2015年01月28日

なぜ、人は攻撃するのか?・・・本当は、自分を守りたい臆病な意気地なし

【なぜ、人は攻撃するのか?】


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前回は、嫌な気持ちの一つ「怒り」のメカニズム、解消法を書きました。


●前回の記事: 「怒り」から抜け出す対処方法を身につけ、心を広くする体質改善法〜怒りをコントロールする技術「アンガーマネジメント」
http://kanzaki.sub.jp/archives/003274.html


今回は、「攻撃欲」です。
精神科医・片田珠美さん(京都大学非常勤講師)が解説しています。


暴言を吐く、脅す、やることをけなす・・・そんな攻撃的な人が、身の回りにいませんか?


攻撃欲のメカニズムは、自分を守るためなのです。
つまり、「攻撃は最大の防御」。


攻撃欲は、5つのパターンに分類できます。


(1)利得型:「自分のメリット」を守る
社内のポジションや肩書、上司の評価、報酬など。
自分のメリットを守ろうとしたり、獲得しようとしたりして、邪魔な他人を蹴落とす。


(2)自己愛型:「自分の存在価値」を守る
自分が相手より優位に立っていないと気が済まない。
相手をバカにしたり、けなしたりして、相手の価値を下げる。
そうすることで、自分の価値を保つ。


(3)否認型:「自分には"悪"がない」フリをする
他人の「悪」を叩くことで、自分にはその「悪」がないと周囲に思わせる。
そうすると、正しい人間だと思えて気持ちがいいからだ。
例えば、自分のミスを棚に上げ、部下のミスを責めるような上司だ。


(4)羨望型:「他人の幸福」が我慢できない
成功している人、幸せそうな人を見ると、悔しくてたまらない。
やっかみと嫉妬から、他人が持っている幸福を破壊したくなる。


(5)置き換え型:「八つ当たり」で憂さ晴らし
怒りや敵意の原因を作った張本人に対して直接攻撃できない場合がある。
その人に関連する相手や、自分より弱い相手に向けて八つ当たりする。
例えば、憎い上司の派閥に属している同僚に嫌がらせするなど。


攻撃欲が強い人は、実は臆病者の意気地なしです。
他人を恐れる。
自分に自信がない。
通常のやり方では人を動かせないと感じ、恐怖を与えたり、陰湿なやり方で痛めつける。
自分の考えが絶対だと思いたいので、それが他人によって揺らぐことを極度に恐れます。
自分の弱さを隠すため、人を攻撃するのです。


攻撃のターゲットは、「弱くて真面目でおとなしい人」です。
つまり、私のような人ですね(白目)


俺がこんなことをするのは、おまえが悪いからだと責任転換し、つけこんできます。



【自分が攻撃された場合の対処法】


不幸にも、自分がターゲットにされた場合、どうすればいいのでしょう。


(1)観察する:
・なぜ、こんなふうに振る舞うのか
・一体、何に恐れているのか
・何に対して劣等感を抱いているのか


攻撃する人は、自分の弱さをひた隠しします。
観察して、その正体、手口を探りましょう。
虚勢をはっているのを知れば、少しは恐怖が和らぎます。


(2)「相手が変わること」を期待しない:
「話し合いによって円満に解決できる」などという幻想を抱かない。
相手は変わらない可能性が高い。
自分が疲弊するだけ。


(3)なるべく話さない、避ける:
近づかないようにして、異動や転勤、転職の選択肢も考慮する。


(4)相手の曖昧な言動を明確にする:
攻撃する人は、曖昧な表現やほのめかしによって、相手を動かそうとすることが多い。
「あやふやなままにはしない」という意志を示す。


(5)ユーモアを交えて切り返す:
やり返さない限り、攻撃を続ける人もいる。
「場合によっては、やり返すぞ」と、断固たる姿勢を示す。
あまり強くやり返すと、さらなる反撃にあうこともあるので、ユーモアを交えたほうがいい。


(6)罪悪感から自分を解放する:
「おまえのせいで仕事がうまくいかなかった」などと罪悪感につけこんでくるのが、攻撃する人の常套手段。
自分にそこまでの力や影響力はないと思えば、罪悪感にさいなまれずに済む。


※※※


世の中、いろんな人がいます。
暴言をはいたり、怒鳴って攻撃する人も多いです。


今は、ゆるい時代だから、そういう罵声を浴びせられる事に慣れていない人も多いです。
それ故、攻撃を受けた時、必要以上にダメージを受けてしまいがちです。


手っ取り早いのは、そういう経験・場数を増やして、慣れることではないかと思います。
嫌ですけれどね。
私は幸い、そういう経験が多いので、大声を出されたり、突っかかってこられても、あまり恐怖を感じなくなりました。


昔は、本当にガタイのいい人が攻撃してくるので、それなりに迫力がありました。
今は、「この人、どう考えても、俺より弱いよなあ・・・」という人の方が、大声を出しますね。


「事実」と「感情」を分けて、冷静に対処するのがベストです。


今、攻撃の中でも目立つのが、モンスターペアレントかもしれません。
学校の先生が、モンスターペアレント達と話し合いの場が設けられた際、どう対処するかについて紹介します。


(1)相手は「モンスター」なのではなく、「モンスター」という状態にあるという事を認識する。


(2)座る位置は、相手に対して直角、もしくは角度を変えて座る。真正面に対峙すると、それだけで対立の状況になってしまうから。


(3)状況証拠として、ボイスレコーダーで録音をする。その際、相手に対して「録音をして良いですか?」と尋ねるのではなく、「録音をさせていただきます」と伝える。


(4)メモ等をする際、鉛筆ではなく、ペンを使うこと。これは証拠として消えないようにする為。


(5)相手に対してこちらは複数で応対する。できれば、その内の一人は背や体格の大きい人が望ましい。


(6)相手に筆記用具を渡し、こちらに対する要求を文章として書いてもらう。その事により、自分自身の中で、本当に言いたいことを整理してもらう。


(7)熱気づいた討論になったら、窓を開ける等の行為をして、場のクールダウンをはかる。


(8)相手に色々と言われても、「そうですかあ」「〜かも」「はあ」と断定した言い方を避けて回避。


(9)相手の目を見て話すと攻撃的になるので、相手の口を見て話す。


(10)その親御さんの子供について、誉めるべところはちゃんと誉める。


ビジネスマンの顧客に対する苦情処理にも応用できそうな気がします。
「事実」と「感情」が入り混じって言ってくる相手に対し、こちらは冷静に対応する上でも、上記の方法は有効だと思います。

Posted by kanzaki at 2015年01月28日 22:07