最近、美輪明宏さんの声を毎日聞いている方も多いことでしょう。
NHK連続テレビ小説「花子とアン」の語りを担当されています。
また、美輪さんの名言に、支えられた方も多いことでしょう。
不遇の時代を生き抜いたからこそ出てきた言葉ばかりだからです。
例えば、このようなものがあります。
(雑誌PRESIDENTより)
火の粉がふりかかっているときは、悩んでなんていられない。
悩みがあるのは余裕がある証拠。
とにかく行動あるのみ。
この方法がダメならこっちとか、生きる方法を考えること。
そうしていくうちに、自然と手札が増えていく。
結局、人生はすべて経験、慣れなのです。
自信がなくなったら、鏡を見なさい。
ずうずうしく生き続けている自分の姿が見えるでしょう。
今まで生きてこられたのだから、この先も十分生きられる。
尊敬される人とは、感情を理性でコントロールできる人。
知識や教養のない人は、感情的になって、なんの手立てもできない。
個人の考えはたかが知れている。
いろんな人たちが残した事物事象を参考にすればいい。
ネタがないとガソリン切れになりますよ。
※
【美輪明宏さんの人生】
美輪明宏さんが10歳の時、終戦となりました。
その後、国立音大付属高校へ入学するため、長崎から上京しました。
戦後のドタバタで親は破産。
仕送りが止まりました。
一時期、夜の駅で雨風をしのぐ事もありました。
とにかく働き口を探し、食い扶持を稼がないといけません。
新宿駅などで手配師から声がかかりました。
楽器を弾ける人、歌を歌える人は、トラックに乗せられ、立川や座間などの米軍キャンプに連れていかれました。
バイト代の他、コンビーフ缶をもらえることもありました。
将来のことなど、誰も考えられません。
ひたすら今を生きる。
無意識に出てくる口癖は「負けるものか」でした。
戦争には負けたけれど、私は負け犬にならないという思いからです。
三輪さんは、戦前・戦中・戦後の苦難を肌で知っています。
現代の人はすぐ弱音を吐いたり、心が折れたりしやすいと感じるそうです。
人は生きていく上で、「現実」に翻弄されます。
仕事で悩むこともいっぱいあります。
怒られたり、足を引っ張られたり、理不尽な注文、営業成績が上がらず四面楚歌。
三輪さんに言わせれば、平和ボケの時代の贅沢な悩みだそうです。
災難を災難と受け止める意識があるうちは生ぬるいのです。
火の粉はふりはらわなければ火傷します。
だから必死にふりはらう。
自分が置かれた立場を悲観している暇はありません。
三輪さんが、自信を喪失した人に伝えるのは、「自分の手や足を鏡に映して、よく見てみなさい」ということ。
ずうずうしく、でんっと生き続けてきた自分の姿がそこにはある。
ものはついでです。
今まで生きてこられたのだから、この先もきっとやっていけるはずです。
※※※
三輪さんの言葉で好きなものに、こういう言葉があります。
「パワーをもらう人」ではなくて、「パワーを与える人」になりなさい。
相手にパワーを与えるには、相当な知識、能力、実績、努力、毅然とした態度が必要だと思います。
簡単に「心が折れた」なんて弱音を吐いている場合ではありません。
漠然とした悩みは解決しません。
分析して細分化し、それぞれ課題をもうける。
それを一つ一つ粛々と解決していく。
一つ二つと解決していくうちに自信も出てくるし、周りからも一目置かれる。
途中、泣きそうになったり、胃が痛くなったり、愚痴をこぼすこともあります。
人ですから。
けれど、「全体としては」前へ進んでいく。
私が日々やっているのは、こんな感じです。
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