニーズインベスターより)


このカフェでは、家具や電化製品、靴に服など、壊れたり使えなくなってしまったものを持ち込むと、見事に修理してもらえると市民から好評です。


これはコミュニティ型のイベントでして、市民会館、集会施設、共同作業スペースなどで開かれます。
カフェには、たくさんの道具や、修理に必要な材料がそろっています。
プロアマを問わず、修理に長けた人が常時待機しています。
壊れたものを自分で修理できず、どこへ依頼をすればよいか迷ったら、このカフェを訪れると良いのです。


このカフェの最大のポイントは、修理代は無料だということ。
コーヒーも殆どが無料です。


「人は人の間で生き、助け合ってこそ真の人間になれるのだ」


この強いポリシーのもと、ここで働く人達は無償奉仕で修理にあたっているのです。
互助を当然のこととし、ボランティアに専念しています。


ボランティアをしているのは、不況で失業した人、定年を迎えた人などです。
自分の持つ能力で喜んでもらい、人との交流を育んでいます。
若い人の中には、このカフェでシニアから技を学び、就職に活用する人もいます。


この不況時代は、それまでに忘れ去られた「モノを大切にする」という心を取り戻す機会になったのかもしれません。


※※※


オランダは昨年3月時点で、失業者が64万3000人と、労働人口の8.1%にもなっています(2年で倍増)。
ABN-Amro銀行は今年、70万人・9%になると予想しています。
ユーロ圏でもっとも大きな債務を背負っている国です。
市民の生活も苦しい状況です。


リペア・カフェは、オランダ・アムステルダムにて、2010年に始まったイベントです。
主催は、元ジャーナリストのマルティーン・ポストマです。
簡単にモノを捨てるヨーロッパ文化に嫌気をさし、上記のようなコミュニティイベントを始めたのです。
それがオランダ中に広がりました。


下記のように「リペア・カフェ協会」により、オランダ、ヨーロッパ各地、更にはアメリカなど他の国でも開催されています。


●Repair Café リペア・カフェ協会
http://repaircafe.org/


単に、壊れたモノを修理してくれる人に預けて、後日受け取りに来るのではありません。
修理する人と依頼者が隣り合って、交流するところに意味があります。


その体験の中で、壊れたからと簡単に捨ててしまわず、修理してみようという意識が芽生えたならば、このイベントは本当の意味で成功なのです。


どうやらまだ、日本ではこのイベントは開催されていないようです。
近い将来、必ず誰かがやるでしょう。
相当、メディアに注目されるでしょうね。



私は基本的に、「捨て魔」です。
多くのモノを所有するのが好きじゃないので、たまってきたらドカンと捨てます。
買うのも控えているので、ここ数年は捨てるもものが少なく寂しい状態です。


捨てるだけじゃなく、修理やメンテナンスもやります。
例えば自転車は、業者に頼むと高額になるので、Amazonや楽天で部品や工具を安く仕入れ、自分で直します。
こうすることで、知識や技量も増えますしね。


カメラはさすがに自分で修理できません。
その代わり、撮影に使ったら、必ず帰宅後に清掃をします。
どんなに疲れていても行います。
道具への感謝と、小さなトラブルを見抜くためです。


そういや昨日、靴底の補修剤をAmazonで買いました。

●HC-003 シューズドクターN ブラック BP 50ml[HTRC3]
http://amazon.jp/dp/B00371H43K/

kutusyuuri.jpg

評価も高いので、試しに買ってみました。
ビジネスシューズはプロに頼んでいますが、プライベート用の安物はこれで直してみようかなと。
後日、使用感を書きたいと思います。

※※※


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Posted by kanzaki at 2014年01月31日 22:48