相手になにかしら伝えるには、工夫が必要です。
コツは、「分かりやすく肯定的」に伝えることです。
×:部屋を散らかしちゃダメ!(否定的)
○:部屋をキレイに片付けよう!(肯定的)
※
【1.NGワード:やってはいけないイメージを否定的に伝える】
例えば、少年サッカーの練習の際、監督が選手にシュートのやり方を教えます。
その時に「上に蹴るな!」と否定的に伝えると、かえってボールが上にいってしまいます。
少年野球でも同じ。
監督が打席の選手に、「低めを狙うな!」と伝えると、低いボールが来た時にバットを振ってしまいます。
両方に共通するのは、やってはいけないイメージを否定的に伝えているということです。
やってはいけないことは分かります。
具体的にどう対処すればいいのかは、はっきり思い浮かびません。
監督が言った「上」「低め」という言葉だけは、意識に残っています。
とっさの時、体はそっちに反応してしまうのです。
否定的に言われると、叱られたように感じます。
反発したくなったり、不要に緊張します。
何事もうまくいかなくなってしまいます。
※
【2.OKワード:目指すべきイメージを肯定的・明確に伝える】
少年サッカーの練習の際、「ゴロを蹴ろ!」と伝えると、うまくゴロが蹴れることが多いです。
少年野球の場合、打席で「高めを狙え!」と伝えると、ちゃんと高めを狙ってうち、ヒットが増えるそうです。
「ゴロを蹴ろ」「高めを狙え」は、目指すべきイメージを肯定的・明確に伝えています。
やるべきことが、はっきり思い浮かびます。
「ゴロ、ゴロ」「高め、高め」と自分に言い聞かせながら、その一点に集中できます。
否定的に言われていないから、反発や、不必要な緊張もありません。
※
分かりやすく肯定的に伝える方法は、教育評論家・親野智可等(おやのちから)さんが解説していました。
●親力 教育評論家・親野智可等のホームページ
http://www.oyaryoku.jp/
●親野智可等 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%AA%E9%87%8E%E6%99%BA%E5%8F%AF%E7%AD%89
親野 智可等(おやの ちから、1958年 - )は日本の教育評論家。本名杉山桂一。 公立小学校で23年間教師を務める。 『ドラゴン桜 わが子の「東大合格力」を引き出す7つの親力』(2005年 講談社)、『「叱らない」しつけ』(2006年 PHP研究所)等を著し、ベネッセ教育情報サイトではコラムを執筆している。 2010年9月現在、朝日小学生新聞で親向けのまんが「そこが知りたい 親力のツボ」を隔週で連載中である。
これらは特に、まだ様々な経験が少ない子供たちに有効です。
みそ汁を盛っている子供に、「こぼさないでよ」はNG。
「上手、上手」「ゆっくり、ゆっくり」がYES。
「早くしないと間に合わないよ」はNG。
「7時に出るよ」がYES。
「散らかしちゃダメでしょ」はNG。
「さあ、キレイに片付けよう」がYES。
「ぐずぐずしないで」はNG。
「3分でやっちゃおう」がYES。
「ドタドタ歩いちゃダメ」はNG。
「忍者歩きだよ」がYES。
※※※
これからの季節、新人に仕事のやり方を指導することがあると思います。
「物覚えが悪いなあ」「なんでこんな事も出来ないのだろう」と思ったアナタ。
大抵の場合、それは相手の理解力が低いのではなく、あなたの指導力が低い可能性があります。
相手に伝える方法が下手なのです。
どうやったら理解してもらえるのか。
そういった技術を身につけることは、会社全体が良い方向へ回るきっかけとなりますよ。
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