2014年03月07日

ロンドンはラーメンブーム。日本食が独自に進化しています

【ロンドンのラーメン屋】


ロンドン在住ランドスケープアーキテクト(景観設計家)・関晴子さんが、英国の日本食事情について語っていました。
(東京都出身ですが新潟高校出身、英国新潟県人会メンバー)


2012年、ロンドンの繁華街であるSOHO地区に、ラーメン店がオープンしました。
地元の食材を使いつつも、日本人による「日本の味」にとことん拘ったお店です。


●麺屋 一点張 Ittenbari Japanese Fine Ramen and Sushi Bar - London, United Kingdom - ラーメン専門店、すし専門店 | Facebook
https://ja-jp.facebook.com/ittenbari


●ロンドンにラーメンブームが到来中なので日本から出店している「麺屋一点張」へ食べに行ってみた - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20120420-london-ramen-ittenbari-ryuukishin/
(写真多数あり)


「麺屋一点張」は、大阪堺の塩ラーメン専門店「龍旗信」とのコラボし、ロンドン初の「本格的ラーメン店」です。
日本の繊細な味を追求した結果、2年でロンドンのラーメン店は500店舗を超えました。


●塩ラーメン専門店龍旗信 堺ラーメンを世界へ…
http://www.ryukishin.com/



【英国の日本食店は、外国人が経営】


英国の日本食文化は、「ビッグ・フォー」と呼ばれるファストフードチェーン4店が牛耳っています。


ビッグフォーとは、
「Wagamama(ワガママ)」
「Wasabi(ワサビ)」
「Yo!Sushi(ヨウ!スシ)」
「Itsu(イツ)」
です。


●日本人の知らないイギリスで大ヒットしている日本食レストラン - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2136850857829989901
(画像がたくさんあり、分かりやすいです)


全て、経営者は外人で、ロンドンで創業されたものです。
出される料理は、日本人から見たら、とても日本食とは呼べない味です。


なぜか英国では、「本物の日本」が評価されず、外国人によってつくりだされた「偽物の日本」の方が、もてはやされています。


外国人の日本食イメージは、例えば「エキゾチック」「ヘルシー」「カジュアル」「ファスト」などです。
このイメージを外国人にも分かりやすく具現化して成功したのが、ビッグ・フォーのお店です。
この偽物の日本食が、日本の文化だと思われたまま、英国のみならず、世界中に輸出されています。


日本政府が主導する「クール・ジャパン」政策というものがあります。


●クールジャパン/クリエイティブ産業(METI/経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/


これって、日本の正しい文化を発信するのが目的ではありません。
この日本文化輸出の考えは、海外の反応にあわせて商品(文化)を売っていこうという傾向が強いのです。
この政策で、日本文化の認知度が高まっても、それは本当の日本文化ではありません。
その国の言語・法令・習慣などに合わせてローカライズされた日本文化を政府がやっているのです。


その点、冒頭の「麺屋一点張」は、地元の食材を使いつつも、私たちが食べているものと変わらないものを提供する姿勢は素晴らしいですね。


※※※


そもそもラーメンって、中華料理ですよね?
我々が食べているのは、日本風に仕立て、独自に発達したものです。
カレーライスもそうですよね。
国民食といわれるけれど、完全日本オリジナル食ではありません。
ロンドンで独自進化した和食が評価されているなら、それはそれで良いのではないでしょうかね。


「和食」が無形文化遺産に正式に登録されることになりましたよね。
われわれが思う「和食」にイメージはどんなものでしょうか?


とあるアンケートによりますと、
「季節の食材」
「盛り付けの美しさ」
「季節感の表現」
「日本産の食材」
「器や皿」
などだそうです。


四季がはっきりしているからこそなのでしょう。


私自身は、別に美食家ではありません。
外食にも、あまり興味ない。
自分が好きな味は、結局、「家庭の味」なんですよね。
ぐるっと回って、元へ戻ってくる。
進化も変化もいらない。いらない。

Posted by kanzaki at 2014年03月07日 22:12