(ヤマト運輸の「満足創造研修」で上映される「感動体験ムービー」の一コマ)
「クロネコヤマトの宅急便」でおなじみのヤマト運輸。
●ヤマト運輸の社訓:・ヤマトは我なり
・運送行為は委託者の意志の延長と知るべし
・思想を堅実に礼節を重んずべし
ヤマト運輸のドライバーは、毎朝これを復唱しています。
どれほど社訓が浸透していたとしても、仕事は地道な作業の連続です。
毎日感謝されることばかりではありません。
そんな中、「ヤマトは我なり」と、使命感を持って仕事を続けるのは大変です。
そこでヤマト運輸は毎年、全社員15万人を対象に「満足創造研修」を行っています。
社訓で表されているような理念を再認識し、仕事の意義、意味を見直すことを目的にしています。
この研修で取り入れられているのが、「感動体験ムービー」です。
※
【感動体験ムービーとは?】
「感動体験ムービー」は、写真と短い言葉で構成されたスライドショーのようなものです。
日々の仕事の現場で遭遇し、感動した体験が淡々と語られます。
お届け時間ギリギリになってしまい、走って荷物を運んでいた。
それを見ていた小さな女の子が、タンポポを一輪差し出してくれた。
母の日に花を届けると、「息子からの初めてのプレゼントなの」と喜ばれた。
肉親が病気で倒れた。
そのとき、仲間のセールスドライバーが、「代わりますよ」と快く仕事を代わってくれた。
お客さまとの関わり。
先輩や仲間との絆。
様々な種類のストーリーが詰まっています。
共感する内容に涙してしまう人もいます。
研修では、このムービーを観た後、参加者全員が自らの感動体験を語り合います。
その中で、仕事の意味や目的を考えます。
仕事の中で、感動体験なんて、そうそうないんじゃないのかと思いますよね。
しかし、このムービーを観た後、「似たような体験をしたことがある」と、みんなが積極的に発言をするそうです。
※
【感動体験ムービーは海外スタッフにも好評】
2009年、この研修がスタートしました。
当時、社員の世代交代により、社員の中でヤマトの理念が薄れてきているのではという問題がありました。
そこで、仕事の中で感動した体験を語ってもらい、それらを集め、編集して映像にするワークショップ型研修を行いました。
これが好評だったため、毎年行われるようになりました。
今では、「満足創造研修」は、中国やマレーシアなどの拠点でも行われています。
文化が異なる現地スタッフに、「ヤマトは我なり」という人材育成を行うのに効果的でした。
日本へ行ったこともない人にも感動が伝わり、涙したそうです。
感動体験ムービーは実話で構成されています。
話しの選定には、会社として伝えたいメッセージが込められています。
そのため、ムービーを観る人達は、無意識に会社からのメッセージを受け取ることにもなります。
上映後、共感した部分を踏まえ、自分の価値観と組織の価値観を自然とすり合わせることができます。
(雑誌PRESIDENTより)
※※※
いかがでしたか?
「反省会」はあっても、褒める、祝う、認め合うといった「語り合う場」は、あまり無いですよね。
記事では、現在の企業に必要なのは、自分たちの仕事のあり方を考え、相互に承認しあう場ではないかと書かれていました。
同じ職場の人達が集まると、「感動体験」ではなく、「悲惨な体験」を愚痴として話す事が多いかと思いますorz
愚痴を言い合ってガス抜きも必要です。
しかし、それでは後退しないだけで、前へは進めません。
自分は仕事をするうえで、何を大事にしているのか。
どんなふうに仕事をしたいのか。
こういった価値観の共有は、組織の意思統一にとても大切です。
そのためにも、皆さんの職場にて、経験を語り合ってみてはいかがでしょうか。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 | 31 |