「現代型うつ」について、精神科医が新聞で語っていました。
30年前に比べ、年間の労働時間は約350時間も少なくなっています。
昔なら当たり前だった職場のパワハラ。
これに対する然るべき対策・ペナルティが講じられるようになりました。
若者に対する労働環境は、一昔前より恵まれています。
けれど、「現代型うつ」になる若者が多いのです。
精神的エネルギーが低下して、仕事に足が向かないのです。
労働時間が多少長くても、組織への信頼感や、やりがいと仕事に見合った金銭的な報酬が得られるならば、さほど苦にはなりません。
「残業を何時間した」といった客観的なストレス要因より、その事象をどのように捉えるかという主観の方が、心理的な影響を及ぼしやすいのです。
昔は、仕事に追われて忙しくても、真面目に働けば、金銭的な報酬がそれなりに保証されていました。
今は、労働時間が減っても、勤めている企業がいつまで存続するかも分からず、ベースアップを一度も経験したことのない若者も多いです。
事象の捉え方をめぐって大きな違いがあるのです。
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「事実」は誰の目の前にも起きます。
同じ事実でも、それを受け止める人によって、感情や反応は違います。
普段から、「すぐ怒る人」がいますよね。
そういう人は、本当は「事実が怖い」のだと思います。
理想と現実のギャップを受け入れられないのです。
「現代型うつ」になる若者ですが、彼らは四六時中、うつになっているわけではありません。
自分の好きな事をしている時、仕事から離れた時は、いたって健康そのもの。
特定の時だけ発症するので、誤解が生じやすいです。
うつに至るまでの過程はさまざま。
同じ環境でも、発症する人としない人がいます。
その一番の大きな違いは、現実の受け止め方ではないでしょうか。
あまりにも大きな目標を掲げている人は、現実とのギャップで押しつぶされやすいです。
それと、変な言い方ですが、「幸福なことが幸福の条件」と思っている人も、押しつぶされやすいです。
押しつぶされなくても、普段から常にイライラ、ピリピリしています。
変なプライドもあって、人を選んでいます。
・成功しないと幸福になれない。
・人から一目置かれ、ちやほやされないと幸福になれない。
・収入がたくさんないと幸福になれない。
特に若い時は、そういう傾向が大きいですよね。
だから、幸福では無い事実に不満を持ちます。
「現代型うつ」になる若者は、精神的エネルギーが低下しているそうですが、そういう状態なので、現状に対する反骨精神で精進するというのもありません。
社会状況が原因のひとつであることは、もちろん分かります。
けれど、それにいくら不満を言っても、なにも変わりません。
社会を自分の都合の良いように変えるのは難しいです。
それより、自分が変わるほうが、よっぽど現実的です。
自分が変わることで、周りの見る目が変わっていくものです。
例えるなら、運動が苦手で避けていたなら、逆に自分から飛び込んで運動をしてみるのです。
プロのスポーツ選手になるわけじゃないから、自分の運動能力とちょうど折り合いのつくところで楽しめるものです。
遠ざけるより、よっぽど建設的です。
「うつになりかけているなあ」と感じたら、まずは受け入れる事からはじめてみませんか?
もし、それが抽象すぎると言うならば、「とりあえず今日一日、怒らないでいよう」と決意してみてください。
「怒らない」というのは、受け入れる大きな一歩ですから。
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