2014年08月27日

2018年問題とは?〜代ゼミの規模縮小は序の口。少子化が進み、各大学は生き残りをかけ、学生集めが大変になります

【2018年問題とは?】


代々木ゼミナールが、全国の校舎の7割に相当する20校舎を閉鎖することを発表しました。
これには驚きました。
講師を中心に数百人規模の希望退職を募り、恒例の全国模試も中止するそうです。
新潟の駅前にある校舎は残るそうなので、ちょっとホッとしています。


●代々木ゼミナール22校舎閉鎖へ NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140823/t10014027711000.html


予備校へ通う生徒の最終目標は、良い大学へ入学することです。
そのゴールである大学は、「2018年問題」に危機感を強めています。


「2018年問題」とは、2018年から18歳人口の減少が加速し、大学入学者の減少に直面する問題のことです。
各大学は生き残りをかけ、優秀な学生を集める取り組みをはじめています。



【大学改革実行プラン】


ここ数年、18歳の人口は120万人前後で横ばいでした。
ところが、2018年から少子化が加速します。
2031年には約99万人へ減る予想です。


これまでだって、少子化といわれてきました。
それでも学生の人数を確保できたのは、大学進学率が上がったからです。
1990年前半が、進学率3割だったのが、今や5割です。
しかし、これ以上の大幅な進学率向上は望めないようです。


既に、4年制の私立大学は、定員割れが深刻です。
今年の春、入学者が定員割れした大学は265校。
実に、2校に1校(45.8%)の私立大学は、定員割れなのです。
これが減収につながり、経営が苦しくなっています。


2012年6月、文部省は「大学改革実行プラン」を発表しました。


●「大学改革実行プラン」について:文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/06/1321798.htm


各大学へ、教育の質の向上、経営強化、研究体制の充実など、改革を促すものです。
さて各大学は、どのような取り組みをしているかを見てみましょう。



【大学の3つの取り組み】


各大学の取り組みは、大きく分けて3つあげられます。


(1)学部の新設
(2)4学期制
(3)就職支援


(1)学部の新設:

学生を集めるには、その学校ならではの特色を出すのが良いです。
最近では社会情勢から、看護・福祉系や国際関係の学部を新設する動きが見られます。


(2)4学期制:

今までの2学期制から4学期制へ移行する大学が増えています。
2学期制の春学期(約4ヶ月)・秋学期(約4ヶ月)だったものを、一つの学期を約2ヶ月単位にする制度です。

学期を短く区切ってその都度成績を評価し、学生の授業への集中度を高めます。
短期留学をしやすくし、学期制が異なる海外の留学生や教員の受け入れもしやすくする狙いがあります。

また、インターンシップ(長期の就業体験)、ボランティア活動などにも取り組めます。
先行導入として、早稲田大学が行っており、生徒にも好評です。

(3)就職支援:

就職や資格取得に手厚い支援をアピールします。
例えば、北関東にある単科大学(1つの学部しか無い大学)では、キャリアアップや資格取得を支援する「PDCプログラム」を設けています。
PDCとは「プロフェッショナル・キャリア・ディベロップメント」の略。

PDCプログラムでは、公務員への就職や公認会計士、税理士、日商簿記1級の資格取得に向けた講座を割安な受講料で受けられます。
学校外の予備校へ通わずに済む「学内ダブルスクール」という位置づけです。


※※※


私が在学中の時より今の方が、選り好みさえしなければ、割りかし容易に入学できるのかもしれません。
しかし、就職活動に要するエネルギーは、私の頃よりはるかに何倍も費やさなければいけないようです。


多くの大学生は社会人になると、大学で学んだ事なんて殆んど役に立ちません。
もし、役に立っている方がいるならば、それは人生の選択ルートを的確に選んだ幸運な方だと思います。


大学を卒業した恩恵を受けられるのは新卒だけ。
就職した会社を辞め、転職先を探す際には、学歴はあまり有用ではありません。


大学を卒業した事で認められる部分は少ないと思います。
そう考えると、大学ってなんだったんだろう。
わざわざ、高額な奨学金を借りてまで通ったのにね(返済がきつかった・・・あれは借りないほうがいいよ。単なる学生ローンだから)。


大学を卒業し、幸運にも企業に入れたのなら、そこで花を咲かせるよう我慢するのは大事です。
けれど会社以外にも、「視野」は広げて欲しいです。
世の中、いろんな人や出来事に満ちあふれていて、手をのばせば、いろんな事にチャレンジできるのですから。

Posted by kanzaki at 2014年08月27日 23:06