(1年前の「新潟シティマラソン」スタート直前の様子。今年は10月12日開催)
カナダ人のブレット・ラーナーさんは、ランニングクラブ「ハリアーズ」(東京)のコーチを務めています。
また、自身のサイトで、日本の陸上ニュースを世界へ配信しています。
●japan running news
http://japanrunningnews.blogspot.jp/
ブレットさんが、日本のマラソンランナーについて思う事を日経の紙面上で語っていました。
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【日本の市民ランナーはタイムにこだわる人が多い】
・日本に来て驚いたのは、シーズン中にマラソンや駅伝が毎週のようにテレビで生中継されている事。
走らない人も、テレビにかじりついている。
アメリカだと、例えば、2012年ロンドン五輪の代表選考会も、ハイライト番組しか無かった。
・日本のマラソンのテレビ中継は世界一。
様々な選手を紹介し、ドラマをいろいろ見せてくれる。
アメリカだと、中継をしても数人のトップ集団しか映さないので、後方の模様が分からない。
・日本のマラソン大会は、きちんと運営され雰囲気もいい。
しかし、欧米のように、当日エントリーできる大会が殆ど無い。
・日本の市民ランナーは非常にシリアスで、タイムにこだわる人が多い。
・日本では、最初から最後まで走り続けることにこだわる。
アメリカでは、「ギャロウェイ・システム」という走り方が人気。
これは、10分走り、1分歩き、また10分走るを繰り返してマラソンのゴールを目指すもの。
練習を十分に積んでいないなら、走り続けるより、この方法のほうが良いタイムが出ると実証されている・・・しかし、日本では受け入れられない。
・アメリカでは、エリートランナーのタイムになんて興味が無い。
ライアン・ホールが2時間4分台で走っても「それは彼に才能があるだけ。俺のほうが努力している」と本気で話す。
他人をリスペクトせず、みんな自分が凄いと思っている。
・2007年に「japan running news」をスタートさせた。
日本のマラソン、駅伝の文化を伝えたかった。
海外で箱根駅伝が知られていないのは勿体無いと感じた。
最初は、新聞記事の翻訳だけだったが、今は8割が独自記事。
・日本人は「世界との差」という言葉をよく使うが、私は好きではない。
そういう捉え方をするのが一番の問題。
世界というのは本来、日本も含まれている。
それなのに、日本人は勝手に世界との間に壁を作る。
アメリカ人は「世界と戦う」とは考えない。
「あの選手とその選手と戦う」と考える。
・日本の選手は、海外へ行っても外国人選手と交わらない。
海外へ行っても、日本にいるようなもの。
国内で出した記録を海外で出せないのは、そうしたことも関係していると思う。
その点、川内優輝選手、藤原新選手は違う。
海外でも自分からコミュニケーションをとるから名前が知られ、人気がある。
※
【マラソンはゲームである】
ランニングクラブ「クラブ・マイ・スター」(東京)を主宰する岩本能史(のぶみ)さん。
アメリカの超ウルトラマラソン217kmに、5年続けて挑戦しています。
彼は、こう語っています。
「マラソンはゲームである」
マラソンを人生と重ねて語られる事が多いです。
しかし、岩本さんの考えは違います。
・マラソンを人生にたとえる人がいるけれど、人生のほうがもっとつらいものですよ。
マラソンは失敗しても、やり直しが利くんですから。
・超ウルトラマラソンも、しょせんはバーチャルなゲームのようなものです。
「ごっこ」なんだなあ。
※※※
これらの記事を読んで思うのは、日本人の真面目さです。
それ故、視界が狭くて「遊び」「余裕」がありません。
殆どの人にとっては「趣味」「健康増進」のはず。
それが、あたかもプロと同じような立場で走ろうとします。
私は家庭の事情で、今年は大会へ出ていません。
そのおかげで、考えが変わりました。
ジョギングもサイクリングも、自分にとって「記録」は二の次だということ。
もちろん、記録を更新する人を尊敬しますし、賞賛します。
努力あっての行為だからです。
しかし、私が進む道は違うようです。
マラソン大会の2週間前から、「完走できるだろうか。タイムは更新できるだろうか」と、ストレスで胃が痛くなったり、憂鬱になるのは、やはり嫌です。
今は、気ままに進みたいです。
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