2015年03月05日

「ナレッジワーカー(知識労働者)」にとって最適な仕事環境は「フリーアドレス」「フリーオフィス」かもしれません

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(マイクロソフト日本法人:フリーアドレス環境のオフィスで仕事をしている様子)


(NJCネットコミュニケーションズ:ワークスタイル「フリーアドレス」)

「フリーアドレス」とは、自由席の事。
オフィス内の仕事をする座席が決まっていないスタイルです。
さらには、事務所内どころか、仕事をする場所すら決まっていない「フリーオフィス」の会社もあります。



【ナレッジワーカーとは?】


「ナレッジワーカー(知識労働者)」とは、「知識」を元に、行動を起こして「知恵」へ変換できる人の事です。


つまり、会社の「マニュアル」に載っていない、新たな付加価値を生み出せる人です。
経営学者ピーター・ドラッカーが作った言葉です。



【フリーアドレス、フリーオフィスが広まっている】


日経に、ナレッジワークは、机を並べただけのオフィスでは生まれないと書かれていました。
働き手に「交流」と「集中」をもたらす空間こそが、その土壌になるとの事。


その為、各従業員に決まったデスクを持たせない企業もあります。
「フリーアドレス」という考えは、じわじわ広がっています。


カルビー本社は、毎日2回の座席替えを行っており、同じ席に座れるのは最長5時間までとなっています。
部門や肩書に関係なく座ることにより、社内調整が円滑となり、顧客企業へ売り場提案が早くまとまるようになったそうです。


三井物産は、勤務時間の2割は、本来の持ち場から離れて、自由に新事業の考案に充てられる制度をつくりました。
キャリアも世代も異なるメンバーが集まり、新ビジネスを創る土壌が出来ました。


更には、一つの事務所内に定まらない「フリーオフィス」の会社もあります。
IT企業のサイファー・テックの社員は、東京と徳島県にある3つのオフィスを自由に行き来出来るようになっています。
都会と自然、その時の仕事に応じて環境を変えられるのです。


※※※


【データだけでは意味が無い】


ビジネスの現場では、「ビッグデータ」という言葉が使われます。
文字通り、膨大なデータです。


しかし、データがあるだけでは意味がありません。
「結局、それを使って、儲ける事ができるのか」が重要です。


ビジネスに役立つ何かを見つける事が出来る人が、ナレッジワーカーなのです。



【ナウイスト=ナレッジワーカー】


前回、革新的なことをしたいなら「ナウイスト(nowist・現在主義者)」になろうと書きました。


●神崎のナナメ読み 革新的なことをしたいなら「ナウイスト(nowist・現在主義者)」になろう〜MITメディアラボ所長・伊藤穰一(いとうじょういち)さん。つながることに力を注ぎ、常に学び続け、アンテナを高くして、「今」に集中すべき
http://kanzaki.sub.jp/archives/003296.html


これだけ世の中が複雑で不確定要素が多くなると、あれこれ考えたり、躊躇しているより、とりあえず行動するのです。
つながることに力を注ぎ、常に学び続け、アンテナを高くして、「今」に集中しています。


ある意味、ナウイスト=ナレッジワーカーだと思います。



【ナレッジワーカーとマニュアルワーカー】


ナレッジワーカーは決して、デスクワークの人を指す言葉ではありません。
マニュアルどおりの仕事しかしていなかれば、ナレッジワーカーではありません。
それは、マニュアルワーカーです。
肉体労働・現場作業の中でも、マニュアルに載っていない、新たな付加価値を生み出せる人は、ナレッジワーカーなのです。



【無理にフリーになる必要はない】


一時、「ノマドワーカー」という言葉がもてはやされました。


ノマドワーカーとは、自宅や会社のオフィスではなく、喫茶店やファストフード店などでノートパソコンなどを使って仕事をする人です。
フリーランスの人が多いです。
ほら、スタバで、マックブックエアーを使っている人です。


今は、そこまで、もてはやされません。
なぜでしょう?
それは、上記でご紹介したとおり、企業自身がフリーアドレス、フリーオフィス化してきたからです。


しかも、頼もしい同僚や上司がいます。
一人ではありません。
税務・総務関係を気にせず仕事に集中でき、更に福利厚生が完備しており、サラリー(月給制)という安定感もある。


安定感と自由が社内で構築できるならば、無理してフリーになる必要もありません。
社内でだって、ナレッジワークは可能です。


それどころか、社内起業(社内ベンチャー)だって可能なのですから。



多様な働き方が存在する時代です。
多様なのは、「働き方」だけではなく「場所」もそうです。


もし、自分がマニュアルワーカーだと感じていたら、社内での働き場所を工夫してみると良いかもしれません。


空気の流れが良くなり、大きな変革が生み出されると思いますよ。

Posted by kanzaki at 2015年03月05日 22:42