ベルギーの首都・ブリュッセルでは、「走行税」の導入がされる予定です。
それは、走行距離に応じて税金を徴収するというものです。
目的は、交通渋滞を解決するためです。
(ジャパニーズインベスターより)
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ベルギーの大都市は、朝夕の交通渋滞がひどいです。
ブリュッセルと、第二の都市・アントワープを走る自動車の数は、約40万台です。
渋滞は、時間の無駄であるばかりか、交通事故にもつながります。
政府と運輸省は、「走行税」の導入を進めています。
自動車にGPSの搭載を義務付け、走行距離によって毎月の課税額を支払わせるというものです。
人々は納税義務を避けるため、自動車ではない別の通勤手段を選び、それによって渋滞を緩和させようというわけです。
定期的な渋滞時間は、午前7時〜9時、午後3時30分〜午後6時間半です。
この時間帯に高速道路を利用した場合、原則1キロ毎に5ユーロセント(約6円)が課金されます。
もっとも混雑する都市部では、最高9ユーロセント(約14円)の課金です。
既に隣国オランダでは導入に成功しており、それを踏襲した内容となっています。
実用化に向けて議論が重ねられています。
特に問題視されているのが、税の算出レートです。
渋滞時とそれ以外の時間帯、都市部とそれ以外に大きな差があるからです。
しかし、現在の道路税に代わる新納税制度の導入は、時間の問題です。
既に2トン以上のトラックに対しては、この走行税導入が決まっているからです。
大型車両は、1キロ毎に40ユーロセント(約48円)の納税と高額です。
当然、運送会社、輸入企業は猛反発しています。
自動車数が減って、渋滞が解決するのか。
他国ではありますが、日本も同じ悩みを抱えているので、とても気になる税制度です。
※※※
税金を徴収するから、嫌ならクルマに乗るのをやめろ、道路を走るなという事ですか。
経営学者・ピーター・ドラッカーは、こんな事を言っています。
企業は「顧客満足」を追求すればよいと思っていますが、ドラッカーに言わせれば、それは間違いなのです。
社会は生き物であり、常に変化しています。
その中で、顧客満足では遅いのです。
企業は自ら市場を創造し、創り出していかなければいけません。
そもそも顧客は、自分自身の欲求を知りません。
例えばiPhoneなど、それらの機器を具体的に欲求していた顧客はいませんでした。
企業が市場を創ったのです。
よく企業は、売り上げ目標・利益目標を定めますが、これはナンセンスです。
顧客は、欲しくないものは、何をされても買わないからです。
企業が売り上げをコントロールできるものではありません。
企業がコントロールできるのは、マーケティング機能、イノベーション機能、経営管理的機能だけです。
ブリュッセルの「走行税」ですが、これは渋滞緩和という「顧客満足」を満たすための手段だと思います。
既にこの時点で、政府と運輸省は、企業としては優秀ではありません。
さらに、顧客満足の為なのに、その顧客からお金をふんだくるという、経営的にもっとも愚かな策です。
なんでどこの政府や公的機関も、解決策として「課税・増税」をして、「値段が高いからそれをするのを控えよう」という事ばかり考えるのでしょうかね。
交通渋滞は確かに困るけれど、課税する程の「悪魔」ではありません(悪ガキかもしれませんが)。
どうにも、お金を市民からふんだくりたいから、その大義名分として、交通渋滞を持ち出してきたように感じます。
人がどこに住むかは、個々の事情によって様々です。
「交通渋滞」という一つの事情より、もっと複雑です。
日本でも導入なんてことはあるのでしょうかね。
地方は、マイカー通勤が当たり前。
さすがに高速道路は使わないけれど、バイパスは常に大渋滞です。
「外国がやっているから・・・(震え声)」と、導入実施をしようという人が出てきそう。
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